春の感傷。2019年2-3月

Takeshi Nishiyama
創食ダイアリー
5 min readApr 1, 2019

一週間前ほどに、年下の男の子に「若いのにしっかりしてるね」と言った自分にいつまでも凹んでいる今日この頃です。

年齢は些細な差異にしかすぎず、むしろ浴びてきた文化、揉まれてきた時勢を思えば、「若いからしっかりしている」とも言えるのかもしれない。「若いのに」というダサい枕詞は「歳食えば人間として色々それなりにしっかりする」という前提の上に成り立っている。

そんなのハイパー幻想ですよね、と言ったらどれだけの人の同意が得られるだろうか。世代で分けすぎることはナンセンスだと思う一方、生きてきた文脈の違いがあることは明白で、だからこそ、下の世代を見習わなければいけない要素に目を向けたい。いいところどりしてお前様たちにカッコイイと思ってもらえるミドルになってやるのだ。ダメでもダサくてもだらしなくても、カッコイイの要素は一握り持っていたいなと思う。

2月は出張が多く、3月はほとんど家にこもって書いていた。仕事でコオロギラーメンを食べたり、ブロッコリーを愛でたり、パン屋さんに話を聞いたりした。本をよく読み、よく自炊した。新人参でつくるキャロットラペはうまいし、お浸しはほうれん草より小松菜派だと再確認した。『ダルちゃん』はこれから何度も読み返すだろうし、『あなたの社会構成主義』は時間をかけて咀嚼していきたい。単なる言葉遊びではなく、メタファーは偉大。

いつの間にか銭湯お遍路スタンプノートが埋まっていた。出張ついでにサウナしきじに行ったが、あそこはサウナよりも薬風呂と音響が特筆すべき要素だと感じた。サウナ+お風呂の総合的な環境で見れば、個人的にはウェルビー名鉄前店とサウナ&カプセル大東洋を推したい。温泉、アクアイグニスはとてもよかったです。化粧水浸かってるみたいだった。

悔しい仕事もあった。気持ちいい仕事もあった。日々の小さなつまづき、無力感は山ほどある。小さな楽しみや充実も同様だ。どちらも拾い集めて、そこから卑近な言葉を抽出していきたい。自分の書くものが、日々の暮らしの地続きであるように。媒介になるのが私たちの仕事だ。つなげたい一方と、もう一方にある前提の違いを知り、そこを結ぶきっかけをつくる言葉を探そう。

書いてリリースされた記事、個別にFacebookでもシェアしようと思っています。脳科学も昆虫食もめっちゃ面白い。

あと、原宿のWeWorkアイスバーグにリニューアルオープンしたカフェのコンセプトづくり、発信を少しお手伝いしました。「食におけるダイバーシティ」は、ひとつのテーマとして個人的に追っていきたいトピックです。

あっという間に4月だ。この季節はいろいろ感傷的になる。感傷に頼りすぎないように。文章における感傷は結果であって、それを目的としても、自分が望んでいる効果は、何も生み出せない。惹かれてしまうからこそ、その根っこにある事実を大切に、大切に。

あ、朗読習いたいなと思っています。誰かいい情報知ってたら、ぜひ教えてください。

タイトルは最近推しのバンドです。

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Takeshi Nishiyama
創食ダイアリー

旅は道連れ世は情け、恩は掛け捨て倍返し、残す仕事に身を削る、湯とり世代の創食系。ばっかじゃなかめぐろ、なにゆうてんじ