Surface Go (と自分)に最適なモバイルバッテリーを選ぶ
Surface Go のための USB PD 出力対応のモバイルバッテリーを検討してみた
手持ちのモバイルバッテリーで USB-C ハブ( TUNEWEAR ALMIGHTY DOCK CM2 )経由で給電しながら Surface Go を使用すると、動作クロックが 0.5GHz 以下に落ちてしまって使い物にならなくなってしまうことが分かったので、USB-C ハブをつなげながら給電しても動作クロックが落ちない Surface Go のためのモバイルバッテリーを選んで買うことにしました。
※このエントリーのあと、2019年秋時点で 10000mAh クラスのモバイルバッテリーを調べたエントリーをアップしています。2019年秋時点の最新の状況はこちらをご覧ください。
購入候補の必要条件
選ぶモバイルバッテリーの条件は以下のように設定しました。
- USB PD 出力対応(必須)
- 2ポート出力
- 10000mAh程度の容量
- アルミ外装はできれば選択したくない
USB PD 出力対応
前回の検証結果から、おそらく USB PD 対応なら USB ハブ( TUNEWEAR ALMIGHTY DOCK CM2、以下 CM2 )経由で給電しながらでも動作クロックが落ちないだろうと予想されるので、これは外せない条件になります。
2ポート出力
これまで使っていたソニーの 7000mAh モバイルバッテリーが2ポート出力でこれが便利だったので、是非とも2ポート出力は欲しいところです。
10000mAh程度の容量
これまで使っていたソニーのモバイルバッテリーが7000mAhの容量でした。どうせ買うならもうちょっと容量が大きいものがよいかな、と思っていたところ、Engadget Japanese に Surface Go のバッテリー容量の記事がありました。Surface Go のバッテリー容量は 3411mAh とのこと。
バッテリーは2つのセルに分かれており、容量は26.12Wh(3411mAh)。Surface Proが45Wh(5940mAh)、9.7インチのiPad(2018)でも32.9Wh(8827mAh)なのでかなり容量が少ないことがわかります。
ということは、約2倍の 7000mAh 程度の容量のモバイルバッテリーなら Surface Go を1回満充電できる計算になるはず。10000mAh 程度の容量なら1回満充電 + α ぐらいの容量になるので、Surface Go にはちょうどよい容量なのではないでしょうか。
※ここでは上記のような計算で 1000mAh で Surface Go を1回満充電 + α ぐらいの容量ではないか、としましたが、このエントリーのあと 2020年1月にモバイルバッテリー・Surface Go ともに1年程度利用したものを使って実際に充電してみて検証をしたエントリーを上げたので、こちらもご覧ください。
アルミ外装はできれば選択したくない
これまで使っていたソニーのモバイルバッテリーの外装がアルミだったのですが、アルミ外装は一緒に持ち歩いているものを傷つけそうで、カバンにポンと入れるという扱いするのができなかったので、買うならアルミ外装でないものを選択したいと考えました。
購入候補を探す
購入候補の必要条件を整理したところで、マッチした候補を探します。
Anker
モバイルバッテリーといえば Anker。というわけで Anker のモバイルバッテリーから条件に合うものを探してみました。
Anker を探せば適したものがあるだろうと思ったら意外とありません。10000mAh 程度で USB PD 対応だとこの 13400mAh の Nintendo Switch Edition ぐらいしかありません。Nintendo Switch Edition だからか、価格も微妙に高い気もします。
10000mAh にこだわらずに調べると 20000mAh 程度のものは USB PD 対応のものが出てきます。
でも、個人的には 20000mAh までいらないんですよね。Surface Go の携帯性をスポイルしてしまう気もします。
cheero
思いのほか Anker で適当なものが見つからなかったので、これまたモバイルバッテリーといえば cheero ということで、探してみました。
ところが cheero も USB PD 対応モバイルバッテリーは選択肢がなく、このPower Plus 4 13400mAh の1種類のみでした。自分が購入検討してた時期のあとに、この Power Plus 4 の ダンボーバージョン ともいうべき製品が出たようです。スペック的には 5g 軽い以外は寸法含めてまったく同じ。価格は Power Plus 4 13400mAh より高い…。
AUKEY
Anker、cheero と調べてみたものの、なにかこうしっくりこなかったので、さらに調べてみると AUKEY でなかなかよさそうなものがありました。
薄型で携帯性もなかなかよさそうです。また、USB PD のほかに Quick Charge 3.0 にも対応ということで、スマホの充電に威力を発揮するように思います。またモバイルバッテリーへの充電(入力)は USB-C ポートによる USB PD での入力に加えて microUSB での入力も可能と、なかなか多彩です。
ただどうなんでしょう、AUKEYというメーカー、名前はちょこちょこ聞いたことありますが、あんまり知らないんですよね…。信頼できるもんなんでしょうか…モノがモバイルバッテリーなだけに気になります。
RAVPower
RAVPower も探してみましたが、USB PD 対応は 20000mAh 以上しかなく、10000mAh 台は USB PD 対応はなく…。ということで今回はノーエントリーです。
比較してみる
Anker, cheero, AUKEY ぞれぞれの10000mAh 台の製品を比較してみます。
だいたい同じような性能であまり違いはないのですが、それぞれの特徴は…
Anker PowerCore 13400 Nintendo Switch Edition
- ◎ 定番メーカーで信頼度が高い。
- ◎ Power Delivery で他より少し高出力が可能。
- ◎ Power Deliverty で他よりも少し高い入力が可能。
