ポートフォリオワークの「ポートフォリオ」は何を意味しているのか
最近何かと話題の「複業・副業」。それをカッコつけて言うと「ポートフォリオワーク」になります。うん、かっこいい。
私がその表現を知ったのはリンダ・グラットン氏の著書「LIFE SHIFT」の一節でした。
選択肢を狭めずに幅広い針路を検討する「エクスプローラー(探検者)」のステージを経験する人が出てくるだろう。自由と柔軟性を重んじて小さなビジネスを起こす「インディペンデント・プロデューサー(独立生産者)」のステージを生きる人もいるだろう。さまざまな仕事や活動に同時並行で携わる「ポートフォリオ・ワーカー」のステージを実践する人もいるかもしれない。
ポートフォリオとは?
ここで言う「ポートフォリオ」は、クリエイティブ界隈における「クリエイターの作品集」とは異なります。どちらかと言えば金融用語としてのポートフォリオに意味合いが近い。
その意味でのポートフォリオは通常、投資家が保有している金融商品の組み合わせを指しています。投資先をいくつも組み合わせることでリスクに備えるわけです。
持っている卵を全て同じかごに入れていたら、何かの拍子に全ての卵が割れてしまうかもしれません。しかし、いくつかのかごを用意し、そこに卵を分散させることで、1つのかごに何かあっても他のかごの卵は無事で済みます。
「卵」と「かご」
ポートフォリオは「卵を入れるかごの組み合わせ」のことです。金融においては「卵」が資本、「かご」が金融商品(預金、株式、不動産とか)と言えます。あんまり詳しくないので、言葉の使い方は不正確かも。
では、ポートフォリオワークにおける「卵」と「かご」はなんでしょうか?私の考えでは、
- 卵は「時間」
- かごは「活動」
です。
つまり、ポートフォリオワークは「時間」を注ぎ込む「活動」の組み合わせということになります。
その対象は地域活動かもしれないし、NPOかもしれないし、週末起業かもしれない。一人ひとりに合った活動のポートフォリオがあり得ます。
この「卵」と「かご」の関係が分かると、最近の複業・副業ブームの理由が分かってきます。
1つの活動に従事するリスク
なぜ今、ポートフォリオワークが注目されているのか。それは1つの活動に従事し続けることのリスクが高まっているからかもしれません。
1つの活動に専念し続けていると、その活動の意義が時代とともに薄れてきても他の活動に移行するのが難しい。興味関心が他の活動に移っても移行する勇気が持てない。
その点、活動のポートフォリオを組んでおけば、どれか一部の活動を停止することになっても大きな影響はありません。また新たにポートフォリオを組み直して、時間の使い方を見直せばよいのです。
この楽観は大きい。自分のいる組織を相対化できますし、しがみつく必要がないので交渉力がつきます。
私たちは長寿化し、組織や事業は短命化しています。一生のうちにいくつもの活動に携わることは当たり前。転職や起業、独立のような「キャリアの繋ぎ目」も増えていきます。
1つのかごに卵を入れるリスクは年々大きくなっていくでしょう。
投資リターンの最大化
投資にはリターンがあります。金融ポートフォリオを組むときにも、リスクを小さくするだけではなく、リターンを大きくすることが重視されます。
では、ポートフォリオワークによって「時間」をいくつかの「活動」に注ぎ込むことに対するリターンはなんでしょうか?
「お金」だけではありませんよね。
仕事には「金銭以外の報酬」がいくつもあり得ます。その報酬を自分の望むバランスにできるのが、ポートフォリオワークの最大のリターンではないでしょうか。ちなみに私は、仕事に以下の「6つの報酬」を求めています。
- 遊び(精神的報酬)
- 学び(技能的報酬)
- 儲け(金銭的報酬)
- 貢献(実感的報酬)
- 信頼(評判的報酬)
- 理解(認識的報酬)
※詳細は以下の関連記事に譲ります。
あなたにとっては、どのような報酬のバランスが望ましいでしょうか?
ポートフォリオワークを実践するには
ポートフォリオワークを実践するために、モデルケースとなる人を見つけるという方法があります。自分がポートフォリオワークするイメージを明確にできれば、一歩踏み出しやすくなります。
そのためのイベントを開催するので、ご興味ある方はお越しください。もっとリアルで深い話をするつもりです。登壇者も面白い人たちなので、お楽しみにされていてください。
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