高等遊民になりてえ。

sakuraneko
日本語で読む
Published in
3 min readMay 19, 2020

強制されることなく,自分の思うがままに本を開いて一日中本を読み耽る.これ以上に幸せなことはあるだろうか?

Image by Pexels from Pixabay

いや,ない.

ここで大事なポイントが一つある.それは明日を考えないでいいことだ.

例えば日曜なら月曜日を考えて,「あー明日は働かなくちゃ。」と憂鬱になる恐れがあるが,高等遊民になれればそんなことを気にしなくてよい.

むしろ気にする方が難しいくらいだ.

コロナのせいで「エセ」高等遊民になっていた私だが,そろそろその肩書を返上する時が来たようだ.

全く困ったウイルスである.

私は,強制されることが好きではなく,される程他に雑念が生まれてしまう.自粛期間前に様々な抑圧をされていたせいもあり,自粛期間には沢山の学び欲が溢れかえっていた.

例えば裁縫.専門がら,普段から機械や金属ばかり扱っている私だが,この度何を思ったのかミシンの扱い方を一から学んで帽子作りを行った.

部屋の壁だけ見ながら作るのも退屈なので,Youtubeで「世界の自然」の動画や世界中の名所の紹介動画を適当に流しながら作業をした.

気分はハウルの動く城に出てくるソフィである.

まあ,残念ながら荒れ地の魔女がいらっしゃる前に,帽子は完成したのだが.

気ままに今までの分野外のことを学ぶことは良い.違う自分になれる気がして,そして少しずつ自分を構成する,メモリや遺伝子やプログラムが書き換わっていることが実感できる.

そしてある時は,デスクトップPCの組み立てを一から取り組んだ.たまたま壊れたPCを友人に譲ってもらえたのだ.

そして,こちらも全くの専門外.しかし気分はアイアンマン.気ままに部品や,電子回路や構成パーツを勉強しつつ,高速でばりばり動くPCを完成できた.

次はなにしよう.何を勉強しよう.

やりたいことが沢山だ.

しかしきっとやれと言われると,この気持ちも薄れるのだろう.

そんなものだ.仕事も,勉強もそんなものなのだ.

でも,やらねば.やらねば生活できない.将来が大変…わかっているとも.

だから.分かっているから.ちゃんと戻るから.

世間よ,もう少しだけ高等遊民でいさせてくれないだろうか.

--

--