戦争があると脳科学が進歩する。

ちょっと恐ろしい話です。

第一次世界大戦よりも第二次世界大戦、第二次世界大戦よりもベトナム戦争で脳科学が進歩しました。これは戦争兵器の性能が向上し、弾丸や弾道が鋭くなったことに関係しています。
脳に弾丸をうけても、損傷を受けた部分が、鋭く貫通していれば、脳に損傷をうけても生き延びる確率が高いのです。そして損傷を受けたの彼らの病状を追跡・研究することによって、脳科学が進歩したのです。

物が見える?

物が見えるということは、目から情報が脳に伝えられ、視覚野でその情報が認識されるということです。その視角野は、第1次視角野から第5次視覚野で構成されていて、それぞれに視角に関する特性があります。たとえば、第4視覚野は、色に関係した部分であり、この部分が破壊されると、世の中が白黒になってしまいます。また、第5次視覚野は、動きを認知する部分で、この部分が損傷を受けると、動いているものが見えなくなります。たとえば、動いているボールはみえませんが、ボールが止まると見えるといった具合です。こうなると、人が動くと見えなくなりますので生活に支障をきたすことになります。

プログラムされた神経細胞

頭頂葉の前あたりに「運動野」があり、そこは人間の運動を司る場所で、その場所を電気信号で刺激を与えると、体の部分が反応します。
つまり、脳の「運動野」のある部分を刺激すると指が動き、その隣を刺激すると、隣の指が動くといった具合です。
これは、脳電気信号によって、それに対応する筋肉が収縮し、間節を介して手足が動くといった単純な仕組みですが、それとはまったく異なった神経細胞が見つかりました。
体の部分が、どんな位置にあっても、運動野の特殊な神経細胞を刺激すると、からだの部分が定位置の状態に戻るという複雑な反応をするのです。神経細胞がただ体の部分を反応させるだけでなく、元の位置まで戻すというようにプログラムされているのです。リセットボタンのようなものですね。

ラジコンネズミ

ネズミや猫のひげはナビゲーションの機能があります。右脳のある部分を刺激すると、ネズミは左側のひげが触られたと感じ、左脳のある部分を刺激すると右側のひげが触られたと感じます。
そこで実験です。
3本の電極を用意して、2本の電極を右脳と左脳のひげが反応する部分、もうひとつの電極を報酬系に刺します。報酬系とは、その部分が刺激されると快感を感じる脳の場所です。

ネズミは、電気刺激によって右側のひげが触られたなと感じた時に、右に動きますので、その時に、報酬系を刺激します。
逆に左側のひげが触られたなと感じたネズミは左に動きますので、その時に報酬系を刺激します。

すると、ネズミは、どんなにごちそうが目の前にあろうが、まったく無視して、ひげが感じた方向、つまり快楽を感じる方向に動きます。

これによって、ネズミをラジコンのように操作できるのです。
これが、「ネイチャー」に掲載され、大きな反響がありました。

これはネズミの実験ですが、人間の脳に電極を埋め込めば、ロボットのように人間を操作できるということです。

恐ろしいことに利用されてないことを祈っています。

参考文献:池谷裕二 進化しすぎた脳