イベントサロン 富山 vol.3 開催レポート

2014年12月16日に富山で初めて「イベント主催者のためのイベント EventSalon」 が開催してから早2年。松本自身が2016年度はフリーランスとして活動を始めた年でなかなか時間が取れなかったのですが、「久しぶりにイベントサロンを開催しよう!」という気持ちが湧き上がり、3回目のイベントサロンを富山市八尾町で開催しました。

※本家の東京のイベントサロンで、「EventSalon」の表記が「イベントサロン」と変更になりましたので、富山も「イベントサロン」とカタカナ表記になりました。

これまでは、vol.1では「行動」、vol.2では「熟成」をテーマに名物イベント主催者のストーリーや運営のTips(工夫や裏技)等にフォーカスしてきました。今回はイベントから生まれる大きな価値の一つとして「そのイベントがある人にとっての居場所になっているのではないかな」と思うことが多々あり、今回は「居場所」をテーマ設定しました。

その上で、vol.3のスピーカーはこちらの方々にお声掛けしました。

松本社会人ラップ会議 坂岡雅志 さん

越中八尾ベースOYATSU 原井紗友里 さん

TOYAMA TABLE 山崎慶太 さん

※プロフィールの詳細はイベントページをご参考に。

坂岡さんは長野県松本市、原井さんは富山県富山市八尾町、山崎さんは富山県高岡市が活動拠点と、今回はどちらかといえばローカルメンバーのみでの開催としました。また今回の会場はゲストスピーカーの原井さんが運営される越中八尾ベースOYATSU(以下、OYATSU)をお借りしました。明治5年に建造された蔵を改装した日本の和を感じる素敵な宿&カフェでイベントスペースとしても使えます。

当日の4月22日(土)は春晴れの気持ちの良い日となり、スタッフ・メディアの方を含めて20名強の方々にお越しいただきました。また何人かはFB Liveでのストリーミング中継を視聴していただき、コメントや感想もいただきました。※イベントサロンのFacebookページからイベントの動画配信をご覧になれます。

最初に実行委員長の松本がイントロダクションを行い、第一部のゲストスピーカーによるトークライブがスタート!

一人目のゲストスピーカーは松本社会人ラップ会議を主宰されている坂岡雅志さん。実は松本が2年前に坂岡さんと知り合ったのは米国シアトル。同じIT業界で働いていたバックボーンがありますが、彼のバイタリティやスピード感(自分自身を変化されられること)には帰国後も注目しており、久しぶりに坂岡くんの近況を聞けるということで、僕自身も楽しみにしていました。

のっけからフリースタイルラップをかましていただき(笑)、松本社会人ラップ会議をベースにバズる(世間が注目する)イベントのあり方や運営についてお話いただきました。

元々Webマーケティングを長く携わっていた坂岡さんなだけにマーケティングの観点からのイベントの作り方をお話をいただきましたが、その中でも参加者から頷きなどの反応が大きかったのは「自分事、他人事、世間事をどう伝播させるのか」。特にイベント主催者は「自分のイベントを握りたがる傾向にある」とのことで、そうなるとなかなか世間に対しての広がりが狭まることがあるそうです。色んな意味でイベントが大きくなる、広がりが増えていく中ではイベント主催者側が企画や運営を他の人に任せるなど、イベント主催者自身の変化も重要なポイントだそうです。確かに、主体的なメンバーが増えれば増えるほど「いい居場所」と感じる人も増えてくるかもしてませんね。

続いてのゲストスピーカーは、高岡市内を中心に「食」と「ものづくり」をつなぐコミュニティ運営をされているTOYAMA TABLEの山崎慶太さん。山崎さんとは、松本が約1年前に観光インバウンドに関するビジネスを研究を始めた際に「高岡でやっている方がいるよ」という友人の紹介を通じて初めてお会いしたことがきっかけでした。シンクタンク等で東京で働かれてから高岡に移住されたのも、「高岡の職人さんとの出会い」がきっかけとのことで、現在も旅人とローカルな人をつなぐWebサイトのIRORIなどを運営されています。

