オレンジ
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1 min readNov 21, 2019
白いカーテンが揺れる。
陶器のミルクポッドとバスケットが置かれた
木製のダイニングテーブル。
窓からは大きな木が見えて、
葉っぱと青空が絵の具のようだ。
白い薄手の服を着た髪の長い背の高い女性が、
私の目の前に置かれたゾンビグラスに
オレンジジュースを注ぐ。
この世に生を受けて4年目から
ずっと記憶されてる光景。
そこに行ったことがあるのか。
それともそれは、夢なのか。
はたまた私の部屋なのか。
ずっとずっと、分からない。
それでも私はその光景を、
なぜか忘れることが出来ない。
それは不定期に。
ことあるごとに。
頭の中でハッキリと再生される映像。
眩しい光の交差する朝に
オレンジを絞ってくれた。
あの横顔は、誰なのか。