ピンポン

Takeshi Nishiyama
創食ダイアリー
2 min readSep 11, 2017

amazonで注文した1000円もしない安いフライパンが届いたのは、確か夕方の4時頃。インターホンが鳴り、ようやく起きなければならない口実を得られた身体が、ベッドから引き離された。

ふとしたきっかけ、認知できるかできないかギリギリの感情の揺らぎでもって、いとも簡単に一日、数日、動けなくなってしまうことがある。自分で自分の身体や感情をコントロールしきれないのは、ほとほと厄介だ。

寝て起きて、なんとなく起きたくなくて寝て、また起きて。それを数度繰り返しているうちに、今度は起きたいのに、身体がシーツと同じく、四隅をゴムでベッドに固定されたかのように、動きにくくなっている。そして起きることを素直に諦め、体力の続く限り、浅い眠りと覚醒を繰り返す。

それでもまだ、インターホンでがばとスイッチが入るから、マシな方だと思う。この時ばかりは、染み付いた社会性というか、赤の他人との間でも世間体を気にしてしまう小心さに、礼を言いたい気分だった。

やること、やりたいこと、やらなければならないことは、幸いなことに山ほどある。ポンコツに成り下がろうとも、たやすく機種変などできないのだから、しょうがない、労りつつ乗りこなしてやらねば。

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Takeshi Nishiyama
創食ダイアリー

旅は道連れ世は情け、恩は掛け捨て倍返し、残す仕事に身を削る、湯とり世代の創食系。ばっかじゃなかめぐろ、なにゆうてんじ