ASEANデビュー
初めまして。アセナビではインタビュー記事ライター兼イベント企画・運営をしています井上良太です。今回は私のASEANデビューについて書かせていただきます(^ O ^)
私のASEANデビューは大学2年次に親友に勧められて行ったカンボジアです。私は大学で外国人の方々とコミュニケーションをとる機会が増えるにつれ、日本語や日本文化について聞かれることが多くなりましたが、答えられないことや中途半端に答えてしまうことが多々ありました。悔しさもありましたが、逆に答えられるようになれば、コミュニケーションの幅が広がり、彼らにもっと日本を知ってもらうことができると思い、単なる留学ではなく、海外で日本語教育や異文化教育を学ぶことができる留学プログラムに参加していました(詳細は次回以降の記事で書かせていただきます)。
そうはいっても、日本語教育については無知だったので、留学プログラムが始まる前に海外の日本語教育の現場に少しでも触れてみたいと思い、カンボジアの小学校で10日間日本語・英語教育に携わることができるボランティアに参加しました。ちなみに参加者9人のうち男性の参加者は自分1人でした(笑)これが私のASEANデビューです。
具体的に何をしたかと言うと、ある村の小学校で午前2コマ、午後2コマの授業を現地の先生と一緒におこない、休み時間はひたすら子どもたちと外でサッカー、縄跳び、チャンバラなどの遊びしていました。先生と一緒に授業をおこなったと言っても、私は素人なので、主に発音の練習を担当していました。
私が関わったカンボジアの子どもたちは日本語や英語に興味を持ち、知っている単語や表現があれば言葉にして伝えてくれました。そんな子どもたちの目はキラキラ輝いていて、子どもたちに無限の可能性を感じました。子どもたちが授業を楽しんでくれたこと、一緒にへとへとになるまでサッカーをしたこと、授業中に鉛筆がほしいとせがまれたことは忘れられません。
私はそもそも学校が午前と午後に分かれている理由がわかりませんでした。おそらく、1日中勉強したい子、仕事と勉強を両立したい子、本当は学校に行きたくない子、学校に行きたいのに行けない子。様々な事情を抱えた子どもたちのニーズに合わせているのでしょう。とは言っても真実を知りたかったので、現地の先生に聞いたところ、2部制になっている理由を2つ教えてくれました。
1つ目は、先生の数に対して圧倒的に生徒の数が多く、一度に全員を受け入れることができないという理由で、2つ目が生徒が家の仕事を手伝っているから1日学校にいることはできないという理由でした。いかに自分が恵まれた環境で勉強できていたかを身に染みて感じました。
帰国前の最終日、カンボジアの都市,シェムリアップにあるアンコールワットに行く機会をいただきました。広大な敷地にある遺跡群には圧倒されました。2015年、トリップアドバイザーの’’旅行者が選ぶ世界の観光地ランキング’’でシェムリアップがアジアのトップ観光地になったのも納得です。カンボジア政府としても観光業には力を入れていて、カンボジアのGDPに対する観光業の比率は15%を超えているそうです!しかし、観光地ならではの光景でしょうか。ポストカードやお菓子を売りに来る子どもたちが多くいました。彼らの目は必至そのものでした。私があの子どもたちと同じ年齢の頃、何一つ不自由なく学校で学び、家の仕事を手伝うことなく、友人と遊んでいたことを考えると複雑な気持ちになりました。
どこかやりきれない気持ちが残ったままカンボジアから日本に帰ってきましたが、もやもやしつつも自分の普段の生活を最優先に考えている自分がいました。それでも何かカンボジアに関わることがしたいと思っていた時に、北原国際病院でカンボジアから研修医として来ている方に日本語を教えるボランティアがあることを知ったので、2週間に1,2回日本語を教えていましました。(北原国際病院とカンボジアの繋がりに関してはこちらから)
就職活動が始まり、北原病院でのボランティアはお休みしていましたが、アセナビに参画したことでカンボジアに関するイベントに参加する機会やカンボジアにインターンをした学生及びカンボジアで活動している企業の方にインタービューをさせていただく機会が増えました。特に自分が関心のある教育分野で活躍されていらっしゃる社会的企業,NPO法人HEROとの出会いは私の進路にも大きな影響を与えてくれました。(進路についても別の機会で書かせていただきます。NPO法人HEROのインタビュー記事はこちら)
私はASEAN地域で一番興味がある国はどこかと聞かれたら、正直カンボジアとは答えないかもしれません。しかし、カンボジアに行ったことが私にとって、一つのターニングポイントになったことは間違いありませんし、今後もイベント等があれば積極的に参加したいと思います。
日本からカンボジア(プノンペン)への直行便が2016年9月1日より新規就航となり、カンボジアへ訪れる日本人観光客はますます増加しています。実際に2000年当時は年間2万人弱だった日本人旅行客は2013年には約10倍の20万人弱まで増加したそうです。また、カンボジアは外国企業を積極的に誘致していることから、日本語や英語を学ぶニーズが増え、市場としての魅力も高まりそうです。そんな素敵なカンボジアに皆さんも一度、訪れてみるのはいかがでしょうか。