落語はすごい

といかず
といてら
Published in
4 min readMar 21, 2017

昨日は、落語を聞いて来た。

川柳川柳という師匠を持つ、
川柳つくしさんという女流落語家の真打の方の独演会。
もう10年も続いているそうで、今回はその最終回。

実は、川柳川柳という方は、まったく知らなかった。

名落語家と言われた、円生の2番弟子だったそうですが、
落語協会の分裂騒ぎの時に、破門になってしまったようです。

そのつくしさんの高座を、後輩に声をかけられて、行って来たのです。
ちなみに後輩とつくしさんとは、高校の同級生。

前座の頃から、応援しているそうで、
是非聞いてくれということで、行って来ました。

つくしさんの演目は新作落語が多いそうなのですが、
今回は、区切りということで、最初に師匠から稽古をつけてもらった演目
「八九升」から始まった。

コミュニケーションの本質

この演目は、耳が聞こえないという言葉が、
差別用語にあたるとして、今はほとんど演じられていない。

確かにテレビなんかでやれば、電話がジャンジャンかかって来そう。


耳の悪いご隠居に番頭さんが、質問に答えるというものなのですが、
コミュニケーションの本質が詰め込まれているなと感じました。

女中の人が、心配しながら、ご隠居さんに声をかけるのだが、
何を言っても、悪口を言っているとしか取らない。

ほとほと女中が困っている時に、
番頭さんが来て、
ニコニコしながら、どうせ聞こえていないからと、ご隠居に対して、
悪たれ愚痴を叩く。

しかし、番頭さん、満面の笑顔で、しゃべっているものだから、
等のご隠居は、番頭さんのその悪口を、
いつも、心配してくれてありがとう。と言って感謝している。

その会話の流れで、ご隠居は、店のことなどを質問してくる。
聞こえないご隠居に言葉ではなく、髪の毛を火鉢にくべたり、
ミノを着たりして、伝えたい内容を
ご隠居にわかるように伝える。

最後に、

ご隠居の「この美濃米は、1両でどれくらい買える?」
という質問に、こよりをよって、鼻に突っ込み、
「はーっクション!」
八から九升というオチなんですが、

言葉以外で伝わることがいかに多いことか、
相手はこちらが言っていることを聞いているのではなく、
頭の中で、勝手な想像をしているんだよと。

その勝手な想像をいかに相手の頭の中に作り上げるのが、
コミュニケーションだということを教えているんだなと。

立川志の輔さんの見事な落語の後に、
落語とは、皆さんの頭の中に、
私の伝えたいイメージを作り上げることなんですよ。
と言った言葉が、まさにという感じで蘇って来ました。

昔の人は、情報が少ないなりに、
自然に人間とはということを、教えるすべを持っていたのでしょうね。

情報とはどこからくるのか

今は、情報がありすぎ本来大切なものも、
あまり重要ではないものも、一緒くたになっている。

本当の情報はどこからくるのか?
どのような形でくるか?
どのように伝えられるか?

これらを問うことによって、
学ばなければならない情報を取捨選択する必要がありそうです。

情報とは、データーを意味や、目的により構成されたものなので、
インターネットの中にあるものは、
金儲けにつながるように加工されているのかもしれません。

こうやったら伝わるというテクニックばかりが先行して、
本来の伝えるということが、
おろそかになっているのではないかと考えさせられました。

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といかず
といてら

人の学習について学び始めると、還暦もとうに過ぎているのに、もっと自分を高めることができると気づいた。ヘリコプターから小型ジェット、新聞社の取材飛行を経験して、東亜国内航空へ、最後はJALで翼をたたみました。新しい人生を歩むために自分の学習能力を高めていきたいと思っています。