Microsoft Flow を使って Outlook.com カレンダーと Google カレンダーを同期する
Google アシスタントや Google Home で Outlook.com カレンダーを使いたいときに…
普通に Google カレンダーを使えばいいものを、自分は予定管理には Outlook.com カレンダーを使っています。Windows マシンで使うには便利ですし。
Windows Phone が終わってしまった今、スマートフォンは Android を使うしかないわけですが、Android で Outlook.com カレンダーをどうやって使うかが問題です。
というのも予定の確認ということだけなら Outlook アプリを使えばいいわけですが、せっかく Android を使っているので「OK,Google 今日の予定は？」とかやってみたくなるわけです。しかし、 Outlook アプリで同期した予定は Google のカレンダーアプリには表示されず、「予定はありません」と言われてしまいます。Exchange ActiveSync で同期すると Google のカレンダーアプリには表示されるようになりますが、やはり Google アシスタントは「予定はない」とむげに答えてくるばかりです。アシスタントに登録してもらった予定ももちろん Outlook.com カレンダーでは見ることができません。
要するに Google アシスタントでカレンダーを使うなら Google カレンダーを使うしか道がなさそうです。なら素直に Google カレンダーに乗り換えればいいのですが、素直でないので Outlook.com カレンダーから移行するつもりがないのです。そこで、同期できればよさそうと考えて IFTTT なども調べてみましたが、どうも難しそうです。
いろいろインターネットの海を調べていたら以下の記事を発見。
そういえば Microsoft Flow ありますね。これを使うと双方向同期ができるようです。そこでこの記事にある Microsoft Flow を使って双方向同期の設定をしてみました。
マイクロソフトアカウントがあれば Microsoft Flow は使えます。Outlook.com カレンダーの同期を行おうと思っているわけですからここは問題ないでしょう。早速 Microsoft Flow にアクセスします。
かなり地味めなページで、ビジネス推しのうたい文句が並んでいて、IFTTT にくらべいきなり敷居を上げてきています。
とはいっても上記の記事にあることをただ設定してみよう、ということろなので、ひるまず進めます。
フローを作る
双方向同期のテンプレート（IFTTT でいうところの「レシピ」を Microsoft Flow では「テンプレート」と呼んでいる）が用意されているとのことなので、そのテンプレートを探します。
“outlook google” で検索すると「作成者: Microsoft」のテンプレート
- Outlook.com カレンダーから Google カレンダーへのイベント同期
- Google カレンダーから Outlook.com カレンダーへのイベント同期
が検索結果として出てきます。この2つのテンプレートを使って相互に同期するようにします。
“Outlook.com カレンダーから Google カレンダーへのイベント同期” を設定する
“Outlook.com カレンダーから Google カレンダーへのイベント同期” をクリック。
Google カレンダーと Outlook.com にサインインします。
まずは Google カレンダーにサインイン。つづいて Outlook.com にサインインします。ついで「続行」ボタンで継続します。
同期する“Outlook.com 予定表”、”Google カレンダー カレンダーID”を選択して「Create Flow」を押下します。ここでは「Calendar」「個人カレンダー」を選択しています。
これでOutlook.comからGoogleカレンダーへのイベント同期のフローができました。
“Google カレンダーから Outlook.com カレンダーへのイベント同期” を設定する
テンプレートから再度検索して、今度は“Google カレンダーから Outlook.com カレンダーへのイベント同期” をクリック。
“Outlook.com カレンダーから Google カレンダーへのイベント同期” のときと同じカレンダーを選択して「Create Flow」押下でフローができます。
上部で「マイ フロー」をクリックすると作ったフローが確認できます。
テストしてみる
ここで鉛筆アイコンクリックしてフローの編集画面に飛ぶとテストができます。
鉛筆アイコンをクリックして編集画面へ。
フラスコアイコンの「テスト」をクリックすると即座にフローが実行されてテストすることができます。
Google カレンダー → Outlook.com カレンダーの同期をテスト
ということで Google カレンダーにイベントを追加してテストしてみます。
場所と説明も追加してみます。これでフラスコアイコンクリックします。
「トリガー アクションを実行する」を選択して「テスト」ボタンクリック。
左上に正常に実行されたメッセージが表示されます。
ということで、Outlook.com カレンダーを確認してみます。
予定の詳細も確認してみます。
場所も説明も同期されています。
ただ、説明のところになにかコメントが追加されています。
これを指標にしてこのイベントが Outlook.com から Googleカレンダーへ逆に同期されないようになっているようです。なので、このスケジュールを Outlook.com で編集しても同期されません。
Outlook.com カレンダー→ Google カレンダーの同期をテスト
逆に Outlook.com カレンダーの予定が同期されるかテストしてみます。
説明に装飾と画像を貼ってみました。
Google → Outlook.com のときとおなじく、フローの編集画面からフラスコアイコンの「テスト」でテストします。
同期されています。
さすがに文字装飾と画像は同期されませんね。
Google カレンダーからの同期と同じく説明に同期したことを示す内容が追加されています。
やはりこのコメントにより Outlook.com カレンダーから同期されていることを判定してこの予定を Google カレンダーから同期することがないようになっているようです。Google カレンダー→ Outlook.com カレンダーと同様に Google カレンダーで編集しても Outlook.com カレンダーへは同期されません。
無事双方向同期ができるようになりました。
双方向同期とはいえ…
これで双方向同期ができるようになりました。実用になりそうです。
ただ、制限事項があります。
- Google カレンダーで作った予定は Google カレンダーで、Outlook.com カレンダーで作った予定は Outlook.com カレンダーで編集する必要がある。
- 登録・編集したイベントにより同期されるのでこのフローを作った時点で登録済みの予定は同期されない。
まあでもハードにカレンダーを使っている人でもない限り、基本的に使うカレンダーをどちらかに寄せていればどうにかなりそうです。
また、 Microsoft Flow はもちろんイベント発生と同時にフローが実行されるわけではなく、また、フローは無限の回数を実行できるわけではないようです。
- マイクロソフトアカウントによる無償版:
チェック15分間隔・750回/月 実行可能 - Microsoft Flow for Office 365 の Free プラン:
チェック5分間隔・2,000回/月 実行可能 - Microsoft Flow for Office 365 の プラン 1 (USD $5.00/月):
チェック3分間隔・4,500回/月 実行可能 - Microsoft Flow for Office 365 の プラン 2 (USD $15.00/月):
チェック1分間隔・15,000回/月 実行可能
各プランこのほかに作成可能フロー数が違ったり、有償プランでないと使えないコネクタ（対応サービス）があったりの違いがあります。
カレンダーの同期ぐらいなら無償版で問題なさそうですね。自分は Office 365 を契約しているので、せっかくなので近いうちに Office 365 のアカウントでフローを直そうと思っています。
これで「OK,Google」で予定を教えてもらったり登録したりできるようになりました。（Google アシスタントで使えることは確認しましたが、Google Home では実は確認してないです…持っていないので…。）
ところで、Google アシスタント、そんなに使うだろうか…。
