穴の開いたバケツに水を注ぐ
まずはその穴、ふさぎませんか?
新規事業の相談を受ける中で、ユーザー獲得について話すことがあります。事業はユーザーの一部または全体からお金を頂戴するわけで、ユーザー獲得は企業にとっては死活問題です。
でも、焦りは禁物。闇雲に手を打っても成果に繋がりません。では、どうすればいいのでしょうか。
成功した事例も失敗した事例もひっくるめていくつかのプロジェクトでユーザー獲得の様子を観察し、ヒアリングするなかで分かってきたことがあります。それは
ユーザー獲得の前にひとつだけやるべきことがある
ということです。
水とバケツで例えると
ユーザーを水に、サービスをバケツに例えることができます。サービスのグロースハックに用いられるフレームワークの1つにAARRRがあるので、図を拝借して説明したいと思います。
この2Aと3Rについて、様々な施策がありえます。サービスを立ち上げたばかりの頃には、すぐにでもユーザー獲得に動き出したい気持ちもわかります。でも、その前にやるべきことがあります。それは何でしょうか。
実はこの図には表現されていませんが、サービス初期のバケツは穴だらけで、水を注いでも全てが収益になるわけではなく、どんどん抜けていっています。
ユーザー獲得の前にやるべきことは、このバケツの穴をふさぐことです。
穴をふさぐためにリピーターたちの声を聴く
バケツの穴をふさぐということは、顧客の体験を最大化することです。つまり、サービスを利用したときのPAIN(苦痛)を減らしGAIN(得られるもの)を増やすということです。これによってサービスに価値を感じたユーザーはActivation(活性化)し、Retention(継続)するほどの価値をサービスに感じてくれます。
顧客の体験を最大化のためには、ある種のユーザーの声を聴くことが重要です。
サービスの初期段階で、穴だらけであるにも関わらずサービスを使ってくれるユーザーがいます。中には何度も繰り返し使ってくれている人も。
こういったユーザーの声は宝の山なのです。イノベーターやアーリーアダプターに該当するこの種のユーザーたちにインタビューをすることをオススメします。
インタビューでは以下のようなことを訊いてみましょう。自分たちの仮説が実証されることもあれば、思わぬ発見も多いはずです。
- サービスにどんな価値を感じているのか?
- どうしてその価値を感じたのか?
- 繰り返し使うほどの価値は何か?
※もちろん、そのまま訊いても洞察に満ちたインタビューにはならないので、訊き方には気をつけましょう。
インタビューをグロースハックに活かす
ユーザーインタビューを行ったあなたは、ユーザーの顧客体験について以前より深い洞察と仮説を持っていることになります。次にやることはそれらをサービスに反映させることです。サービスにおける顧客体験は以前よりも優れたものになり、バケツに空いた穴は小さくなっていることでしょう。
ここまで来て初めて、水をどんどん入れていこうという状態になります。
Activation(活性化)とRetention(継続)についてはインタビューを通じて準備ができている状態なので、水漏れは少なく、Acquisition(獲得)からRevenue(収益)に繋がりやすい状態が作れているわけです。
このように、ユーザーインタビューは使いどころを押さえることで効果を発揮します。もしユーザーインタビューを事業に活用したい方がいたら、お声がけください。お役に立てることと思います。
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