- × Type-A ポートの出力が他よりも低出力
- × 値段が他より高い。
Power Delivery が入出力ともに性能が高いのが特徴です。Type-A ポートが若干低出力ですが、高出力対応していたとしても 2 ポート同時利用した場合には最大出力はできないでしょうから、マイナスポイントというほどでもないでしょう。Anker なので信頼性も問題なし。
cheero Power Plus 4 13400mAh
- ◎ 定番メーカーで信頼度が高い。
- 平均的な値。バランスがよい。
バランスのよいスペックで、低価格。cheero なので信頼性も充分。特別こだわりがなければ一番よい選択かもしれません。
AUKEY PB-Y13
- ◎ Quick Charge 3.0 に対応した type-A ポートあり。
- ◎ QC 3.0 非対応 type-A ポートも比較的高出力。
- ◎ USB-C だけではなく microUSB による入力で本体充電も可能。
- ◎ 薄型。
- × 他よりも 3400mAh 低容量。
- × 信頼できるメーカーなのかどうかがよくわからない…。
Quick Charge 3.0 に対応した Type-A ポートが特徴です。また、ほかの2つと違い薄型です。ただ、その薄型ゆえにか 3400mAh ほど低容量がマイナスポイントです。また、 AUKEY の信頼性をどう見るかによりマイナスポイントになるところです。
それぞれの製品の選択のポイント
- 信頼性の定評を優先…Anker・cheero
- 多少高くてもPDの性能が高いものがよい…Anker
- 信頼性の定評を差し置いてQuick Charge対応がいい…AUKEY
- 薄型が欲しい…AUKEY
- PD 対応以外に特別こだわりはない…cheero
といったところでしょうか。
AUKEY の信頼性をどうみるかでだいぶ変わるように思います。AUKEY に抵抗感なければ一番機能豊富でよいように思いますが、誰にでもお勧めできるのかというとどうかなというところです。一般的には cheero が一番よさそうです。
結局なにを買ったのか
ひとしきり比較検討が済んだところで結局何を買ったかですが、最終的に AUKEY PB-Y13 を購入しました。
購入の決め手 1:薄型
これまで使っていたソニーのモバイルバッテリー CP-F2L が薄型で重宝していました。カバンの内ポケットなどへの収納性が高く、収納したときに膨らまないのは重宝していました。AUKEY PB-Y13 は同じく薄型なのがいいですね。今回の候補の中では薄型は AUKEY のみです。
さらに CP-F2L はアルミ外装でしたが AUKEY PB-Y13 は樹脂外装なので、一緒に収納しているものを傷つけにくいはずなので、さらに収納性が高そうです。
購入の決め手 2:Quick Charge 3.0 対応
探していると、モバイルバッテリーにしろUSB 充電器にしろ、USB Power Delivery と Quick Charge と両対応というものはほとんどないんですよね。これは必須の条件ではないんですが、Android スマートフォンは現状はだいたい Quick Charge 対応だと思うので、スマートフォンとの使いまわしのことを考えるとよいなと判断しました。
が…自分が使っている AQUOS R compact のスペックを今調べたら、 Quick Charge 3.0 と USB Power Delivery の両対応でした…。
マイナスポイントの検討 1:容量
Anker, cheero と比べて 3400mAh ほど少ない容量ですが、もともと欲しかった容量 10000mAh はクリアしています。Surface Go とスマートフォン(AQUOS R compact)のバッテリー容量は…
- Surface Go … 3411mAh
- AQUOS R compact … 2400mAh
- 合計 … 5811mAh
Surface Go とスマートフォンの両方を空から満充電させようとした場合、 10000mAh は 5811mAh の2倍はないので、もしかしたらちょっと容量が足りないかもしれませんが、両方空から満充電しなくていけないシーンも少ないでしょうから、まあいいでしょう。
マイナスポイントの検討 2:AUKEYの信頼度
購入後においてもなんだかもやもやするのがこの点です。どうなんでしょう。自分は「AUKEY って大丈夫なの?」という気持ちより「薄型が欲しい」という気持ちが勝ってしまったので、もやもやしたまま結局 AUKEY を購入しました。
USB-C ハブ経由給電での動作クロック低下は起きないか
さて、重要なのは Surface Go + USB-C ハブ(TUNEWEAR ALMIGHTY DOCK CM2) にモバイルバッテリーで給電したときに Surface Go で動作クロックが落ちてしまうことが起きないかどうかいないか、です。
Surface Go + USB-C ハブ(CM2) に AUKEY PB-Y13 で給電したところ、Surface Go の動作クロックは落ちてしまうことはなく、問題なく充電可能でした。
ただ、Surface Go につなげた CM2 に
- HDMI出力
- USB機器(Web カメラ)
で使用していると、入力が足りずに本体バッテリー残量がすこーしずつ、徐々に減っているような気が…。PB-Y13 の PD は 5V-3A, 9V-2A, 12V-1.5A の最大 18W ですが、上記接続状況だと最大 18W だと使用しながらの充電には微妙に足りないということがあるのかもしれません。
いろいろ探してみましたが、PD 対応モバイルバッテリーは 20000mAh クラスのものばかりで 10000mAh クラスのものは出始めたばかりという印象。USB-C もだいぶ普及してきた印象があったので、モバイルバッテリーも対応した製品もかなり多くなっているものだと想像していたのですが、まだまだこれから、という状況なのが意外でした。
モバイルバッテリーは本体充電に時間がかかりますから、出力もさることながら入力が PD に対応すると本体充電時間がかなり短縮され利便性が高くなるというのが実感。もっと PD 対応製品がでてくれると助かりますね。