その事業アイデアは「トレードオフ」を解消していますか?
自動運転はなぜイノベーションなのでしょうか。
それは、トレードオフを解消しているからです。単純に「人間が運転しない自動車」というだけではイノベーションではありません。
人間が運転しない自動車
であるにも関わらず、
安全性を担保している
という点がイノベーションなんです。
このように両立が難しく、あちらを立てればこちらが立たずの状態をトレードオフと言います。トレードオフを解消するところにイノベーションの芽があります。
満たされていないニーズが存在する理由
ニーズから事業アイデアを発見する方法はよく知られています。しかし、そのニーズにトレードオフがなければ、ニーズを満たす事自体はとてもカンタンなんです。誰でもできます。イノベーションでもないし、事業機会ではありません。
例えば、「Airbnb」は、余っている部屋を価値化したいユーザーと旅行中にもっと異文化体験がしたいというユーザーのニーズから始まりました。でも、両者がカンタンに出会うことができていたのなら、そのニーズは即座に満たされ、事業機会として残っていなかったはずなんです。
しかし、実際には両者が出会うコストはとても高かった。だからこそ、出会いのコストを最小化すると同時に両者のニーズを満たすこと(トレードオフの解消)がAirbnb事業機会になり得たわけです。
一般化すれば、事業で満たそうとしているニーズに対して「トレードオフ」の関係にある「制約条件」さえもクリアしてしまうことが、イノベーションの条件なのです。
イノベーションの例)
- 「料金が100円」にも関わらず「高級レストランと同等の料理が食べられる」
- 「自宅にいる」にも関わらず「高い質の医療が受けられる」
- 「自動車である」にも関わらず「環境に優しい」
- 「ロボットである」にも関わらず「高度に認知的な作業ができる」
- 「手間のかかる業務」にも関わらず「安価に完遂することができる」
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