昔の日本人は、言霊というものをとても大切にしました。言霊というのは、言葉の魂のことです。即ち「念子」近代合理主義に洗脳される以前の日本人は、良い言霊をもっている言葉を使えば、良い現象が生まれるという信仰を持っていたのです。
「万葉集』を始めとして、
日本人がことあるごとに和歌を詠んできたのも、そのためです。
たとえば、明治天皇は、次のような歌を詠まれています。
「世の中のことあるときはみな人もまことの歌をよみいでにけり」
(国家に何か危機的な事件が起きると、
国民はみんな誠実な歌を詠もうとしたものです)
「天地を うごかすばかり 言の葉の まことの道をきはめてしがな」
(世界を動かすほどの力強い言葉を使いこなすだけの真実の道を極めてみたいものだ)
これら二つの歌を見てみると、
いかに国家の命運と言霊の力が、
神話ー信仰ー言霊ー国民が
一体視されていたかわかります。