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あの会話がきっかけで、僕はまず自分に無条件の愛を示すようになった

Hideomi Kurosaki
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Published in
Oct 8, 2021

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その日、僕の人生が大きく動き出した。

これまでの46年の人生を振り返ると、そう感じる出来事が何度かある。

そのうちのひとつというのが、今から12年程前の出来事で、とある外国人との会話によって、というか僕へのたったひとつの質問によって、僕の人生は大きく動き始めた。

その日から僕は、自分を大切にするようになったんだ。

今から12年程前。

当時の僕は、駆け出しのセミナー講師でまだまだセミナーのことが分かっていない状態。

なので、自分のセミナーも開催しながら、色々な人のセミナーもボランティアで手伝いながらセミナー運営について勉強していた時期だった。

あるとき、ピーター・セージという世界的な事業家の来日セミナーを手伝うことになった。

僕の担当は、音響。

最適なタイミングで最適な楽曲を会場に流し、セミナーの雰囲気づくりをするのが僕の仕事だ。

主催者との打ち合わせを重ね、いよいよセミナーが2日後に迫った時、ピーターがスタッフに対して、挨拶とトレーニングをしたいということで都内の会場にスタッフたちが集まった。

実は、ピーターはその数年前にも日本でセミナーをしていて、僕はそのセミナーの参加者の一人だったのよ。

彼の持つ知見、アイデア、パフォーマンス、エネルギー その全てが最高に素晴らしく、そしてカッコよかったんだ。

そんな彼が、今回、僕たちスタッフにトレーニングをしてくれるという。

これは、すごく嬉しかったね~

都内の会場にスタッフが集まり、しばらくしてピーターが到着。

まずは、スタッフへの労いと感謝を述べ、いよいよトレーニングへ。

といっても、スタッフの質問にピーターが答えるだけだったりするんだけど、流石、世界トップスピーカー、それだけでも十分にトレーニングになるのよ。

で、まずはピーターが僕たちスタッフにこんな質問をした。

『みんなは、なぜスタッフをしようと思ったのですか?』

この答えを僕は持っていなかったけど、とりあえずピーターと話す機会が欲しいと思い、挙手。

そして、僕が当てられ、思いつくままに質問に答えていった。

『僕は、音響担当です。 音楽によって参加者の後押しをし、新たな人生の一歩を踏み出す勇気をもって帰ってもらいたい。』

確か僕は、そんな風に答えたんだ。

すると、ピーターからこんな言葉が返ってきた。

『なるほど、他人に貢献することは素晴らしいことだね。でも、他人に貢献することによって、自分にどんな貢献をしているんだい?』

僕は混乱した。

だって、貢献って他人にするものだと思っていたから……

でもピーターは、『自分への貢献』について問うてる。

自分への貢献。

僕のそれまでそんなことを考えたことが無かった。

自分への貢献というものが、さっぱりわからなかったからだ。

でもなんとか答えなければその場は終わらないと思って、僕は何かを答えた。

何て答えたのかさっぱり覚えていない。

頭の中をずっと『自分自身への貢献』がグルグル周り、それから何が起きたのかさっぱり覚えていないんだ。

気づいたら、僕の質問タイムは終了。

その後のトレーニングも『自分自身への貢献』が頭から離れなくて集中力が散漫。

気がついたら、スタッフトレーニングは終了し、ピーターは部屋を出ていった。

自分自身への貢献。

それからずっと、このことばかり考えていた。

自分自身への貢献って何だろう?

なかなか答えは出なかった。

そもそも貢献って何?

そもそもの貢献自体が何なのかが分からなかったので、貢献から考えてみた。

分からなかった。

貢献とは何ぞや?

毎日、そんなことを考えて、

毎日考えて

毎日考えて

毎日考えていたら

ある時、こんな答えが降ってきた。

貢献とは、無条件の愛を示すことである!

身体に衝撃が走った!!

貢献とは、無条件の愛を示すことである!

これ以上の答えが無いように感じた。

すると『自分自身に貢献する』の答えもすぐに出た。

自分自身に無条件の愛を示すこと

あの時ピーターが言いたかったのは、

「まずは自分自身に無条件の愛を示しなさい」

ってことなんだ。

自分自身をすっ飛ばして、他人に無条件の愛を示す。

これをしてしまうと、自己犠牲になりかねないし、見返りを求めたりしてしまうんだよね。

じゃぁ、それが本当に愛に基づいた行為なのかというとそうではないし、例え愛だとしてもそれは条件付きの愛。

つまるところ、自分に無条件の愛を示せない人は、他人にも無条件の愛を示せない。

自分に貢献できない人は、本当の意味で他人に貢献できない。

だからピーターは、

他人への貢献が自分への貢献になってるのか?

って聞いてきたんだよね。

自分自身に貢献する。

それから僕の人生は、大きく変わっていった。

それからというもの、僕は何か迷ったときには

それは自分自身に無条件の愛を示すことになっているのか?

を確認するようになった。

自転車で日本一周するときもそうだ。

やりたい気持ちはあるものの、お金のこととか仕事のこととか、色々な不安が頭をよぎった。

でも、本当にやりたいかどうかを自問したところ、「やりたい!」 って言葉が自分の内側から湧いてきたので、日本一周を実践した。

昨年から僕はお金を稼ぐことをやめ、セミナーやコンサルティングを無料にした。

これも自分自身に無条件の愛を示した結果だ。

結局のところ、無条件の愛を示す行為というのは、自分の心とお金を天秤にかけず、本当にやりたいことをやることなんだと感じている。

大抵の場合、何かやりたいことがあってもお金がない、時間がない、自信がないなどという言い訳をして先延ばしにしたり、諦めたりするんだよね。

本当はやりたいことをやる。

そうして自分を満たせるからこそ、他人をも満たすことができるんだと思うんだ。

今僕は、『全ての人が本当にやりたいことをやれる世界』を実現させる活動をしているけど、ピーターとの出会い、ピーターとの会話が無かったら、こんなビジョンを目指すこともなかったろう。

好きなことをやって、好きな友人に囲まれて、僕の好きな旅もセミナーも思いっきりできて、毎日が楽しい。

そんな生き方ができるようになったのも、ピーターとの会話があったから。

あの時に、

「君は、自分自身にどんな貢献をしているんだい?」

という質問が無かったら……と思うと、恐ろしくてしかたない。

それだけ、僕の人生を大きく変えた会話だった。

これからも僕は、自分自身に貢献して生きていこうと思う。

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Hideomi Kurosaki
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I was born and live in Japan. I write about money, psychology and spirituality.