アフリカベンチャーニュース vol.4 (2月第1週)
1)Zinox Acquires Konga in Landmark Industry Deal
・Zinox Groupがナイジェリアの最大手ECの一つであるKongaを買収(すでにSECから認可を得ている状態)
・非公表の買収金額について、1,000万ドルという噂が出回っているが、Quartzの取材にZinoxの広報担当は否定
・Zinox groupは2001年にラゴスで創業した、ICTソリューションサービスとコンピュータのOEMを手掛ける企業
・2008年にBuyRightAfrica.comというEC事業を行ったが、当時はオンラインでの決済手段が無いなどの要因で、拡大に苦戦し、2013年に閉じていた
・しかし、Zinox創業者の息子が、Yudalaという別のEC会社を所有している(このYudalaとサービス統合をするのではないか、という憶測もある)
・KongaがEコマースの周辺事業としてもっている、物流のKOS-Express、ナイジェリア中央銀行からライセンスを取得し10万人の登録者をもつ決済のKongaPayも合わせてZinox groupに売却
・Kongaは2012年に創業し、南アフリカのNaspers(シリーズAから)とスウェーデンのKinnevik AB(シードから)から累計7,850万ドル調達している。直近の調達は、2014年10月のシリーズCで4,000万ドル。
・この記事に詳しいが、直近だと、Naspers 50.9%、Kinnevik AB 34%という株主構成
・昨年11月に、Kongaは、商品の在庫を抱えない方針に変えて、倉庫を閉じ、従業員の60%を解雇。Payment on deliveryを廃止して、オンラインでの前払いのみ受け付けるなど、大きな変革を行っていた
2)Kenya’s Sokowatch to expand after revenue growth
・ケニアのキオスク向け商品発注・配達アプリを提供するSokowatchが、1月の売上が80,000ドルを超えたと発表
・現在はナイロビとダルエスサラームで実施していて、売上は昨年同月比500%増とのこと
・昨年10月には、金額非公表で資金調達を実施したとのニュースもあった
・今年中にケニアのモンバサや東アフリカのその他の都市への展開を検討しているという
・これまではSMSのみでのサービスであったが、スマホ普及を考慮し、キオスク向けAndroidアプリをパイロットでの提供も始めている
・現在のAndroidアプリには、商品写真での発注・配送時間選択・注文履歴閲覧機能があり、今後はクレジットでの注文・割引セールの通知・分析機能を追加予定とのこと
・ケニアのEコマーススタートアップCopia Globalが1,000件/日の配送に対応するため、新しい配送センターを開設する
・Africa Logistics Properties North Logistics Parkと、倉庫施設の4,500㎡を長期リース契約したとのこと
・サービスの流れは、まず顧客がCopiaと提携している地元のお店でCopia Appから商品を注文し、その場で支払いをする。郊外は48時間以内、地方は1週間以内に注文したお店に商品が配送され、顧客がそれを受け取る、というもの
→前号で紹介したJumiaの販売代理人制度J-Forceと同じような仕組み。オフラインの顧客もオンラインでの購買に巻き込む取り組みが増え始めている
・顧客の支払いは一括払い、あるいは分割払いで、提携店は手数料を受け取れる仕組みになっている
・2012年に創業。2013年1月にSafaricomのスタートアップファンドから資金調達(金額非公開)。2017年9月には、400万ドルの資金調達を実施している(投資家非公開)
4)Mall for Africa expands into 11 new African countries
・アフリカ地域からアメリカ・イギリスのecサイトの商品を購入できるサービスを提供しているMall for Africaが新たに11カ国に展開
・2012年にナイジェリアで創業し、これまでナイジェリア、ケニア、ガーナ、ルワンダでサービスを提供してきた
・今回新たに、アンゴラ、チャド、ギニア、ボツワナ、タンザニア、ウガンダ、マラウイ、エジプト、コンゴ民主共和国、セネガル、シエラレオネでも対応する
・配送はDHLと提携している模様
・ケニア拠点のeコマース企業Sky.Gardenが120万ドルの資金調達
・投資家はエンジェルのJesper Drescher、ノルウェーのTRKグループ、Katapult Accelerator、Danish Business Angels
・デンマーク人の二人が2017年5月に創業
・現在、Sky.Gardenにウェブ出店している売り手は3,000を超えており、30カテゴリー、23,000点以上の商品が出品されている
・登録料や月額課金などは不要で、取引額の8%の手数料を取る収益構造
・カスタマーサービス、配送、支払いまで全てSky.Gardenが請け負っている
・配送は業者と提携していて、ナイロビ市内であれば同日配送、その他地域だと24~48時間以内の配送となるという
→Jumia、Masoko(Safaricom運営)、Kilimall、Pigiame、OLX、などケニアでのeコマース領域の競争激化
6)Online ads firm OLX to Shut down physical office in Kenya, Nigeria
・クラシファイドサイト大手OLXが、ケニア、ナイジェリア、ガーナのオフィスを閉鎖すると発表
・サービスは特に変更なく、オペーレションは遠隔で行うという
→OLX、Kongaの株主であるNaspersは、ナイジェリアでのeコマース系サービスに苦戦している
7)Investors are backing a startup tackling Nigeria’s blood delivery challenge
・ナイジェリアの輸血マーケットプレイスLifeBankが20万ドル資金調達
・ラゴス拠点のVCであるEchoVC、ラゴスのインキュベーションセンターのCo-Creation Hub、ナイジェリアのヘルスケア産業に20年近く関わってきたエンジェル投資家Fola Laoyeが今回のラウンドに入っている
・ラゴス市内の病院の輸血のストックデータベースと輸血の受発注・配送サービスを提供している
・2015年創業
8)Ivory Coast: Mobile phone project to increase vaccine coverage
・大手通信会社OrangeとGaviアライアンスがコートジボワールの健康庁と提携し、ワクチン普及プロジェクトを実施すると発表
・5年間で547万ドル投資し、ヘルスワーカー向けのアプリM-Vaccinを提供するとのこと
・M-Vaccin上で、ヘルスワーカーが各地域の子供のワクチン接種状況を記録・閲覧することができ、予防接種のカバレッジを高めることに役立てるという
9)Kenya’s BitPesa Acquires TransferZero, an International Online Money Transfer Service
・ケニアのビットコイン送金プラットフォームBitpesaが、スペインの国際送金サービスTransferZeroを買収
・2016年5月に創業したTranferZeroは、スペイン銀行の支払機関として認定されている他、現在50種類の通貨を扱っているという
・この買収により、Bitpesaはヨーロッパ地域でのサービス拡大に力を入れていきたいとのこと
・Bitpesaはナイロビに本社をもち、これまで累計で1,000万ドルの資金調達を実施している
・Bitpesaは、過去2年間で月次24%成長を記録しており、現在の取引額は月2,000万ドルにのぼる
10)Goodwell raises $24.8m fund for inclusive economy in Africa
・オランダと南アに本拠を置くGoodwellがサブサハラアフリカ地域向けに2,480万ドルのファンドを立ち上げ
・Goodwellは、financial inclusionをテーマに、インドとアフリカ地域のこれまで金融サービスを利用できなかった人向けに事業を行っているスタートアップに投資してきている。
・アフリカ地域では、ナイジェリアで決済事業をするPagaや南アの決済事業のNomanini、地図・交通データを提供するWhereIsMyTransportといった投資先がある
・今回のファンドのうち、半分はこれまでと同じFintech領域のサービスに、残り半分は、農業、ヘルスケア、エネルギー、交通、教育と幅広い領域のサービスに投資していく予定とのこと