ベトナムで新卒学生の面接をする前に知っておいて欲しいこと

Jotaro Sato
ベトナムがくれたもの
5 min readAug 21, 2017

会社を設立して2年半、これまで主に学生を100人以上面接してきました。日本と同じように臨んだ面接で、多くのオドロキと発見をもらいましたので、これからベトナムで学生の面接をスタートする方が驚かなくても済むように、いくつかシェアしたいと思います。

注)ハノイにおけるIT人材の採用なので、その他の地域、業種でどこまで当てはまるかは分かりません

まず前提として、日本だと書籍やWebで簡単に手に入るステレオタイプなザ・面接ノウハウが、ベトナムではそこまで浸透していません。もしくはそういった情報を事前に調べていない学生が大半です。リクルートスーツもなく、素の状態で臨んできてくれます。つまり、決まった“型”が存在しないので、人間性を理解しやすいという大きなメリットがあります。

1:時間通りに来ないケースが多い

時間通りに来ない、遅れるとしても一報がないケースが多いです。また、30分以上早くやってくる学生もいます。
面接は、時間通りに来ることがアタリマエ、早すぎても遅すぎてもダメというのが日本で面接する際の常識ですよね。なので、時間通りに来たり、遅れる場合に一報入れてくれたことでポイントがアップすることはない。あまりにもアタリマエだから。

しかし、ベトナムだと、これが日本ほど“アタリマエ”ではありません。

つまり、時間通りに来てくれたり、遅れる場合に一報があるだけで、日本で時間通りに来るよりも、時間に対する意識が高い、時間管理能力の素養がある、相手のことを考えて行動することができる、と判断できポイントアップの要因になります。中途の場合は、やはり加点ではなく、減点要因になりますが。

2:志望動機が・・・

志望動機を聞いて、最も多い答えが以下の2つです。

ダントツ1位:家から近いから
ダントツ2位:福利厚生がしっかりしてそうだから

はじめこそ驚きましたが、この回答に凹んでいたら前に進みません。ここがスタートラインだという気持ちで挑みましょう。
もちろん、自社の業界に紐づくような志望動機、事業内容に即した志望動機を語る学生がひときわ際立ちます。

3:短所を聞いても意味がない

「長所と短所を教えてください」
これ面接でよく使われるフレーズだと思います。ただ、ベトナムの学生にこの質問をしても、こちらの意図する回答はまず得られません。

長所に対する回答は、足が速いです。背が高いです。サッカーが上手いです。など、ほぼフィジカル面です。

そして、短所にいたっては、

ダントツ1位が「ありません」

これは推測ですが、これまでに長所や短所を聞かれる機会がほぼないんだと思います。なので、この質問をすると「そんなこと考えたこともなかった!」というような表情をされることがままあります。

ということで、彼らの内面を知るためには、もう少し具体的な質問をして探る必要があります。

(例)
・自分の性格を動物に例えるとなんですか?それはどうしてですか?・自分の性格でこれは人に負けないと思うところはなんですか?
・自分の性格で一番治したいところはなんですか?
・これまでで一番悔しかった思い出はなんですか?
・これまでで一番苦労したことはなんですか?そのときどのようにその苦労を克服しましたか?
・大学での一番楽しかった思い出を教えてください。

4:彼女同伴!

これ一番驚きましたが、男子学生の面接を予定している時間に、ふと見るとフリースペースにひとりの女性。
対応したであろうスタッフに誰なのか確認すると、「候補者が女性を連れてきたので、フリースペースに通しました。候補者は部屋で待ってます。」
あまりにも自然な報告なので、対応したスタッフにこれは一般的なことなの?と聞くと、さすがに一般的ではないけど、驚くほどのことでもないと。。

驚きを伴って、しばらく男子学生とだけ面談をすすめましたが、もしかしたら第三者の意見を聞ける貴重な機会かもしれないと思い、途中から彼女にも同席してもらうことにしました。そして、彼氏の性格で好きなところと直して欲しいところはどこ?と尋ねると、

「なにごとも諦めるのが早いところを直して欲しい」と。

もはや彼氏を応援する気があるのか疑わしいレベルですが、本人からは絶対に聞き出せない回答を得られ、心の中で彼女に深く感謝しました。

日本でも前職へのヒアリングをプロセスに組み込んでいるところはありますが、やはり第三者目線って貴重ですね。直球の質問で、ここまでダイレクトな回答を得ることはないと思いますが。
ということで、ポイントは、誰と一緒に来ても驚かないこと。

まだまだ、いろいろなオドロキと発見があった気がしますが、すぐに思いつく4つをまとめました。少しでも新卒学生との面談に余裕をもって臨めたら幸いです。

Never up, never in!

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Jotaro Sato
ベトナムがくれたもの

佐藤 譲太郎 / Japanese / living in Hanoi, Vietnam & Tokyo, Japan / Tribal Media House / Tribal Media House Technology Lab(TMH テックラボ) / Product designer / 中小企業診断士