いわや道から平等寺道(1)

Iwaya-michi to Byoudouji-michi #1

中務茂兵衛建立の道標

舎心ヶ嶽から南に向かう。六地蔵のある広場がすぐ下にあるが、道は左右に分かれている。右は北地道。左は中山道(なかやまみち)、そしていわや道。その分岐点に石でできた四角柱の道標があり、その裏側に俳句が刻まれている。

山中でうれし記ものは道をしへ

この句は中務茂兵衛 (なかつかさ・もへえ)のものだ。

中務茂兵衛は四国遍路の大先達で、280回目の巡礼で結願の大窪寺を目前にして病に倒れた。78歳のことだ。弘化2年(1845)に周防国(山口県)で生まれた。道標の建立は厄年42歳のときに巡礼がちょうど88回になったことを記念してはじめたという。この句でいう「道をしへ」は、昆虫のハンミョウのことだ。山道で近づいたら飛んでゆくハンミョウは、ちょうど道を教えているようなものなのだろう。

中山道との分岐

さて左を進むとさらに上下に分かれる。右の上り道は中山道。左の下り道はいわや道。いわや道には立て札が通せんぼをしている。というのは道のりが長いので、この道に遅い時間帯に入ることを警告しておかないと、うっかり踏み入れて日も暮れたのに山中で立往生するかもしれないからだ。この道は太龍寺本堂から阿瀬比の県道まで全長約6kmあり一番長いルートだ。安全のため午後2時以降は入らないようにと書かれている。

広葉樹の道

分岐から少し進み、七丁の丁石を越えた十一丁に至るあたりは、広葉樹が道筋に生い茂り、雰囲気がとてもいい。十一丁を越えると杉林となり雰囲気がガラッと変わる。

十二丁

十二丁の手前、本堂から1.5kmくらいの地点に道標がある。十五丁には緑色と化した不気味な大岩が、さらに二十二丁付近、本堂から2.6kmくらいのところには巨岩があり、登ると見晴らしを楽しむことができる。ロープウェイ駅と支柱が向こう側に見られる。ここで景色を眺めながら一休みするもよし。

いわや道分岐

太龍寺本堂から約3km地点だからちょうど中間点になる。分岐があり左にくだる道が「いわや道」だ。石灰岩の採掘により龍の窟も面影はなく、歩くにも危険が伴うためこちらの道は使われていない。右の道は平等寺道といわれ、峠の集落阿瀬比に降りてから次の札所平等寺に向かう。

500mに渡る急坂

道はやがて尾根を渡り、急な下り坂になる。長い区間に渡るので、山道を歩いてきて疲れた足腰には注意を要するだろう。道の端にはロープも用意しているのでうまく使うようおすすめしたい。

成就院

集落が近くなると成就院専念寺がある。成就院は太龍寺の七支院の一つで太龍寺の境内にあった。その後ここにうつされ、専念寺もこの地に創建された。成就院の本尊は虚空蔵菩薩で、不動明王、弘法大師を脇仏として祀っている。専念寺の本尊は薬師如来だ。

阿瀬比からの登り道

最期に阿瀬比から登る際の写真を掲載しておこう。山道はまず取り合いがわからなくて苦心することが多いからだ。この先に成就院がある。


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