アジャツール 第5回 種類によって使い分けろ!ホワイトボードの一歩進んだ使い方

published at 2005/11/16.

はじめに

今回のアジャツールは、王道のホワイトボードに触れたいと思います。読者の中には、ホワイトボードに思い入れが強い方がたくさんいらっしゃると思います。ホワイトボードについて語りたいという方がいらっしゃいましたら、是非コメントください。今回はホワイトボードの種類について考察してみます。

ホワイトボードの種類

オフィスで一般に「ホワイトボード」というと、どのような形態のホワイトボードを想像するでしょうか?筆者は設置場所に着目して、一般的なホワイトボードの形態を3つに分類してみました。

  • 壁面設置型
  • 脚付き型
  • 携帯型
  • 立て掛け型

更に素材で分類したり、印刷可能かどうか、スクロールできるかどうか、マグネットが使えるかどうか、様々な切り口で分類できるのですが、今回はこの3つの形態を中心に見ていきます。

壁面設置型

スペースが許せる場合に設置しておきたいのが、この壁設置型のホワイトボードです。ホーローやスチールを素材としたものを、壁に固定するタイプが一般的です。

この壁設置型の利点は、なんといっても壁面に固定されているため、グラつかず書きやすいという点です。ただし一度設置してしまうと移動できない点や、壁面にホワイトボードを設置するだけのスペースがない場合は敬遠されることがあります。

オブジェクト倶楽部(注:現オブラブ)の事務局がある品川のオフィス(執筆当時。現在の永和システムマネジメントの東京支社は千代田区神田)では、会議室及び作業フロアの壁面に巨大はホワイトボードが数枚設置されています。このボードは本当に書き味が良く、幅もかなり大きいことから個人的にお気に入りなのです。

お客様のオフィスやイベント会場など様々な場所でホワイトボードを使ってきましたが、このホワイトボード以上に書きやすいものはまだお目に掛ったことがありません。もちろん印刷はできませんし、移動も壁面設置のため困難です。なのでいつもホワイトボードの近くの場所の取り合いになってしまいます。

また、ホワイトボードではなくホワイトボードシートを表面にコーディングしたマグネットシートや粘着シートなども存在します。これは直接壁面や、スチール面に貼り付けて使用します。

ホワイトボードシートは大きなサイズを指定することができるので、壁面全てホワイトボードということも可能になります。ただし一度貼ると剥すことができない(粘着シートの場合)点や、壁面がゴツゴツしているとシートの表面もゴツゴツしてしまい、書きずらいこともあります。最近では静電気で貼り付けることのできるシートも存在しますね。

脚付き型

オフィスでもっとも普及しているのがこのタイプのホワイトボードかもしれません。脚付きで移動できるため、使いたいところで使うことができるというのが最大の利点でしょうか。また、このタイプのホワイトボードではスクロールが可能になっていたり、両面使用できたり、書いた内容を印刷できるものも多く普及しています。使い勝手という点では壁面設置型を凌駕するのではないでしょうか。

ただ筆者はこのタイプのホワイトボードはきちんと固定されていないという点で若干書きにくさを感じます。また、ボードの表面がツルツルしているものが多いせいか、ホワイトボードマーカーの粉が残りやすかったり、若干書きにくいと感じたりしてしまうという欠点もあります。ボード面については商品にもよりますので一概には言えないですけどね。

携帯型

プロジェクトファシリテーションのグッズとしても紹介されている携帯型のホワイトボード(ペアボード)は、個人用途でメモ代りに使ったり、気軽に持ち運びできるという点が他のタイプと大きく異なっています。

ペアボードの利用され方と同じように、日常会話の口頭コミュニケーションを補完するというコミュニケーションツールとしての役割も強いと言えるでしょう。サイズも様々でA5サイズからA1サイズまで様々なサイズのボードが市場を賑わせています。

もちろん、このタイプのホワイトボードは、持ち運びも可能ですが、フックに吊るしておいて壁面設置型としても使用することができます。オフィスではあまりないかもしれませんが、家庭で使用する際にはこのケースが多いのではないでしょうか。

オブジェクト倶楽部のメンバーが愛用しているペアボードはA3サイズ、平鍋さんが携帯しているのは(文字通り持ち歩いている!)A4サイズです。本当にパーソナルな使い方なら、A5やA6でも十分かもしれません。ちなみに筆者の自宅には3枚のホワイトボード(A4, A3, A2)があります。(注:執筆当時。現在は180x90を1枚、 90x90を2枚、A4が数枚、B4が1枚)

立て掛け型

ここまで設置場所という観点から3つに分類して説明してきましたが、最近見つけたホワイトボードはいずれにも属さない新しいタイプのホワイトボードです。強いていえば立て掛け型でしょうか。

コクヨが興したブランドの「創材」 で扱っている「Light Write Board」 は、今までの3つの分類どれにも当てはまり、更に「立て掛ける」ことが可能なホワイトボードなのです。

(注:Light Write Boardは廃盤。連載以降、類似品をいくつか見かけたが、例えばアルテ PSホワイトボード 7PSW-3×6 両面使用可能 サイズ900×1800mmが近い。類似品を自作するブログもある→(創材ホワイトボード(モドキ)を作ってみた))

高さ180cmという立て掛けるのに十分な高さに、持ち運びに楽な軽量ということもあって、どこにでも移動して立て掛けておくことができます。更に、この「Light Write Board」ならば、机の上に置いて使用することもできますし、両面使うことも、横長で使うこともできます。

(注:筆者が一番のお気に入りの使い方は、床面に置いて道路に落書きをするかのように書くやり方でした。)

筆者が今作業しているスペースには、ホワイトボードを設置する十分なスペースも、常用使用できる脚付き型のホワイトボードもありません。無理矢理壁面を空けてマグネット式のホワイトボードを貼って使っていますが、十分な大きさだとは言えません。

これまでは、「ホワイトボードをイーゼルで立て掛けて使う」くらいの発想しかなかったのですが、この「Light Write Board」はホワイトボード自体を「立て掛ける」という点が衝撃的でした。もちろん、素材としてカットできるため、自分の使いやすい大きさにして使うのもいいでしょう。実際に私の知人は、このホワイトボードを手頃な大きさにカットして使っているようです。筆者も早速購入してしまいました(笑)(注:現在、筆者は半分の90cm x 90cmの2枚にして使用している)

ホワイトボードの部屋

最後にホワイトボードに囲まれた(というか一面ホワイトボードの部屋)をご紹介します。

ホワイトボードを壁として、更に机の上までホワイトボードになっているそうです。壁一面ホワイトボードという部屋は、アジャイル関連の文献によく登場しますが、机までホワイトボードになってしまうと、ホワイトボードを設置している」という感覚ではなく、「ホワイトボードの中で作業する」という感覚になってしまうのではないでしょうか。

Agile Modelingでもホワイトボード(特に壁そのものがホワイトボードである)の重要性を問いています。アイディアを記録し、議論を視覚化して共有し、イメージを表現するホワイトボードは、知識労働者には必須のアイテムと言っても過言ではないでしょう。

また、白という色は、「心も身体も浄化されて、新しく生まれ変わるような感じをもたらし、素直で明るい心をつくる」そうです。案外精神的な面にも効果があるのかもしれません。

まとめ

今回は、ホワイトボードについて設置場所による分類と、その解説をしました。次回は引き続きホワイトボードについて取り上げる予定です。

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