これまでに6回開催されたTOYAMA TABLEでのイベントについて写真や動画を交えてご紹介いただき、山崎さんのイベントの企画の作り方についても紹介いただきました。継続していくイベントを立てる上で重要なのは「やりたいこと(伝えたいこと)」と向き合うこと。他にも「(自分たちの)できること」や「(回りから)求められること」の要素もありますが、主催者にとっても「やりたいことがあるから続けられる」、参加者にとっても「続いてるから安心して参加できる」というメリットがあるそうです。また、企画のフローとしては、①情報収集→②分析→③伝えたいことを設定→④イベントの内容・詳細(人・会場・参加費の設定など)という流れを意識しているそうで、中でも「②分析」がその人のオリジナリティな視線が活かせるポイントになるそうです。

5月には2回TOYAMA TABLEのイベントがあるようですので、気になる方はぜひご参加ください。

洗練されたワインと空間 ~セイズファームnight @石瀬の家~

禅 ~坐禅とピラティスの巻~

最後のスピーカーは、越中八尾ベースOYATSU 原井紗友里さん。富山県内に留まらず、テレビや雑誌などでもよく取材されている女将の原井さんですが、当日まで「ラッパーも来るって何のイベントかわからなかった」と少し不安だったようです(苦笑)原井さんには、ご自身が経営されているOZ linksの事業として取り組まれている「観光」と「イベント」「居場所」の共通する点についてお話いただきました。

八尾の観光拠点として「OYATSU」を運営しながら、アジアを中心とした海外や国内にも出張されることが多い原井さん。会社のミッションとして、「富山の宝を”守る”」ためにインバウンドやアウトバウンドのビジネスを行っているとのことですが、「主体的に”守る”ことがどれだけ難しいか」ということを起業してからの1年間で学んだという部分が印象的でした。「壊すのも簡単、新しく作るのも簡単。でも、あるものを必要なニーズに変えて守っていくのはすごく大変」。

OYATSUでも体験メニューとしている、三味線、着物、酒蔵、お寿司なども担い手や生産面を考えると維持するのだけでも大変。一方で海外では注目も集める分野。その意味でも、地元の人が地元の価値に気づき、海外の人に伝える役割として、OYATSUのミッションは地域にとっても重要な存在なのだと感じた参加者も多かったのではないかと思います。

プレゼンの最後に、「観光」とイベントそして「居場所」の共通点は、「人」だと語る原井さん。過去に四国に観光についての視察に行った際に「もう一度行きたい場所」として思い出すのは、「やっぱりあの人に会いたい」と思える人がいるところだそうです。実際にOYATSUでも泊まられた中国人の女性の方が八尾地域のおばあちゃんとの交流に感激し「日本で一番感動した思い出」と言ってくれたそうです。イベントでも「何をするか」よりも「イベントを行う人が、どんな人で、どんな想いでイベントをしているのか」が一番共感されるポイントとして大事なのではないかと、参加者に向けてアドバイスされていました。

ゲストスピーカーの3名の方々、素敵で、タメになるプレゼンありがとうございました!

少し休憩を挟んだ後の第二部は、ゲストスピーカー3名と司会の松本も交えたパネルディスカッションを行いました。

パネルディスカッションの中では、お互いのゲストスピーカーの印象、イベントをする上でのモチベーションの違い、トレンドの見方、イベントの世間に対する巻き込み方、などのトピックスに対して参加者を含めてコメントを交わしました。

参加者から以下のような質問をいただきました。

Q1:「(坂岡さんはラップは半年間しかやっていないとのことですが)なぜそんなに堂々としていられるのですか?」

A1坂岡さん:「自分の妄想中で100点を取る前まで待つ前に、とにかく1回やってみる。1回やると周りよりもレベルが上がるので、自然と自信が付く」

Q2:「”継続は力なり”と言いつつも、捨てるべきタイミンもあると思うが、区切りの付け方は?」

A2山崎さん:「”伝統”は変わっていくもの。イベントも継続の中でも進化が必要なので、トライ&エラーの中で取捨選択も必要。ただ、一度始めたイベントでファンがいるのであれば、継続していくことのメリットも多い。」

