カラープリント — WS2B 57期 11回目

色があるって楽しい

ワークショップ2B 57期 (7/22–10/21) は写真家・渡部さとるさん主宰の写真ワークショップ。第11回はカラープリント。

今回は WS2B での撮影ではなく、各々自分のカラーネガを持参してのプリントだった。私は京都旅行へ行った時に撮影したブローニーフィルムの Kodak Ektar 100 を持ち込んだ。

カラープリントは楽しい

カラープリントはとにかく楽しい。暗室作業はモノクロのときより難しいけど楽しい。

モノクロ印画紙によるプリントでは、暗室のセーフライトがオレンジ色に灯っていたが、カラー印画紙のプリントではそれすらも感光してしまうので真っ暗な部屋での作業となった。これがまた難しい。

声を掛け合い、互いの居場所を伝えながら作業をしないと人にぶつかってしまう。

ベタ焼きが良い

とにかくまず、ベタ焼きが良い。あとブローニーなのも良かったと思う。モノクロと違って、空や雲も色鮮やかに出る。

Ektar 100 のベタ焼き。失敗写真も混じっているが、中版カラーフィルムのベタ焼きは圧巻だった

YMC のレタッチが楽しい

写ルンですもそうだが、カラーネガフィルムは全体的にオレンジ色がかっているので、そのまま引き伸ばし機の光を当ててプリントしても、赤味と黄色味のかかった写真になってしまう。

そこで必要になるのがレタッチだ。感光させるときにカラーフィルターを通すことで特定の色の波長を減らし、現実的な色味に落とし込んでいく。

色相環や補色の知識を使う。赤味を消したかったらマゼンタの光を増やす。黄色味を消したかったらイエローの光を増やす。あまりシアンを調整することはないそうだが、富士フイルムの PRO400H のように青味が強いフィルムの場合、多少調整することはあるらしい。

しかしレタッチもやりすぎると逆効果で、例えばマゼンタの光を強めすぎるとグリーンが浮き出てしまうし、イエローの光を強めるとブルー(パープル?)浮き出てしまう。

高いカラーフィルムは扱いが楽?

高いカラーフィルムと安いカラーフィルムでは、この調整の難易度も変わってくるらしい。

安いフィルムほど扱いが難しく、ほんのちょっとのカラーフィルターの調整で色味がガラリと変わってしまうのだとか。

Ektar は多分中間くらいの価格帯だと思うが、実際、数パーセントのマゼンタを増やした時に、色味がグッと現実に近づくことがあったので、調整の難易度がうかがえる。

デジタルにおけるレタッチ

また、Lightroom などを使ったデジタルの現像においても、色味を一つずつ足したり減らしたりするよりも、色相環を意識して YMC でレタッチする方が現実的な写真に仕上がりやすいというアドバイスをもらった。

赤だけ足したり減らしたりすることも出来るが、フィルムのプリント同様に、あっちを増やせばこっちが減るといった天秤の上のバランスこそ自然的ということなのだろう。

WS2B に通ってからモノクロ写真ばかり撮っていたが、今度試してみようと思う。

とにかくカラープリントは楽しい。そう思える回だった。

一方で、モノクロのプリントは職人的というか、自分とずっと向き合っているような感覚が強く、モノクロとカラー両方のプリントを体験して違いが見えてきたと思う。


プリント実習後は、吉行耕平氏の『The Park』を見た。ポートレート写真の野外撮影で訪れた新宿中央公園の1つの時代を見て、写真の可能性や恐ろしさについて考えさせられた。

言ってしまえば、『The Park』は盗撮写真集みたいなもので、夜間の男女のまぐわいを赤外線フィルターを使って撮影したものだ。71–73年頃の新宿中央公園あたりはそういう状況もあったらしい。


撮影実習やプリント実習は今回でおしまい。残る次回、次々回は芸術としての写真を知っていく回。