リモートワークの生産性向上には何が必要か

仕事柄多くの海外拠点のメンバーとプロジェクトを回すことが多い。しかし、いつも思うのはどうしても生産性が落ちるということだ。もう一つ、近年特に思うのが、何故2017年にもなって毎日みんな東京の満員電車に1時間以上も乗って通勤しているのかということである。2017年、インターネットが一般のものとなって既に20年近くが経とうとしている。しかし、何故か疲れる通勤が減る兆しはない。そうした疑問を整理するために、何があったらリモートワークが実用的なものになるのかを考えてみたい。

1.効率的なビデオ会議システム

通常どこでもリモートオフィスがあれば入っているアレである。これが通常のリモートワークを支える最低ラインであろう。通常のビデオ会議システムは、簡単に資料の共有やデスクトップ共有ができる。しかし、いくら高精度なビデオや音声が入っていても結局これだけでは解決しないことがあるのは後述である。一方で、特に第2外国語以上の外国語で会議行う場合は、いかに音声が明瞭であるかも重要であるので、これだけでは機能しないからと言って軽視するのは禁物である。ネイティブなら50%の音声が拾えれば会話が成立するが、非ネイティブ言語での会話には最低でも80%時によっては90%程度明瞭に聞き取れないとスムースな会話が成立しない。

2.共有ホワイトボード

最近ではMicrosoft, Google, Ciscoなどが次々と新製品を出してきている、ビデオ会議システムと並行して使うネット共有ホワイトボードシステムである。いくらビデオ会議システムが強力でも、テレビ会議越しにホワイトボードを書いても、相手方が効率的に見て理解できる可能性は限りなく低い。それはネットワーク越しのビデオの解像度の問題もあるし、一方だけが書けて、相手方が書き込めないという一方通行的コミュニケーションにも問題がある。これらの問題を解決するのが共有ホワイトボードである。最新型のモデルでは、オフィスのホスト側に端末があれば、リモート参加者はタブレットなどで、そのホワイトボードに参加(書き込める)というのが流行りである。

3.相手のオフィスのリアルタイムストリーミング

オフィスとリモートの違いを一番感じるのが、オフィスでは隣の人の空気を感じて話せそうならちょっと話してみるというのが簡単にできることだ。リモートではそうはいかない。通常チャットで今話せるか聞いてみて、そのままチャットで話すか、端末のビデオソフトで繋ぐか、ビデオ会議システムのある会議室に移動することになる。チャットや端末のビデオソフトでは、上記の共有ホワイトボードが使えないし、会議室を使おうにも、会議室は常に予約で一杯で、2週間先まで予約が取れないというのが通常である。なので、本当に共同でプロジェクトをしているリモートオフィスの場合は、先ずは相手がいるのかどうなのか思い立った時に確認できる、お互いのオフィスのビデオストリーミングが効率的に相手の空気を読むのに役立つはずだ。

4.共有スケジュール

この辺りから独想に入るのだが、上記の相手オフィスをストリーミングしている大型モニターの横に、各メンバーの現在のスケジュールが表示されていたらいいのにと思う。Aさんと話したい場合、その大型モニター横のAさんのスケジュールを見て、「あ、Aさん会議中ね。ではまた後で。」的な利用である。もちろん、オフィススイートの共有カレンダーで相手のスケジュールを確認できる。しかし、忙しい人であればあるほど、会議で埋まってスケジュールが開くのはそれこそ2週間先ということもある。しかし、この大型モニターストリーミング件、現在のスケジュール表示は、会議が早く終わって捕まえたい時などには最適である。

5.どこでもピックアップヘッドセット

自分もPCにヘッドセットをつけて、ソフトフォンやチャットからいつでも連絡があってもいいように臨戦態勢で仕事をしている。しかし、よく困るのが電話がかかってきたが、ヘッドセットをUSB接続していないというシチュエーションである。よく自席を動くので通常あらゆるUSBセットは接続しないケースが多い。となると、電話を受けてから、「ちょっと今ヘッドセットをつけるので」、と言ってもUSBが認識しないとか、通常のスマートフォン用ヘッドセットを音声端末に突っ込めば、まあ即時に対応できるが、そんなのカバンの中である。ということで、あればいいなと思うのは、常に充電スタンドにかかっているマルチペアリングできるBlutoothのヘッドセット。これさえあれば簡単に電話をピックアップできるし、街に出るときもタブレットかスマートフォンとペアリングされていれば簡単に電話やビデオチャットに対応できる。

6.そしてチャット

そして最後にチャットツール。業務で使う場合は、エンタープライズ用のソリューションも含めていろいろな選択肢があるため自社に合ったものを選ぶということでいいだろう。個人的にはLINEがこれだけプライベートで普及している今、LINEを業務で使うのにはいささか抵抗がある。プライベートなステッカー入りメッセージを取引先などに送ってしまっては目も当てられない。従い、LINE以外で昨今のモバイル環境の充実を考えると、PCのみならずスマートフォンやタブレットなどを含めたマルチデバイスで使えるツールから選びたい。

以上、自分が理想と思うリモートメンバーとのコミュニケーションは、いつでも相手の存在を確認できること、ビデオで直ぐに繋がること、あらゆる端末で資料、デスクトップ、ホワイトボードの共有ができることである。いかがであろう?