ウォレットもお金を稼ぐべし

Sky Thunder
ループリング・プロトコル
8 min readJul 3, 2018

来るべき分散化エコノミーの構成要素の中で、平均的なユーザーが一番強い繋がりを感じるのはおそらくウォレットだと思います。何しろ私たちの貴重な仮想通貨が保管されている場所であるし、絶対に安全に管理しろと繰り返し教え込まれてきましたからね。

では、どうしてこれまでは非管理型のウォレット — 私たちの宝物の家 — が利益を生み出すのがそんなに難しかったのでしょうか。ループリングプロトコルが目指しているウォレットは、ユーザーから使用料を搾り取るのではなく、莫大な付加価値をつけて、ウォレットを取引所機能も備えた「ウォレックス(wallex=Wallet+Exchange)」に変えることによってウォレットがお金を生み出せるようになることですが。将来的には、それを「ウォレックス」と呼ばずに、普通に「ウォレット」と呼ぶつもりです。

ウォレットとは何か。

まず第一に銘記しておくべきことは、ウォレットが実際に私たちの仮想通貨やトークンを保管しているわけではないということです。私たちの貴重な仮想通貨は全て各々のブロックチェーン上にあるからです。それ以外にはどこにも存在しません。ETHとERC20トークンはイーアリアムのブロックチェーン上に、NEOとNEP5はNEOのブロックチェーン上にあります。ウォレット(ハードウェア、ソフトウェア、ペーパーやファイル)は実際には私たちのプライベート・キーの金庫です。ウォレットが保管しているのはプライベート・キーによって自分のトークンを一つのアドレスから別のアドレスへと移動することができます。所有権は自分の仮想通貨を移動できることによってしか示すことができません。こうしたウォレットを非管理型ウォレットと呼ぶのは、自分の資金の管理者は私たちで、誰であれ他人には依存してはならないからです。

第二に、中央集権型取引所のアカウントを上述のウォレットと同様のものだと誤解しないようにしなくてはなりません。中央集権型取引所では、私たちの仮想通貨の資産は、各自のアカウントー名前やEメールやパスワードーに付属していますが、実際は中央集権取引所のサーバー上にあります。私たちの資産は実質的には他人のデータベースの中の数字であり、私たちはその引き換えにIOUを受け取りるのです。

ウォレットは勝つ(勝たなくてはならない)

以上の2つの見解を比べると、真に仮想通貨に熱心な人たちが、自分の分散化された検閲耐性のある資産を安全な非管理型ウォレットにて保管して管理したがっていることは考えるまでもなく分かるかと思います。中央集権型の取引所に行くかまでもなく、そうしたウォレットからシームレスにトレードできるようにすることが、私たちの未来のビジョンです。しかし、現状では、中央集権型取引所がこの界隈で最大の利益をあげています。私たちがトレードするごとに必ず手数料を徴収するし、資産の出金という私たちの権利に対しても手数料を請求します。例えばバイナンスは、この前の四半期に2億ドルの利益をあげたと言われています。

その一方で、私たちの愛するウォレットは利益を生むプロジェクトとなる明確な手段もなく動作します。ウォレットは私たちが望む安心と安全を提供してくれまが、資産や金銭的なサポートは他の場所へ送られます。これは不公平ですし、ウォレットが成長してくためのインセンティブやリソースなくして本当に広く普及していけるのかを見極め流のは難いところです。新しいウォレットの実験と進歩なくしては、そのエコシステム全体が、根本的な土台でチャンスを逃すかもしれません。

ループリングプロトコル+ウォレット = ❤ & $

そのため、ループリングプロトコルは常にウォレッを念頭に入れてきました。ウォレットが成功して利益を生み出せるような、取引所のポータルとなれるようなツールを提供したいと思っています。あらゆるタイプのウォレット — デスクトップ、ウェブ、iOS、アンドロイド — をループリングプロトコルに統合して、私たちの分散型取引所ネットワークの一部となるようにしていくつもりです。そうすることによって、みなさんのユーザーたちのユーザー体験が向上して、オープンソースのスマートコントラクトを用いて自分のウォレットから直接トレードできる分散化エコノミーの将来を垣間見れるようになるでしょう。

