ボクはいわゆる道楽者なんだと思う。
中高生の時代には聴き道楽。とにかく洋楽のアルバムを貪るように聴きまくった。
大学に入ると着道楽。すでに高校時代からDCブランドブームが始まっており、上京して一人暮らしするようになると今となっては信じられないエンゲル係数の低さで服を買いまくった。
社会人ともなると今度は読み道楽である。読書は物心ついた頃から身近なものだったが、社会人になり可処分所得が増えてくると、毎日のように本屋を徘徊し、本が囁いてくるのを聞き分けながら積読三昧。
一時は天井近くまで積み上がった積読タワーが崩壊して、あわや圧死するかという事態を招いたこともある。
そんな道楽者も、生涯のパートナーを得ると一気に可処分所得が剥奪されお小遣いを貰いながら、つまらない男に成り下がることになる。
原資の自由がないということは好きなものが買えないということである。すなわち道楽も限りあるものになってしまうのだ。
そんな生活を10年近く送っていたものだから、お小遣いの範疇を超える原資を前にするとパニックになるのである。
青天の霹靂で、来月思いもよらないお小遣いが降って湧いたのである。
勤続何周年とかで会社から謝礼が贈られてくるのだ。
当然のことながら、ボクはそのまま着服しようなんて気はさらさらないほど長年の結婚生活でうちの相方さんにスポイルされているので、
♂『来月勤続記念で○○万くらい入るらしいよ。』とうちの相方さんに報告する。
するとうちの相方さんが、
♀『よかったねぇ〜いままで頑張ってきた謝礼だから全部使っていいよ』と………。
………人間想定外の反応を前にすると思考が止まるものである。
止まった後に冷静に振り返るとパニックを起こすのだ。
これはどうしたものかと。普段お小遣いでは買えずにスルーしていたものを買うしかあるまい!
物欲にまみれて生まれ落ちたボクとしては、なにがしか買わずには言われないのである。
ボクはいったいいまはなに道楽なのであろうか?Apple製品は一通りまだ問題なく動いているんで買い換えるほどではない。
高級文房具もいまや手書きよりもデジタルでほとんどまかなってしまっているので使う出番がない。
いま、ボクが一番ハァ〜ハァ〜しているのはカメラ道楽である。しかし、これも年末のボーナスで一通りオリンパスのPEN-Fでシステムを揃えたばかりである。
でも、ミラーレス一眼レフならではのレンズを買い揃えるという選択肢はある。
また、最近周囲で話題のFuji FilmのX100Fもかなり気になる存在なのだ。いわゆる高級コンデジの類ではリコーのGR2やライカのD-LUX TYP109を持ち合わせてはいるものの、PEN-F同様のクラシカルな佇まいは道楽者の琴線がそそられるのだ。
はたまた、カメラ道楽の行く先はフィルムカメラだと勝手に思っているが、先々のランニングコストを考慮するとなかなか踏み出せないものがあるが、チェキというのは間を埋める一つの選択肢だと思っている。その点、ライカのゾフォートは所有欲も満たせてくれるガジェットに他ならない。
どれもこれも帯に短し襷に長しな点があり、決めきらずにハァ〜ハァ〜ここに極まれりなボクは、過呼吸になる寸前にまで追い込まれ、ここらで物欲を軽く満たして鎮静化させようかという策に出ることにした。
そんなボクが一時しのぎにポチったのがこのオリンパスのレンズのようだかレンズではないアクセサリー扱いという謎のボディキャップレンズ、BCL1580である。
ほぼPEN-Fについていたボディキャップと変わらない厚み。だけどレンズがついているのだ。
これをPEN-Fに装着するとレンズの出っ張りもなくなり、見た目コンデジになってしまう。しかも、このサイズ感実は購入候補に挙げているX100Fよりも若干コンパクトなのである(笑)
値段相応なんでAFなんてなく、MF撮影オンリーではあるが無限域からパンフォーカス、30mm程度までは接写可能なおもちゃとは言えない出来具合なのだ。
ちとピンと合ってない面はございますが…(^^;)ハハハ。この程度には写るのである。昔の写るんです程度にはつかえそうなシロモノ。
しばらくはこれで遊んで、なに買うか冷静に判断しようと思う今日この頃なのだ。