アメリカバーボン蒸留所めぐり2(Bardstown, ケンタッキー州)

お酒好きにはたまらない蒸留所めぐり。酒蔵でもワイナリーでも、お酒の生まれるところにストーリーあり!

あるまむ
あるMoMガーデン in US
7 min readMar 29, 2016

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その1はこちら。

アメリカケンタッキー州のバーボン蒸留所めぐりその2の最初は、世界でもっとも売れているバーボンの蒸留所から。

Jim Beam

言わずと知れた、世界で最も売れているバーボンの蒸留所。

我が家は夫婦そろって天邪鬼。ふだんは有名だからあえて買わないとか、行かないとかしょっちゅう。

Jim Beamもあまりにメジャー過ぎるから、行くのをやめようかと思ったぐらい。だけど、ここはなんといっても世界一!たまには素直に有名どころに行くのも悪くないどころか、ほんとに行ってよかった。

蒸留所めぐりの醍醐味のひとつ、見学ツアーは倉庫が中心。ここは、案内のお姉さんがお酒呑みだったのでかなり楽しくまわれました。

こちらの写真の樽は、2007年10月に詰められた樽。

バーボンエキスを吸って生きているカビ

熟成庫の周りの木の幹は、遠目からでもわかるぐらいに真っ黒になっている。

これは幹の周りにバーボンエキスを吸って生きているカビのせい。ウィスキーを寝かしている間、少なくとも2%のウイスキーはアルコールとして空気中に蒸発してしまう。

樽の中から蒸発したアルコールが大好きなカビが木の周りで生きているというわけ。

もともと水源の近くにつくられる蒸留所は、湿度も高いところに、エネルギーとなるアルコールがあるものだから、この黒いカビがよくはえるらしい。

この黒い幹の木は、いわゆるU.S. Prohibition Era、1920年から1933年の禁酒法時代に、熟成庫をみつける目印になってしまったという話だった。

おまちかねのテイスティング

カウンターでのテイスティングは、まるでバーの雰囲気。お姉さんGood Job!

あのアルコールがめちゃめちゃ高い60%以上のBookersも、JIMBEAMのお酒だったとは知らなかった。

ここは、たとえるなら硬派な男気あふれる蒸留所だった。

Heaven Hill

2つめは夫の愛飲酒 Evan Williams Single Barrelの蒸留所。

残念ながら、蒸留所は1996年の火事で焼失してしまい、今は、蒸留所はルイビルにある。ここには熟成倉庫と観光用の施設(Bourbon Heritage Center)が建っている。

複数のツアーがあったけど、一番オーソドックスなツアーに参加した。ツアーは主に、熟成庫の説明とテイスティングだった。案内のおじちゃん、相当なバーボン好きで、テイスティングはここが一番充実していた。

成熟庫の中は、すこしカビ臭いにおいと甘い匂いが充満。倉庫の中は、防虫対策もしていないのに虫がまったくいない。不思議。

Heaven Hillの充実のテイスティングルーム

左が18年物のシングルバレル、右は普通のシングルバレル。飲む前には、真ん中にある二つの小瓶の匂いを嗅いでから。右が、ローズマリー、左がカモミールの匂い。色を楽しみ、口に含んで、飲みこんだら、息を吸ってはく~。その後は、お水を数滴だけたらして、味の変化を確認して、うんちゃらかんちゃら…。充実の飲み方講座。

お水を数滴たらしただけで、味がキリッと変わる。

こんなに変わるとは思ってもいなかった。いままで何も考えずにロックで飲んでいたけれど、ストレートの味もなかなかいけるじゃないの。

ここでは、お土産に自分で好きな言葉をラベルに入れられるミニボトルを購入。Wait until you are 20.と書いて、小学生の甥っ子達へ。といっても、その前に兄が飲んでしまう気もするが。

大人のお酒の飲み方を教えてくれる蒸留所だった。

Maker’s Mark

日本でも同じみのMarker'sMark。なんとなく軟派な印象のお酒だったけど、その理由が今回ここにきてわかった。

ここは行った中では、一番いまどき風のマーケティングをしていた蒸留所。

一番の見ものは、やはり瓶詰めの後の赤いロウのキャップ。どうやっているのかとおもいきや、女性達がボトルを一本一本ロウにつけていた。その後の瓶が通過するトンネルのデザインもかわいらしい。

Marker'sMarkの成り立ちは面白く、先代がそれまで受け継がれていたバーボンレシピを焼却し、新たに女性も飲めるバーボンを作ったのが今のMarker'sMarkなんだとか。コニャック瓶を模したデザイン、ラベル、ロウのキャップ、イメージカラーの赤まで、全ては奥さんの仕事。今なら、カリスマ主婦のマーサ・スチュワートといったところ。

ショップでは、購入したボトルにロウキャップをつけることもできる。我が家では、樽詰めまえのホワイトリカーのMaker’s Markを購入して、夫がボトルにロウキャップをした。

ここは全体的に少し新しく、少し気取った女性っぽい雰囲気の蒸留所だった。

お酒のみのアメリカの個人旅行なら、ケンタッキーの蒸留所めぐりおススメです。

アメリカバーボン蒸留所めぐりその1はこちら

youngcorn.blog113.fc2.comに掲載した記事を編集、追記しました。

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あるまむ
あるMoMガーデン in US

アメリカのまん中らへんのど田舎で生活。アメリカでアラフォー高齢出産。アメリカ企業で働くママです。今の仕事は、遺伝子組み換え植物を作る会社の研究補佐。日本では虎ノ門でサラリーウーマン、遺伝子解析装置の営業&マーケティングをしていました。