日本語教師は何を教えるのか
↑よろしければ先にこちらもご覧ください。本記事はこれの続きっぽく書きます。
日本語教師としての生活がはじまりました。
職場は、個人経営の日本語センター。
イメージとしては日本の予備校が近いです。
日本への留学や日本の企業への就職を目指している人たちが、
朝から晩までセンターで勉強しています。
初日は授業を見学させてもらったり、
職場のルールや時間割、働き方などについてを相談しました。
私の仕事は「自信をつけてもらうこと」
「日本語教師になる」
そう思っていた私ですが、
仕事内容は少しそのイメージからは外れたものでした。
授業内容は自由。なにを作っても良い。どんなことをしても良い。
ただそれを通して生徒の主体性を高めること。自信をつけさせること。
これが私のミッションでした。
一口に日本語の先生といっても、それは一様ではないようでした。
教える内容や場所などで区別できそうです。
日本語教師が教える内容
〈直接日本語に関わる部分〉
文法・会話・発音・読解・聴解…etc
〈それ以外の部分〉
面接対策・履歴書対策・バイトの探し方や用語など・日本のビジネスマインド…ect
日本語教師が教える場所
大学・大学以外の公共教育機関・個人経営のセンター・国が指定したセンター・職業訓練学校・会話訓練学校・実習生送り出し機関・実習生受け入れ機関・街角なども
また、日本国内なのか国外なのか
いろんな日本語教師の形があるんだなぁ。そう思いました。
私のミッションは
「自信をつけてもらうこと」。
日本語を勉強しているは良いものの、それを実際に口にすることが恥ずかしい生徒が多いそう。
しかし言語の習得には話すこと・実際に使うことが大切です。
「学問に王道なし」とは言います。が、これは必要なプロセス。
これ抜きでは遠回りになってしまいます。
それを克服するために、習得スピードを早めるために、自信をつけてもらうことが必要だったのです。
そのため何かを教える形式ではなく、
一緒に考えたりと自発的な授業への参加を促す形式のものを作ることにしました。
例えば、
日本のスポーツの秋や読書の秋など「〇〇の秋」を紹介し、ベトナムの秋を考えてもらうもの。
例えば、
日本のコマーシャルとベトナムのコマーシャルを比較し、ここからどんな文化の違いが見えてくるかを考え、議論するもの。
例えば、
お金を稼ぐということの本質についてみんなで一緒に考えるもの。
などなど。
けど時には教える授業も。
日本の歴史をざっくり紹介する授業なんかも実施したことがあります。
それについて書いたstoryがあるのでよかったら。
日本語教師≠日本語の教師
「日本語教師」という名前は、少し不適切じゃないか思っています。
「日本語を教える教師」という連想を促すからです。
そしてそれは「日本語を教えるだけの教師」という印象を持たせます。
本当に日本語を教えているだけであればそのままでいいんですけど。
きっと、実際はそうではないはずです。
日本の文化、日本での生き方、日本へ行くうえで注意しなければならないこと。
キャリア教育。職業訓練。これらに近いこともしているはずです。
「日本語教師」は「教師」の一つです。
日本語をメインとし、生きていくうえで必要なことをいろいろ教える職業。と思っています。
「日本語の先生」とかならまだしっくりくる。
「先生」の方がなんとなく小学校とか中学校とかっぽくて、
いろんなことを教わる印象を受けるからです。