村山さんインタビュー

191107 / Thu / 12:00–12:30 / 晴れ / ドトール読売ランド駅前店

村山さんははじめましての方である。以前からお話はおばちゃんから「警察官でいい人がいるんだよ〜」と聞いていた。数年前柿生の交番におり、現在は読売ランド前の交番に勤めている。お忙しい中ではあるが、休憩時間中にお話を伺うことができた。

いつも通り簡単に研究の概要について説明した。村山さんは時折笑ったり、頷いたりするだけで質問などはなかった。そのため出会いから聞いた。「簡単にでいいので出会いのところを教えていただけますか」「あのー、私は柿生の交番で2,3年働いてて、出会いっていうよりも私の交番にいた前任者、私会ったことはないんだけど、その人の代わり私が交番に着いて、その前任者に付いてた若いおまわりさんがファミリーカメラには前の上司もよく顔出されてましたっていう話は聞いたんで、最初顔出しに行った、挨拶しに行ったと」「へぇ〜」「で、やっぱり交番なんかだと、若いおまわりさんはどんどんいろんなとこ行っちゃうから、すぐいなくなっちゃうこと多いんだけど、俺なんかホント定年間近だから、一個の交番に着くと長いし」「そういうもんなんですか」「うん、大体そう。そうすると、自分の地域のところだから、異動になってからすぐ考えることは、自分のまちを早く知りたい。そうすると、まちのことを良く知ってる人と早く知り合いたい。で、もうピッタリの(少し離れたおばちゃんを示す)笑」「確かに笑」「駅前だし、いろんな人が出入りするし、特にあの古いカメラ屋さんだから、年寄りなんかも必ず寄ってくような人も多いから、いろんな話とかいろんな情報とか聞けるから。で、出入りするようになって、だからもう俺なんか半分息抜きみたいな笑」想像が付いてしまって笑ってしまった。「(おばちゃんから)聞きました聞きました笑。遊びに来てるって笑」「そう、遊びに笑。息抜きして、いろんな話をして、っていうのが良く言えば、情報収集というか仕事的にはね。ただまあ悪く言えば俺がサボってるところもあるんだろうけど笑。だからそれでちょっとしたことで、もうすぐお願いすれば助けてくれたりするし。だから前に、真横にコンビニがあるじゃない。で、あそこでATMの携帯電話しながら詐欺に遭う寸前のおばあちゃんがいて、『ちょっと待って』って、すぐに横のファミリーカメラさんのところに連れて行って、『ちょっとここに座ってて』って言って、そこで話を聞かせてもらって、そのおばあちゃんもお客さんだったの元々。だから(おばちゃんが)『誰々さん』って言って 、知ってる人だから、すぐ落ち着いてくれて」「じゃあ未然に防げた?」「そうですね」「へぇ〜。そんなことがあったんだ」「そうですね」「でもそれ2,3年前ですよね?」「そうですね、3年くらい前」「じゃあ僕がこっちに来てから起きてたんだ」「うーん。だからそういうのもあって、なんていうんだろう、要は俺なんかの扱いからしたら相手の人に安心してもらって話を聞くのが一番いいから、だから安心できる場所なのかもしれない、まちの人がね」「あれって不思議じゃないですか。おばちゃんのあのお店ってみんなが安心してるんですよね。しかも若い子とかも来ていて」「あ、そう」それは知らなかったようだ。「俺が来ている時はそんな…笑」「あ、そうですか笑。最近なのかな。あれは何なのか。おばちゃんの人柄なんですかね」「うんうん。何で、まああのー、女性の方二人でやってるからそれもいいんだろうし、でね、あの方のお母さんもいるじゃない。上に住んでるから、いろんなね、あの方くらいになれば、例えば、俺がどれくらいだろ、10こくらい下になるのかな」「そうですね」「そうすると、俺なんかの代だと親の介護とかそういうの知ってるの。そういう話も聞いてくれるの。自分がそういう立場にいるから」「うんうん」「だから、柿生の、柿生にずぅっといるみたいだから、ずぅっと生き字引みたいな存在にあるんだろう。『ファミリーカメラに行けば何でも知ってるよ』って、そういう安心感はあるんだろうから」「何でも知ってますからね笑。情報めっちゃ集まってくるんですよね笑」「俺なんかは元々懐かしいというか、大学が国士舘で鶴川の校舎に通ってたから、この辺、柿生あたりに友だちがいて、だから当時40年近く前か、あの辺を歩いてたからそういう昔話もできるし」「へえ、そういうのもあって仲がいいんですね」「そうそう。俺なんかからしたらすごく居心地のいい場所だね。あんな狭い店だけどね」しばらく間が開く。「だから去年なんか、娘がうちの成人式で、写真館じゃないですかあそこ。娘の前撮りの写真はそこで撮ってもらった笑。だから家族ごと連れてきて」まさかの僕の父と村上さんが同い年で、子どもたちも同年代だ。ここからしばらく家族の話や再雇用の話をした。

