一音の間違いが命取り

修理固成
大和言葉の世界観
3 min readAug 16, 2018

1音1音に意味があって尊いという
大和言葉の世界観に立てば、

一音の間違いが命取りともなる。

代表的なのが、古事記の上巻(かみつまき)…

天地初めて發けし時の「高天原」は
「タカマノハラ」や「タカマガハラ」ではなくて

「タカアマハラ」と訓みます。

「タカアマハラ」と訓んではじめて意味が通じます。

「アマ」は宇宙のことを指しておりますから「アマハラ」でないと意味が通らないのです。「タカマノハラ」では訛った言い方になってしまいます。(神主さんが祝詞を上げる時など、どうしても訛ってしまうようですが)。

何故そうなのかと言いますと、ちゃんと原文に注が施されているからです。

「高の下の天を訓みて、阿麻と云ふ。下此に效(しもこれにならへ)」
(原文の注)

とわざわざ書かれているのです。

同様にその「タカアマハラ」の神様ですので、
「アメノミナカヌシ」ではなくて

「アマノミナカヌシ」と訓みます。

それから「アメノトコタチ」も「アマノトコタチ」と訓み上げたいと思います。

(参考文献:林先生『古事記の宇宙』)

従って、地球を離れた宇宙のことは「アマ」

私たちが生活する天地になれば「アメ(ツチ)」

だから「アマノミナカヌシ」は、
天地の天(アメ=空)に限らず、

全宇宙(アマ)を司る尊い働きだからです。

従って「アマノミナカヌシ」と発音されたい。

だから、こういうリアクションはうれしく、尊い。

…ともかく、結論、

1音1音に意味があって尊いという
大和言葉を知らないと真意を掴み損ねる。

一音の間違いが致命傷になりかねない。

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