もちろん、収益率についても忘れていません!現時点では、ユーザーの注文から生じた取引手数料の20%がウォレットに提供されます。残りの80%はどこに行くのでしょうか?私たちが保持しているのではありません。バックエンドにて、ループリングの公式リレー・クレスタは注文のブロードキャストとリング・マイニングー分散式のサービス型マッチングーを実行して、トレードを促進しています。取引手数用の80%はそのコスト(AWSなど)を賄うために使われます。事実、私たちはリレーを完全な非営利行為として運営することを誓約しています。月毎にコストを査定して、もし手数料の80%を使った結果、このリレーに対して少しでも利益が出たら、各ウォレットが出した注文の比率に応じてそれぞれのウォレットにその利益を分配して戻します。つまり手数料の20%というのは、実質上はウォレットが受け取ることができる最低限の割合なのです

もちろん、私たち独自のリレー・クラスタを使うのは、ネットワークをブートストラップするための第一段階にすぎません。将来的には、リレーとウォレットは協力してあらゆる種類の面白いトレード体験や流動性プールを創出していくでしょう。当然ながら、私たちのリレーは完全にオープンソースです。現実的に、サードパーティーが独自のリレーを構築するのは少し時期尚早だと思います。もちろん構築してくれるのは大歓迎ですが。そのため、私たちは各サードパーティーがループリングを各フロントエンド製品に組み込めるように集中しています。

真剣なウォレットのプロジェクトや開発者たちと協力して、ウォレットを立ち上げ、稼働させ、ループリングプロトコルと現在のリレーバックエンドにプラグインすること切望しています。その端緒を開くために、 私たちはさまざまなタイプのオープンソースリファレンス実装を独自に構築しています。

  • Loopr は、ウェブベースの非管理型イーサリアム用のウォレックスです。ユーザーはループリングプロトコルを使ってERC20トークンをトレードできます。
  • Circulr (すぐにリリース予定)はLooprに似ていますが、ユーザーが各自のプライベート・キーを表示するこはできません。その代わりに、ユーザーはハードウェア・ウォレットやメタマスクやLoopr iOSなどを使って注文と取引を署名しなくてはなりません。このようにCirculrは本当はウォレットではなく、純粋なDEX(分散型取引所)に分類されます。
  • Loopr iOS (すぐにリリース予定)は、ループリングのモバイル用非管理型 ウォレットアプリです。他のウェブやモバイルアプリや MyTokenなどのインターフェースから出される注文に連動して署名するために使えます。Loopr iOSはメタマスクのモバイル版のように機能します。

アンドロイド用ウォレットの実装も構築される予定です。こうしたリファレンス実装によって、各チームがウォレットを作成して、ループリングプロトコルと融合するようになることを希望しています。

各チームは、私たちのオープンソースコードをフォークして、ユニークなUIや設計上の決定や特定のトークンのすき間に焦点を当てたり、国や人口動態に応じてターゲットにしたりなど、様々な方法で付加価値を加えることが可能です。すでにループリングプロトコル上に構築中のいくつかの DEX(分散型取引所)について紹介しました。まもなくループリングを各自の製品に統合している10チームからなるリストをみなさんに共有します。

ウォレットはユーザーを分散化エコノミーに参加させる点で最前線に位置しているので、ウォレットに貢献してから、仮想通貨の動き全体に付加価値を与え続けていくことが目標です。

もしみなさんのウォレットやチームに何かご質問があれば、是非私たちの開発者ポータルを訪問したり、 matthew@loopring.org までご連絡ください。

Translated by SkyThunder(@SkyThunder123)

本稿の元記事は、ループリングの公式英語ブログをご覧ください。

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