少し話を戻す。「今でも柿生の交番には行くんですか」「交番にはいかない」「あ、そうなんですね」「ファミリーカメラには行く」「ファミリーカメラに行くのは単純に遊びに行くんですか」「そうそうそう」「交番にはもう知っている人いないし」「あ、そうなんだ。でも帰り道とかではないですよね」「帰り道だよ。こっから家が座間だから、途中で降りれば電車乗れる」「あ、じゃあ電車途中で降りて」「あ、そうそうそうそう」僕からしたらそれでもわざわざファミリーカメラに行っていると思った。おばちゃんのことが好きなんだなと思った。「すごいな。仲良いな」「うふッふふ笑」正直に伝えると村山さんは笑っていた。「まあね、ちょっとした悪口も冗談で済むからね笑」「悪口っていうのは、あれですか、おばちゃんに対する冗談ですか」「そうそうそうそう。さっきの『駐車場渋滞してたから入れない』って言うから、『いやいや、気をつけないと、そろそろ免許還す歳なんだからさぁ』って笑」「さっきも、行きの車の中でも免許返納の話してました笑」ぼちぼち時間にもなって来たので、いつもの質問に移る。「あのー、どの方にも同じ質問をしていて、村山さんにとっておばちゃんはどんな人なのかっていうのと、ファミリーカメラはどんな場所なのかっていうところで、さっき『居心地のいい場所』っていうことを言ってましたけど」「そうだね、居心地がよくて、まあいつでも行けば誰かいる」「誰かっていうのはおばちゃんとか」「おばちゃんとか妹さんとか」小声で「俺にとっておばちゃんかぁ」と呟いていた。悩んでいる。「ちなみに何て呼んでるんですか」「何て呼んでる…おばちゃんって呼んでる、おばちゃんとも呼んでないかな。増井さんとも呼んでないしなぁ」「多分おばちゃんって呼んでるのは若い人とか」「そうだよね。おばちゃんって言ったら失礼だしな。あんまり歳変わんないし笑。何て呼び方もしてないかもしれない」「そうなんだぁ」「前、イベントのあれでもね、おばちゃんの知り合いの人が、なんかマネージャーをやってて、プロレスの団体の。その人たちがまだ売り出し中で、柿生の夜回りなんかをやってるんだと、もしなんか警察の方にも手伝えることがあったら何でもやりたいからって言うんで、そういう感じで俺が上司の方にこういう団体があって、手伝いたいって言ってるって。それで一緒に警察も夜回りをするようになったと。本当に(おばちゃんは)つなぎをしてくれるような(存在)」「もう一つ気になっている概念があって、おばちゃんって誰かと誰かを繋ぐのがうまいじゃないですか」「うん、うん」「僕も(おばちゃんを通じて)いろんな人と知り合ったんですけど」それを聞いて村山さんは笑っていた。「柿生に来て、大学からこっちに来たんですけど、それまで詳しくなかったんですけど柿生。おばちゃんと知り合って柿生に詳しくなって、人とか」「あ、そう笑。住んでるのは柿生なの?」「そうです」「本当にあんなに駅も小さくて、パッと出ればあれだけの小さい商店街があって、まあ闇市からのものなんだろうけど、昔っからのかなり古い建物だもんね。昔っからあそこにカメラ屋さんがあるって、いくつも店あるけど、おばちゃんとこくらいが中心なのかなぁ。あとまあ古いっちゃお団子屋さんだっけ?あれくらいなのかな」「古いところは金物屋さんとかもあるんですけど、やっぱりまちのハブみたいになってるのは(ファミリーカメラ)」「そうだよね」

その後挨拶をして別れた。お昼休憩が終わり、交番に戻られた。

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