50人レイオフしたMediumのこれからに期待すること
今年は、大好きなサービス、Mediumを楽しんでいこう、と思っていたところにこんなニュースが。
全従業員の1/3にあたる50人をレイオフ。ニューヨーク、ワシントンDCのオフィスもクローズ。
2012年のスタート以来、130Mドル(約150億円)を調達し、昨年あたりから広告でのマネタイズとパブリッシャーに収益を配分する仕組みの構築を開始していました。2015→2016年の伸びも、投稿数、読者数は3倍ということでプラットフォームとしては成長を続けている模様。
今回はセールス、サポート、ビジネス周りの人員をレイオフして、プロダクト開発のほうにリソースを集中させるとのこと。企業の広告をバシバシいれていくのではなく、主に、パブリッシャーに対して収益を還元していく方向性が見えます。
EVのコメント
2012年の創業当初、下記ビジョンを掲げていました。
“The current system causes increasing amounts of misinformation…and pressure to put out more content more cheaply — depth, originality, or quality be damned. It’s unsustainable and unsatisfying for producers and consumers alike….We need a new model.”
ざっくり言うと、こんな内容かなと。
クソみたいな記事を安く、大量に書きまくるような仕組みをつくっても、創り手、読み手が満足する世界にはならない。広告収入で稼ぐモデルに突き進んでしまったら、これまでのメディアとなにも変わらない。
本当にオーディエンスにとって価値のあるコンテンツを創ったクリエイターに対し、しっかり還元していくプラットフォームにしたいんだ。
何にフォーカスするか
サービスが立ち上がり、事業にしていく過程で収益化を考えなければなりません。昨年の時点では、良質なネイティブアド(記事広告)が調子良さそうに見えたのですが、そのまま突き進むと、たしかにこれまでのWEBメディアとなにもかわりません。
EVはこう書いています。
we realized we didn’t yet have the right solution to the big question of driving payment for quality content.
当初掲げたミッションに向かうために、この広告営業部隊を削減し、ユーザー課金とクリエイターへの還元をメインに方法を模索して行くのでしょうか。
コンテンツを創ったクリエイターが、収益を得られることに関しては、日本ではnoteなどが搭載している記事への課金が一部うまくいっているように見えます。ただ、無課金、課金のラインでコミュニティの広がりを制限してしまったり、「儲け」が先に立つコンテンツ構成が進んだりと、バランスが難しいなあ、と感じます。
テレビには、明確なビジネスモデルと参入障壁があったから、オリジナルのコンテンツが育ちました。
僕もパブリッシャーとして、この挑戦を応援していきます。