ブラック・スワンとは何か?

KENZO OKANO
ブラック・スワンを追い求めて
5 min readMar 31, 2017

本ブログのタイトルにある「ブラック・スワン」とは、①予測がつかない②その影響力が強大③事後では、多くの人が講釈をたれて予測できたと説明するという3つの項目に該当するものを言います。

具体的には、リーマン・ブラザーズの破綻に始まる金融危機や9.11のテロなどが該当します。どちらも①予測できず②深刻な影響を与え③事後になって様々な「証拠」を元に講釈をたれて、予測可能だったと言われており、上であげた「ブラック・スワン」の要件に該当します。

「ブラック・スワン」という単語の語源としては、ナシーム・ニコラス・タレブというトレーダー兼研究者が著書「ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質」で紹介したことに始まります。

筆者は本の中で学者を始め、多くの知識人層が自らの知識を過信して、「ブラック・スワン」と呼ばれる事象を頭に入れず、過去何度も深刻な悪影響を受けてきたことを批判し、人間には思っている程には実際に物事をよくわかっていないと指摘しました。

ではなぜ今「ブラック・スワン」なのでしょうか?

スタートアップに求められる物

筆者である私の関心分野は、インターネットを中心としたサービス・プロダクトを擁して、世界にとても大きな影響をもたらすスタートアップです。

スタートアップに興味関心があるのであれば、サービス設計やマネタイズの話、更には組織をどう拡大するかなど様々な点をブログで論じればいいのではないかとお思いになる方もいらっしゃると思います。

ただ私がブログを立ち上げ、わざわざ時間をかけて執筆しているのは、

急成長を遂げるスタートアップと「ブラック・スワン」には共通点があるのではないか

という疑問からです。

ピーターティールの問い

話はそれますが、ピーターティールというスタートアップの親分のような人がいます。

ピーターティール

ピーターティールは、自身でもPaypalという急成長を遂げたスタートアップを経営しただけでなく、ザッカーバーグ要するFacebookの価値にいち早く目をつけシードマネーを投資したことでも知られています。
最近ではアメリカ大統領選において、いち早くトランプの当選を見抜き、選挙活動支援金を提供して、当選後政府の戦略会議の中枢にポジションを確保しています。

数々の偉業を成し遂げてきたピーターティールは、著書「Zero to One」で成功してきたスタートアップの秘訣を説明しています。その中で私が一番印象的だった言葉に

What important truth do very few people agree with you on?

というものがあります。この言葉は数々の急成長するスタートアップが答えてきた質問で、日本語訳では「ほとんどの人が賛成しない、大切な真実とは何か?」という意味になります。

ピーターティールは著書で、急成長するスタートアップは半直感的であり、多くの人が当たり前に思っていることの反対に存在すると言っています。それは半直感であるがために競争に巻き込まれず、市場の独占ができることに起因します。

また、急成長を遂げたスタートアップは多くの人にとって当たり前となり、その後あらゆる知識や事実をもとに予見可能性が説かれます。

例えばFacebookは、Myspaceなど先行するスタートアップをあげて、来るのが当然だったかのように論じられます。

しかしピーターティールは著書のなかでそのような事実は存在せず、Facebookも当初スタンフォード大学内に限定したSNSにすぎないと言われていたことを挙げて否定しています。

ブラック・スワンと急成長するスタートアップの共通点

ブラック・スワンとスタートアップは一見全く関係のないものに見えますが、上記で説明したとおり幾つか共通点がありそうです。

それは、①多くの人には予測が出来ず②とても大きな影響をあたえ③事後になって様々な「証拠」を元に講釈をたれて、予測可能だったと言ってしまう点です。

本ブログの趣旨

本ブログでは、書籍・WEBなどの様々なメディアを利用して、過去存在したブラック・スワン(①多くの人には予測が出来ず②とても大きな影響をあたえ③事後になって様々な「証拠」を元に講釈をたれて、予測可能だったと言ってしまうもの)を紹介して、そのエッセンスを抽出しようと思います。

そして、「Most people believe in x, but the truth is the opposite of x.」という式に単純化して、 多くの人が賛成しない大切な真実をシンプルに纏めて記憶にとどめておけるようにモジュール化します。

上記の行為を通じて、日々の日常生活から常識と言われているものを疑う習慣を身に着けて、次なる急成長を遂げるスタートアップになるべく、サービスアイデアを思いつくための引き出しを増やしたいと考えています。

多くの人が賛成しない、予測できない、納得できない「ブラック・スワン」を紐解き、次なる急成長を遂げるスタートアップを求めて不定期ではありますが、書き続けたいと思います。

それではよろしくお願いいたします。

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