好きな映画40

先日知人と話していて「シン・ゴジラは傑作。ぼくのオールタイムトップ40くらいには入る」とか口走ったことをきっかけに、ちょっと考えて現時点のフェイバリットな映画作品40本を挙げてみた。

01. セリーヌとジュリーは舟でゆく (1974 / ジャック・リヴェット)
はい。「亡霊」「陰謀」「幽閉」「少女」「夢」と、大好きな要素が全部入り。三時間以上もあって長いんだけど、観ているあいだずっとにこにこしてしまうくらい楽しい映画。演劇が映像に、即興が台本に、反物語が物語に、不条理が論理に介入して内側から瓦解を導く後半のビデオゲーム的展開は、物語構造の次元で「現実 対 虚構」を体現しているよう。首尾よくゲームクリアに成功する二人がより大きな円環構造に飲み込まれる結末は、すべての虚構が持つ虚構性を誠実に描写した所以で、「(強くて)ニューゲーム」によってリセットされる登場人物たちの記憶と、プレーヤー(観客)のそれとの非対称性を浮き彫りにする。ネコも驚く。


02. スウィート・ヒアアフター (1997 / アトム・エゴヤン)
一つの事故(事件)をきっかけに田舎町のどろどろした人間関係やら何やらが暴かれる、リアリズム版『ツイン・ピークス』ともいえる作品。いっさいの幻想要素を排しながらの重層的な語りと、それを支える技巧が冴え渡る。ラストの少女の偽証は、事故がすべてを変えながらその本質を何ひとつ変えなかったことを物語っていて、結果的に共同体を守る役割を果たしているのがほんとうにおそろしい。「気づいたときにはもう手遅れだった」のだ。


03. 赤い影 (1973 / ニコラス・ローグ)
ダフネ・デュ・モーリアの短編小説『いま見てはいけない』の映像化作品。イタリア旅行に行くとろくなことにならないのは彼女の小説では定番だが、そのなかでも断トツに悲惨な最期を迎えることになるのが本作の主人公。先説法(フラッシュフォワード)、錯時法が映像的修辞としてだけでなく、物語内容自体や主人公の運命を変えてしまう先駆的作品として『スローターハウス5』と双璧をなす。テッド・チャン『あなたの人生の物語』の映画版ももうすぐ公開だね。


04. ノスタルジア (1983 / アンドレイ・タルコフスキー)
犬映画。


05. マルホランド・ドライブ (2001 / デヴィッド・リンチ)
リンチ版『セリーヌとジュリー』。


06. トイ・ストーリー (1995 / ジョン・ラセター)
怖すぎる。


07. ミツバチのささやき (1973 / ビクトル・エリセ)
『パンズ・ラビリンス』の原型。


08. ストリート・オブ・クロコダイル (1986 / ブラザーズ・クエイ)
独身者の機械。


09. 雨月物語 (1953 / 溝口健二)
”「雨月物語」の奇異幻怪は、現代人の心にふれる時、さらに様々の幻想をよび起す。これはそれらの幻想から、新しく生れた物語です。”


10. 人生狂騒曲 (1983 / テリー・ジョーンズ)
すべての精子は神聖なり。


11. パリ、18区、夜 (1994 / クレール・ドニ)
12. パーフェクト・ブルー (1998 / 今敏)
13. パンズ・ラビリンス (2006 / ギレルモ・デル・トロ)
14. パリでかくれんぼ (1995 / ジャック・リヴェット)
15. バットマン・リターンズ (1992 /ティム・バートン)
16. 汚れた血 (1988 / レオス・カラックス)
17. 美しき諍い女 (1991 / ジャック・リヴェット)
18. 去年マリエンバートで (1961 / アラン・ロブ=グリエ)
19. 鳥 (1963 / アルフレッド・ヒッチコック)
20. アデル、ブルーは熱い色 (2013 / アブデラティフ・ケシシュ)


21. かぐや姫の物語 (2013 / 高畑勲)
22. 未来世紀ブラジル (1985 / テリー・ギリアム)
23. プレイタイム (1967 / ジャック・タチ)
24. レベッカ (1940 / アルフレッド・ヒッチコック)
25. エイリアン (1979 / リドリー・スコット)
26. 野いちご (1957 / イングマール・ベルイマン)
27. 憎しみ (1995 / マチュー・カソヴィッツ)
28. 千年女優 (2002 / 今敏)
29. チャイナタウン (1974 / ロマン・ポランスキー)
30. Cure (1997 / 黒沢清)


31. 第七の封印 (1957 / イングマール・ベルイマン)
32. グッドフェローズ (1990 / マーティン・スコセッシ)
33. ブラック・スワン (2010 / ダーレン・アロノフスキー)
34. 悦楽共犯者 (1996 / ヤン・シュヴァンクマイエル)
35. ベンヤメンタ学院 (1995 / ブラザーズ・クエイ)
36. LAコンフィデンシャル (1998 / ジェイムズ・エルロイ)
37. ガメラ2 レギオン襲来 (1996 / 金子修介)
38. インヒアレント・ヴァイス (2014 / ポール・トーマス・アンダーソン)
39. 彼方からの手紙 (2008 / 瀬田なつき)
40. ゴースト・ドッグ (1999 / ジム・ジャームッシュ)

おわり