「ジャックバウアーと肩を並べる私の24時間」
初っ端から余談だが、海外ドラマの沼にハマっていた時期があった。
中学2年~高校2年の間に、長編ドラマの巨匠J・J・エイブラムスが手掛ける100話完結のシリーズを2つ(しかもそれぞれのシリーズを2周ずつ)、スターウォーズファンと敵対関係にあるスタートレックシリーズもほぼ全視聴、ジョン・ハム演じるマディソン街のコピーライタードン・ドレイパーの登場するMAD MENに酔いしれ、ジャックバウアーの奮闘ぶりを24時間のタイムラインで追う”24”もシーズン9まで(ストーリーの反復/中弛みに辟易しながらも)ほぼ制覇しているため200話ほど...
恐らく累計1000話ほどの海外ドラマを観ることに中高の多くの時間を捧げてきたことで、結果として液晶スクリーンを通して多くの教養を学んだように思う。
アメリカにおける父性の失効(MAD MEN)、パラレルワールドの想像力(FRINGE)、キリスト教的運命主義者たちの思考(LOST)、スペースオペラから垣間見える人種多様性の認識の変遷(スタートレックシリーズ)などの基礎認識をドラマから仕入れてきていることで現在の私がある。
さて、本題だ。
ドラマが詰まり過ぎたジャックバウアーの濃密でハードな24時間にも勝るとも劣らない、私の直近36時間について報告する。
これは2017年7月24日午前9時から7月25日午後9時の間に起きた出来事である。
24日(月)天気は曇り、午前9時、一睡もできないまま形式的な起床。
ブログの前後編の後編を執筆すべく、パソコンを起動して何やら書きつけるも、意味をなさない輪郭のぼやけた文章ばかり。
前編の記事は評価も高く、それなりに手応えもあったため、後編への期待に分かりやすく押し潰された。
何を書いているのかがはっきりしないまま、何とか形にして昼頃公開する。
その後は、本を読もうとするが、集中が2秒と続かない。そして頭痛がひどい。
散漫な午後を過ごして、日付が25日(火)午後から午前へと移りゆくころ、翌日の予定を思い出す。
数日後に1年間の留学に旅立つ友人とビリヤードをしに行くことになっていたのだった。
そしてその友人から村上春樹の最新刊(といっても少し前のことだが)『騎士団長殺し』を2カ月ほど借りっ放しの末、まだ上巻の30ページあたりで停滞しているという本好きの風上にも置けない有様...
読了など今からできるはずもないから明日友人に返却してAmazonで自腹で購入するか、などと考えていた。
しかし事態は思わぬ急展開を見せる。
読むべき一切の積読本の山を薙ぎ倒し、『騎士団長殺し』を割り込みさせ、明らかな睡眠不足の中、25日午前2時より上巻30ページから上下巻1000ページに挑む。
タイムリミットは友人との待ち合わせの25日午後1時。
さてどうなる。
これがハルキワールドのパワーだろうか。
これまでの彼の中長編及び短編作品の意匠を結集したような世界観と並走し、なんと折り返し点となる下巻に空も白む午前5時ごろ辿り着く。
さて午前6時半からは、いよいよ場所を自室から三宮で24h営業のガスト喫煙席に移して、下巻を読み始める。
多少のやっつけ感は出てしまっているかもしれないが、100ページ進むごとにドリンクバーのコーヒー1杯と煙草1本を自らにプレゼントすることにした。
斜向かいの席に出入りする客の会話にうっかり耳を貸すと、紫煙をくゆらしながら頬杖をついてそれをBGMに寝てしまうため、いくらキャバクラのお勤めあがりの女2人の来たる秋の旅行先の選定が馬鹿みたいに面白くてもそちらには目も呉れず、光の速さで読み進める。
そしてついに、イデアとメタファーを潜り抜けてとうとう読了した。
頭にはサライが流れ、瞼の裏側では花吹雪が落ちてきている。
時刻は午前11時過ぎ。
ドリンクバーから熱湯だけを汲んできて、最後に飲み干す。
その後友人に本を返却してミッションコンプリート!
これで私の24時間は終わった、やれやれ...
だが私の36時間はそうはいかない。
友人は追撃の手を一切緩めない。
しぇからしかのラーメンを空っぽの胃にぶち込み、私を恍惚感に浸らせ、玉のような汗が噴き出すほどの激しい卓球を1時間弱、そしてようやくビリヤード。
ビリヤードは、そこから3時間である。
ロシア・中国から、生物兵器商人から、そしてはたまた祖国アメリカからも追われるジャックバウアーも腰を抜かして泡を吹かすほどのハードワークっぷりである。
ビリヤードを真剣勝負で3時間やると本当にしんどいものだ。
卓球は元テニス部の友人に非利き手で負けるという苦杯を喫したが、ビリヤードはいい勝負をしながらなんとか勝てた。(最後の1ゲームを百点換算するのなら、私は大敗したことになるのだが、それはともかく...)
そして25日(火)午後9時、ブログの執筆である。
もはや自分が何時間起きているのか数えるのすら面倒だし、きょうは誤字があっても許してよね、ほんと。
そしてちらりと、自分がきょう書いた文章を読み直してみたが、なんだこの小学生みたいな文章は...
きょうは~しました。~君と遊びました。よかったです。
じゃないか、これでは。
はは、「あの」村上春樹も嘲笑だろうが、わたしは「あの」ジャックバウアーを唸らせたのだから、なんか文句あっか、マイフェロードックスメーン。
2017/7/25
