アジャツール 第15回 もっと!ホワイトボードを使いこなすのに必要なのは「工夫」
はじめに
2ヶ月ほど前にISOT(国際文具・紙製品展)が開催されました。(注:2006年度)業者のためのイベントなのですが、一般公開の日があり、筆者も初めて参加してみました。様々なメーカーが出展して新製品の紹介をしていました。その中で、多く目にとまったホワイトボードの紹介をしてみます。あと最近筆者の回りで流行っているホワイトボードについても紹介します。
貼ってはがせるホワイトボード
筆者は以前の記事でホワイトボードを設置の仕方で分類し、その解説をしたことがあります。その後、別タイプのホワイトボードの解説もしました。
今回ISOTで見かけたのは、前回紹介したものとは事なるまた新しいホワイトボードでした。タイプとしては壁に貼れるタイプになるのですが、その特性が若干異なります。
貼ってはがせるホワイトボード
1つはポストイットで有名な3M社の「貼ってはがせる ホワイトボード」 (注:現在は廃盤)でした。これはポストイットで使われている弱粘着性の糊を使って、ホワイトボードシートを壁面に貼り、使用できるというものです。マグネット方式とは異なり、スチール壁以外でも貼って使用することができます。使用した後は、はがして丸めて持ち運びができます。糊の粘着が弱くなった時のために固定するためのテープまで用意しているという周到さです。
吸着性ホワイトボード
次に紹介するのは、「吸着性」のホワイトボードのタイプです。このタイプはは小さな吸盤がビッシリ裏面に配置されてあり、平らな壁面に貼ることができます。例えばガラス窓やガラスのパーティション、もちろんスチールのパーティションにもつけることができます。タイプはいろいろありますが、ホワイトバリューという商品は吸着性のホワイトボードでもあり、更にはホワイトボードに鉄箔が仕込まれていてマグネットを使用することもできます。筆者もサンプルを取り寄せて使用してみましたが、思ったより吸着性能がよく、ガラス面に貼れるのはかなり便利だと感じました。
他にもホワイトボードペーパーという粘着性ホワイトボードもあるようです。(注:現在は廃盤)こちらはレーザープリンターで自由に印刷できるのが特徴のようですね。
携帯用ホワイトボードを自作する
最近携帯用ホワイトボードを自作するのが流行っています。このホワイトボードを自作した人たちは、本当にカバンにホワイトボードをしのばせて「携帯」しています。材料は100円ショップで売っているホワイトボードシートと、それを貼る素材です。素材はなんでもよく、アクリル板や厚紙、クリップボードなどがよく使用されているようです。(注:アイキャッチの自作ホワイトボードは@gaoryu氏の作品を頂いたもの)
壁に貼るタイプの貼れるホワイトボードシートも一般に流通していますので、近くに100円ショップがなくても、若干高めではありますが通販で購入することもできます。鉄箔を含んでいるタイプのホワイトボードシートならば、マグネットも使用することができて更に便利です。
自作のメリットは、自分の趣味嗜好に応じてカスタマイズできるという点です。一般に購入できるホワイトボードでは、ほとんどといってよいほど枠がついてしまします。自作ならば枠なしで軽量化したホワイトボードを自作することも可能ですし、スチレンボードに貼ることで軽量化を図ることもできます。
何を隠そう、オブジェクト倶楽部主催の平鍋氏は、携帯用ホワイトボードを自作して持ち歩いています。出先で何かを説明する時に使用しているのをよく見かけます。またオブジェクト倶楽部の水越氏はカバーつきのクリップボードをホワイトボードにして、日々のtodoを記入してtodo管理に使用しています。
環境に合わせて工夫する
前半は市販品、後半は自作品を紹介しました。最近では「lifehack(ライフハック)」という言葉が世間で流行っています。自分で日々の生活に便利なようにツールを考えたり、自作したりすることをこう呼びます。思えば「hack」という言葉はソフトウェアの世界では悪い意味としてとられてきました。しかし元々は自分が使いやすいようにソフトウェアに手を加えることを「hack」と呼び、そのようなhackをできるエンジニアを「hacker(ハッカー)」と呼びます。
以前からハッカーとは「悪質な技術者」のことではなく「優れた技術者」のことだと言う人々は多かったのですが、世論は全て「ハッカー」という言葉を悪質なエンジニアの意味で使ってきました。筆者は「lifehack」という言葉が流行り、いつか「ハッカー」という言葉が一般的に「優れたエンジニア」として使われることを期待しています。
以前のオフィスでもそうでしたが、必ずしもスチールの壁が使えるというものではありません。環境にツールが作用されてしまうのはちょっと悲しいですね。貼ってはがせるホワイトボードや、吸着型ホワイトボードは、そういった環境の制約を越えるための1つの方法です。更に言うとツールは購入してからが勝負です。購入してからも「lifehack」つまり日本語で言う「工夫」をこらして、皆さんの環境にぴったりのツールと使い方を造りあげることができたら素晴しいですね。