A2原井さん:「どちらかと言えば継続派。みなさんに伝えたいのは1回で終わってほしくない。もちろん1回で終わっていいイベントもあると思うが、やりたいことを実現するには継続することが必要だし、続けることで改善点も見つかる。もしイベントに区切りを付けるとしたら、イベントのコンセプトを達成したタイミングではないか。」

A2坂岡さん「(自分がやっているイベントに対して)他の人がやり始めた時をイベントの辞め時としている。お客さんの取り合いになるし、そのことしかできないと思われたくないという気持ちがあるから次に行くようにしている。」

Q3:「(自分は専門家という立場なのだが)イベント主催者と何かしたいと思った時に、どうやって関わるとコラボが生まれやすいのか?」

A3原井さん:「自分の能力を必要としている人と出会いに行くこと。そして自分の能力・できることを相手に伝えるということが重要なのではないか」

A3山崎さん:「職人さんと一緒にイベントすることが多いが、職人さんは自分の道を突き進んで欲しい。そういう人の方がエッジが立っているし、紹介する立場として魅力を伝えるために何が必要なのかを考えることが自分の役割。最低限、専門家の方は自分の技術や取り組みを客観的に分析して伝えるところまでができればOKだと思っている」

パネルディスカッションの中で個人的に特に印象に残ったのは、坂岡さんがおっしゃっていた「風の人」と「土の人」という観点。「風の人」とは”旅を続け、色々新しいことを素早く立ち上げる人”、「土の人」とは”その土地にしっかり根付いて、耕し、人やモノを育て、知恵や技を受け継ぐ人”というイメージでしょうか。坂岡さんは自ら「風の人」、原井さんや山崎さんは「土の人」のようなタイプと分析され、それぞれの特性にあったイベントの作り方をしているのではないかと改めて感じました。例えば坂岡さんは「今、この地域にないもの、誰もやってないこと」に挑戦したいとモチベーションでイベントでも”新しい・新鮮さ”が大きなバリューになりますが、原井さんや山崎さんのイベントは「地域との関係性や今まであるものを丁寧に伝えること」がイベントの成功要因としても大きなポイントになるのかと思います。

イベントを立ち上げる主催者自身のキャラクターもイベントの特徴を考える上で重要なポイントかもしれませんね。ぜひイベント主催者の方も一度ご自身を振り返ってみてください。

パネルディスカッションも終わり、第三部の交流パーティーでは、ケータリングでたこ焼きとデザートにシフォンケーキを片手に、ゲストスピーカー・参加者を交えた交流会を行いました。

ケータリングのたこ焼きについては、イベントサロンの開催と並行して、OYATSU内のカフェメニューとして急遽当日販売したのですが、想定以上に地域の方からもお買い求めいただいたようです。イベントサロン富山が少しでも地域の賑わいのお手伝いができたのは望外の喜びです。たこ焼きが好評だったようで、GWの5月6日(土)にもOYATSUでの出張たこ焼き販売があるそうです。絶品のたこ焼きを食べたい方はぜひ5月6日はOYATSUにお越しください!

交流パーティーは約1時間もオーバーした盛り上がりの中で、クロージングトークに。会場の女将である原井さんからは「こんなにいいイベントなのだから、もっと多くの方に参加してもらうようにすべき」とお褒め言葉兼お叱りのお言葉をいただき(汗)、坂岡くんにはラップのアンコールということでイベントサロン富山vol.3のまとめをフリースタイルラップで締めていただき、無事三回目のイベントサロン富山を終えることができました。

登壇者のゲストスピーカーの3名の方、会場スタッフの方々、ケータラーさん、参加者のみなさん、そしてお立ち寄りただいた八尾地域のみなさん、ありがとうございました!

4月25日付の北日本新聞でも開催の様子を記事として取り上げていただきました。

イベントサロン富山の4回目の日程はまだ未定ですが、今後も続けていきます。今後のイベント情報や関連情報についてはイベントサロン富山のFBファンページをフォローいただければと思います。

またイベントサロン富山vol.4でお会いしましょうー。

イベントサロン富山 実行委員長 松本