案件単価の低いクラウドソーシングに必要な「神の見えざる手」

フリーランス仲間と飲んでいて、ときおりクラウドソーシングの利用について話すことがあります。話すと言っても

「クラウドワークスやランサーズを使うのはフリーランスにとって死の道だ」

という程度。少なくともわたしの生息域にいるような、東京に住む生活コストの高いフリーランスにとってはクラウドソーシングの案件は「割の合わない仕事」として認識されています。自分で獲得する案件や、知り合いからの紹介のほうが、よっぽど稼ぎが良い。

私もフリーランスになる前は、新しい働き方のスタイルを促進できるサービスだと認識していました。しかし、実際にフリーランスなってみるとクラウドソーシングはまだまだ課題の多い状態だと感じています。

グローバル化は単価下落をもたらす

今後、グローバル化を進めるという日本のクラウドソーシングサービスは、自国のフリーランスが離脱することを覚悟しなくてはなりません。なぜなら、グローバル化によって単価が今まで以上に下落するから。

グローバル化すると起こることを説明します。日本よりももっと人件費や生活コストの低い国のフリーランスは、低い単価の仕事でも十分生活できるため、喜んでその仕事を受注するでしょう。そうなると、日本のフリーランスは敵わない。同じアウトプットなら費用が安い方に仕事は自然と流れていきます。これは雇用の流出でもあり、あまり歓迎できる状態ではないかもしれません。

さらに、リモートワークを前提としたクラウドソーシングは、アウトプットが定義されているため、納品物の定義を超えた付加価値をつけるのが難しい。もちろん、そういう価値を明確に出せるフリーランスは高い単価を維持できるはずですが、それ以外の多くのフリーランスにとっては市場原理は残酷に働きます。同じアウトプットなら低い単価に一物一価化していきますから。

生活コストが低い地域のフリーランスにとっては、ありがたいサービスだとは思う

それこそ、クラウドソーシングだけで食べていくのであれば、地方に移住して生活コストを下げて月収15万円とかで暮らしていくしかない。

単価が現時点でも低いし、これからさらに下落する可能性が高い。私がクラウドソーシングで仕事を受けない理由です。

これでは、クラウドソーシングが日本のフリーランスにとってインフラ化するのは難しい。ここから先は仮説ですが、もしクラウドソーシングサービスを提供する企業が、日本でも公共性を持ち、インフラとして認識されるほどの重要な存在になりたいとするなら、人為的な価格調整(システムによる「神の見えざる手」)が必要になってきます。

「神の見えざる手」のあり方

どのような「神の見えざる手」であれば、単価下落を抑制し、フリーランスもクライアントも納得できるでしょうか。

例えば単価が下がらないように、業務内容に応じて最低限のボーダーラインを単価に設定することも1つの策ではあります。ライティングとか明らかに単価低いですからね。最低限1文字1円は保証するとか。

他にも、価格調整ではありませんが、案件数などの一定の条件をクリアしたらフリーランスにベーシックインカムを支給(国によって調整)するという手もあります。

正直、実はまだ私自身答えがある状態でこの文章を書いていません。ただ、こういった率直な課題意識がフリーランス側からも提示されているべきだと思ったので書いてみたわけです。

クラウドソーシングは確実に働き方を変えて、人類を一歩前進させる力があると信じています。私が提示した単価下落の懸念は解決すべき課題の1つに過ぎません。それを乗り越えて素晴らしいクラウドソーシングサービスが世界に普及することを願っています。


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