「深夜のバジルラーメン、不眠の魂をノーマルにぶっ飛ばす」

夜型生活者となって数年経つ。眠れない深夜、ゴミ捨てに行く道すがら、近くのコンビニまで散歩する。500円硬貨とウォークマン、鍵だけをポケットに入れて、大型トラックしか走ってない骨太な道路を横断しながら10分ほど歩いていく。この島に生息するタクシードライバーとガソリンスタンド店員と仮眠をとる大型トラックドライバーたちの生態を観察するナイトサファリ。

ポテチと缶ビールのコーナーを物色して、棚の微妙な変化を嗅ぎ分ける。ついでに雑誌も立ち読む。深夜のコンビニ巡礼(実際に2軒回ることが多い)の甲斐があってポテチとビールの新商品が入ってきたら把握、購入には余念がない。

大抵は目新しいものがなく、何も買わないままそのまま広い道路を横切って我が家へ同じやうにして帰って行く。いつだって深夜のコンビニ店員は何も買わずに部屋着で店を出て行く私を訝しげに眺めてゐる。


そんな眠れない夜の決着を思いがけず見いだすことになった。

バイト終わり空腹だ。まかないがあるゆえに完全な空腹とはいえない。でも何日かに一度は何かを食べて腹を爆発させたくなる。

どうやら昨晩がその日だったようだ。

バイト先で大将オリジナルの貝カレーを食してから、三宮駅前にある最近お気に入りのラーメン屋に入店し、バジルラーメンを注文する。きょうの店内は平日とあってかキャバ嬢もホストも飲み終わりのサラリーマンも疎らだ。粉チーズ、バジル、ガーリックが容赦なく振りかけられた創作ラーメン。この店は他にもイカスミで真っ黒のラーメンなんかもある。ここまで書くとどの店か既にお分かりの賢明なる読者の方もいらっしゃることと思う。

深夜のラーメンの味は間違いない。そしてそのまま若干の眠気と替え玉までした貧弱な、それでいて見栄っ張りの爆発しそうな腹を携えて帰宅し、風呂を上がってスマートフォーンをベッドの上で触っていると、また三宮の街に私はいた。そして同じようにラーメンを食し、また帰宅していた。二度目の街は夢だった。膨らんだ腹の上を朝の風が静かに撫でてゆく。

1時までに寝て、朝スッキリ目覚めるなんていう生活が合法的に自分にもやってくるとは思ってもみなかった。

深夜の余計なラーメンは私の意識をぶっ飛ばし、私の生活リズムをノーマライズする。

2017/9/5

Show your support

Clapping shows how much you appreciated Ryunosuke Honda’s story.