キャリアシナリオを考える「キャリアシナリオキャンバス」

キャリアシナリオキャンバス

キャリアシナリオは「未来と現在」「理想と現実」の架け橋。選択と行動の指針です。そのシナリオを考えるにあたって、わたしがコンサルティングのときに脳内で考えていることをキャンバスに落とし込んでみたのがこちらの画像です。

どなたでも使えるツールを目指したいので、プロトタイプではあるもののここでキャンバスの使い方を公開しておきたいと思います。

※青い数字は記入していく順番

1.Give(Present):能力

現状、あなたが提供できる価値、能力を整理します。「デザイナー」のような肩書ではなく「グラフィックデザイン」のような能力を書いてください。自分だけではなく、他者からの視点をヒアリングしてみるのも良いでしょう。

2.Take(Present):報酬

現状、あなたが仕事から得ている報酬を整理します。数値化されている儲け(金銭的報酬)に目が行きがちですが、それ以外の報酬についても考えてみます。

遊び(精神的報酬)、学び(技能的報酬)、儲け(金銭的報酬)、貢献(役に立った実感が報酬)、信頼(評判に繋がり新たな機会をもたらす)、自己理解(将来のよりよい選択を可能にする)という整理をしています。

3.Identity

仕事や生業が変わっても、根本にある人生観や価値観は変わりません。これまでの経験から「私は〇〇な人間だ」「仕事とは〇〇だ」というような自己理解を書き込んでみてください。

4.Vision

将来、実現したい理想像や未来像を書き込みます。キャリアはこのVisionを実現するための手段です。キャリアは柔軟に切り替わっていく必要がありますが、Visionは目的なので、あまり度々の変更は望ましくありません。Visionが定まっていなくても大丈夫です。自己理解につながる様々な経験を重ねていきましょう。

5.Take(Future):報酬

将来、あなたが仕事から得たい報酬を検討します。Visionと密接に結びついていることを確認しながら考えていきましょう。2で整理した現在の報酬とのギャップを見つけて、それを埋めるためのシナリオを検討します。

6.Give(Future):能力

将来、アナタが提供したい価値、能力を検討します。Visionから導かれたTakeを得るために必要なGiveを考えていきましょう。1で整理した現在の能力とのギャップを見つけて、それを埋めるためのシナリオを検討します。

7.Scinario

シナリオは能力と報酬について、現在と未来のギャップを埋めることを目指して検討していきます。実際には外部環境の変化や自己理解の更新によって変動しうるので、いくつかのシナリオを考えておくとベターです。

キャリアシナリオはコンパス

働き方が多様化し、選択肢は増え続けていますが、選ぶためには基準が必要です。その基準は今の自分ができることであったり、やりたいことであったりします。

そういった「現在の自分」を軸にキャリアを選ぶことが「未来の自分」にも良い選択であるかどうかは分かりません。だから、「未来の自分」がどうなっているのか。そこに至る道筋はどんなものがあるのか。そういったキャリアのシナリオを考えておく必要があります。

終身雇用を前提として会社にキャリアを委ねる時代は終わり、自分のキャリアは自分で舵取りをする時代になりました。キャリアシナリオは人生という長い航海におけるコンパスになるはずです。

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Yusuke Kuroda(黒田 悠介)
文系フリーランスって 食べていけるの?

「フリーランスを実験し、世に活かす」という活動ビジョンのもと自分自身を実験台にしているフリーランス研究家。東京大学→ベンチャー社員×2→起業→キャリアカウンセラー→フリーランスというキャリア。ディスカッションパートナーを生業とし、新規事業の立ち上げを支援。その他、議論メシ代表。FreelanceNow発起人。