ずっと鎌倉で、楽しく写真を撮りたい。

鎌倉は、カメラ持って歩いてる人が多い。スマートフォンのカメラを数に入れたら、歩いている人のほとんどがカメラを持って歩いているワケだけだけれど。

カメラを持って鎌倉を歩くのは、楽しい。とても楽しい。晴天ならば、陽射しキラキラ。曇天ならば、しっとり風情。雨降りだって、濡れた路地や草木が美しい。

街を歩けば、一歩ごとに“撮るモノ”が見つかる。そして、ちょっといいカメラ、一眼レフなんか持っていたら、半日、鎌倉をぶらついて、家に帰ってPCに画像を取り込むと、その中に何点かは、すっごい写真が入ってる。運が良ければ、何十点もあったりする。

とにかく、鎌倉はいい写真が撮れる街なんです。

1月も中旬、梅が咲き始めた。日当りの良いところから咲き始めるから、白や薄紅の花が輝いて見える。花が咲いている木の下には、たいていカメラを持った人がいる。カメラを構えている人がいると、そこを通りかかる人がスマートフォンを取り出す。花を撮っている人、花の前でポーズをとる人…写真撮るって楽しい。

そんなこんなしてると、こじんまりしたお寺の境内なんかでは、通路が渋滞しちゃったりすることも。いい景色が撮れるポイントでは、カメラを持った人が順番待ちしてることもあったりする。

写真を撮ることが目的なら、撮れた写真が良かったらそれでOKなんだけど、行く先々の風情を楽しむために散策していたら、「カメラもってるやつら、うざい!」って思うと…思う。

自分も、鎌倉で写真を撮っているので、“うざい側”です。

素人なりにノリノリで撮ってると、まわりの気配が分からなくなることが、しょっちゅうある。絞りや露出を変えてあれこれやってたら、横切ろうとする人が立ち止まって待っててくれたり、ファインダー覗きながら動いたら人にぶつかったり。そういうとき、「あ、ごめんなさい!すいません!」と言うと、大抵の人は「いいですよ〜」と許してくれる。実際には、大抵じゃなくて、これまでのところは全部の人が許してくれた。

許してもらった時に、己が“うざい側”であるということを、改めてちゃんと感じるようにしております。

鎌倉の神社仏閣のほとんどでは、三脚・一脚の使用を禁止している。三脚・一脚を使うと、一カ所に留まって撮影することになり、撮影しない参拝者の邪魔になるからだ。神社仏閣では、写真を撮ることを目的に境内に入る人は、参拝者の邪魔になる存在と考えられている…ということを認識しておかなくちゃいけない。

鎌倉で写真を撮る人たちは、大人だ。マナーも常識もある。それでも、最新鋭のカメラとレンズを装備したら、ガツンとテンション上がっちゃうこともある。一時まわりが見えなくなるのは仕方ない。それは仕方ないから、己がうざくて、邪魔な(…と思われている)ことを覚えておかなくちゃいけない。それを覚えておけば、とっさのときに「ごめんなさい」がちゃんと言えるし、社寺の境内の中にとけ込んで写真撮影が楽しめるんじゃないかと思う。

恐れているのは『境内撮影禁止』になることなんです!

先日、北鎌倉に行ったら梅の咲いてる下に福寿草が芽を出していた、そこは、お庭の手入れの行き届いたお寺で、通路と花壇が低いロープで区切られていた。良さげな一眼レフカメラを持った女性が、木洩れ陽の中の福寿草を撮っていた。私も、その福寿草が撮りたかったので、彼女が撮影するのをなんとなく眺めつつ場所が空くのを待っていた。

そしたら、彼女が一歩踏み出した…ロープの内側へ! ロープの内側に踏み込んだまま、撮影した画像を確認しつつ彼女は撮り続けた。そのとき、すぐに「足が入ってますよ」とかなんとか、声をかけるべきだった。でも、なんて言おうかとかどぎまぎ考えている間に、彼女は撮影を終えて歩き出してしまった。追いかけてまで注意する勇気がなかった。福寿草は可愛らしく咲いていたけれど、私もそのまま帰ってきてしまった。

鎌倉には数カ所だけど、“境内撮影禁止”のところがある。聞いた話だけれど、写真を撮る人同士で場所取りをめぐってケンカしたとか、散策してる人を「撮影のジャマだ、どけーっ!」と大声出した人がいたとか、草木を折った人がいたとか、そんなことで“境内撮影禁止”になったらしい。

一歩踏み込んだ彼女も、きっと基本的にはマナーも常識もある人なんじゃないかと思う。でも、写真を撮るとき自分の世界に入っちゃったりするんだろう。ちょっと足を入れても、誰にも迷惑かけてないし、花も踏んでないと考えたのかもしれない。その姿を、写真撮らない人が見たら、ものすごく嫌悪感を感じるということに気がつかなかったのだろう。

私は鎌倉で『境内撮影禁止』が増えることを恐れている。だから、写真を撮るときはできるだけ穏便に、うざいと感じられないようにしたいと思ってる。他の人にも、そう思ってほしいと思っている。

だから、次に“ロープの内側に踏み込んでいる”ような人を見かけたら、とにかく声をかけてみようと心に誓った。

マナーとか常識とか、そういうことじゃなくて「写真撮らない人のことや、社寺のことを頭に入れておかないと、写真が楽しめなくなっちゃうからね!」ということを、大きな声で言いたいのです!