地域の課題に「巡り」「造り」「関り」「戻り」の設計が効く

東京生まれ、東京育ちのわたしが、どういうわけか東京以外の地域に関わるプロジェクトに参画してきました。フリーランスになってからの仕事で訪れたのは、山形県、福岡県、大阪府。今は福島県と鳥取県のプロジェクトをお手伝いしています。

地域の課題はとても複雑です。「若者を増やしたい」というのが課題ならUターン・Iターンの人を増やせばいいと考えられる。でも、そのためには地域に仕事ができる環境や、子どもが教育を受けられる環境、適切な医療を受けられる環境などが必要です。そして、それらの課題は地方自治体の財源や地元住民どうしの関係性なんかにも影響を受けたり、与えたりしている。

こういった絡み合った糸のような課題群をヨソモノが扱うのは非常に難しい。じっさい、地域課題を専門にしたコーディネーターが活躍するなど、専門家しつつある領域でもあります。

地域の課題解決の型はあるのか

わたしは新規事業のディスカッションパートナーを通じて「課題解決には型が存在する」という確信があります。

もちろん、その型(フレームワーク)は状況に応じて再発明されたりするものなので、まったく固定化されたものではありません。フレームワークの存在が共通言語化して、チームメンバーの意思疎通がスムーズになったり、メンバー以外の人への説明が容易になる。

きっと「地域の課題解決」においてもフレームワークがあるはずです。

それを見つけ出せば、より多くのコミュニティが課題解決に向けて動き出せるかもしれない。そんな思いで地域の課題解決について考えています。

他の誰かもこのフレームワークを考えているでしょう。でも、他の人が作った「正解」を見てしまう前に、自分で考えてみたい。そうすることで、「地域の課題解決におけるヨソモノ」としての私が出せる価値があるかもしれませんから。

課題解決の4つの設計方針

まだ考えている途中ではありますが、地域課題解決フレームワーク全体のごく一部について、最近考えていることを共有します。地方の課題解決の大きな方針として、以下の4つがあり得ると思います。

  1. 巡り
  2. 関り
  3. 造り
  4. 戻り

では、それぞれについて説明します。

1.「巡り」の設計

ステークホルダーを巻き込み、地域において何かしらが循環するような仕掛けをする。地域内での交流が生まれたり、有限なものを有効活用できたりする。巡るものは資源、資材、エネルギー、スキル、仕事、お金、人、情報。カラダに例えるなら、地域に「血の巡り」を良くするようなイメージ。

2.「関り」の設計

地域の外側との関わり方を設計する。地域に来る理由を用意してヨソモノに「来てもらう」ことと、ヨソモノと協力して地域の外側に「発信する」という2つの側面がある。非日常(地域にとっては日常)を提供したり、イベントを開催したり、学ぶ機会を提供したりする。実際に訪れなくても、寄付や購入のような形での関わりもあり得る。

3.「造り」の設計

地域にあるものを構造化・キュレーションしたり、ブランド造りをしたりする。地域住民にとってはアタリマエのものでも、ヨソモノにとっては大きな価値になることがある。使いみちがなかったものや、売る方法を持たなかった作物、人が集まる場などについて、新しい活用方法を検討する。1の「巡り」と2の「関り」を組み合わせて設計すると尚良し。

4.「戻り」の設計

IターンやUターンを増やすことで地域を盛り上げる。生まれたときから地域との繋がりを感じられるような仕掛けをしたり、地域ぐるみでの教育体制を整えたりする。また、地域での仕事など、移住するために必要なものを用意することも必要。1の「巡り」によって活性化し、2の「関り」を訪問のきっかけにし、3の「造り」で地元の熱気を高めるのが良い。

まだまだフレームワークとしては未完成なので、今後も経験を通じて考え続けたいテーマです。アップデートあればまた書きたいと思います。

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Yusuke Kuroda(黒田 悠介)
文系フリーランスって 食べていけるの?

「フリーランスを実験し、世に活かす」という活動ビジョンのもと自分自身を実験台にしているフリーランス研究家。東京大学→ベンチャー社員×2→起業→キャリアカウンセラー→フリーランスというキャリア。ディスカッションパートナーを生業とし、新規事業の立ち上げを支援。その他、議論メシ代表。FreelanceNow発起人。