上から目線で、感想文をエッセイに変えろ!

学生のための文章術

読書感想文というと、みなさんも「○○を読んで」というタイトルをつけたことはないでしょうか。

しかし私は断言します。「○○を読んで」というタイトルで始まったら、誰にも面白い文章は書けません。

こういうタイトルをつけてしまうと、どうしてもあらすじを書く作業に入りがちです。

そうではなく、もう少し気楽に考えていいのです。「書く」ということはとにかく書き手が主役なのです。読書感想文でも、主体は本ではありません。書き手であるあなたです。

私はまず、読書感想文を「読書エッセイ」だと認識し直すことをお勧めします。

「ここが面白いと思いました」というひれ伏した感じではなく、「この言葉が私をインスパイアしてくれました」という感じを出すのです。いや、もっと偉そうに「この私をここまでその気にさせてくれた。それだけに、この物語はなかなか大したものだ」とあくまで「上から目線」の姿勢で臨みましょう。

「生意気さ」というものは意外に重要なのです。「好きだ」という感情があって、その上で生意気な感想を自由に述べる。そうゆう距離感が最高です。

読書というのは、あらゆる視点を楽しむ行為です。著者が一度書き上げた作品は、読み手がどのように読んでもいいのです。

そうゆう意味で、その本が「自分にどんな刺激を与えてくれたのか」、あるいは「自分の中の視点をどう変えてくれたのか」が重要なのです。

例えば小説の登場人物のたった一言のセリフを目にしただけでも、「ああ、こういう生活も幸福な生活だと考えることができるのか」と感じ入ったり、「世の中には幸福も不幸もないのか」と思ったり、あるいは退屈そうな人生にも、こんな良さがあるのか」と気づき、あなたのものの見方が少し変わることがあるかもしれません。

その変化した視点で、世の中やあなたの見の回りを改めて見直してみる。すると、今まであなたの文章は感想文を超え、エッセイになっています。

【人を動かす文章術(斎藤孝)】


斎藤孝は、「読み手がどのように読んでもいいんです」と言う。

これこそが読書を楽しむ極意だ。

本の背表紙を眺めて、気を引くものから手にとる。ぱらぱらとめくり、読み出す。おもしろい、と思うとしばらく読みふける。文章の横に線を引っ張っぱる。

でも全部は読まない。

次の本を手に取る。またぱらぱらと読み始める。なんだかピンとこない。この本はやめ!

次の本を手に取る。

数ページ読んでみる。すると、前に読んだ本が気になってきた。再度、前読んだ本を手にとって同じ箇所を読んでみる。線を引いた部分は、やっぱり正しかった。この文章は、なかなかいい文章だ。などと感心しながら、線を引いた文章を蛍光ペンでマークする。

本の最後のページをひろげて、著者の経歴を読んでみる、さらに数ページ前にもどってあとがきを読む。こころが惹かれているのがわかる。

同じ著者の違う作品を探す。

手にとって斜め読みしてみる。すみずみまで読まなくても、十分楽しめる。

思わず、bookoffで検索し、同じ著者の本のタイトルをみてみる。

本のタイトルだけでも、見ていると楽しい。108円、198円の本に絞ってしるしを入れて、購入手続きへ。

何冊か同じ著書の本を斜め読みすると、根底にある信念のようなものが、肌で感じられるようになる。

これが、本を読む醍醐味だ。