極上の模倣品 — 『イミテーション・ゲーム』

業界の片隅で禄を食む身としては、アラン・チューリングが主人公では見るしかありません。
高度情報社会の礎に極めて多大な貢献を果たしたチューリングの姿が生き生きと描きだされ、それだけでも価値のある作品ですが、出てくる役者がまたみな軒並み達者で眼福とはまさにこのこと。飛行機や潜水艦の中途半端なカットがかえって気になるくらい。時系列をシャッフルした構成も巧みで、かつ学者の戦争へのかかわりかたへの問いかけや当時の女性の社会的地位の問題なども射程に収め、深みのある作品に仕上がっています。機会がありましたらぜひご覧いただきますように。
もちろん映画的な誇張は含まれるので、そのまま鵜呑みにはしてはいけません。たとえば暗号解読器はあんなにおおきくはありませんでした。あとキーラ・ナイトレイの美貌を期待する方にはは別の作品をおすすめします。なにしろ時代が時代なので絵面が地味で……