業務プロセスを効率化する「俯瞰した視点」はどうやって身に付くのか?

山田裕嗣 / Yuji Yamada
組織のカタチ
Published in
4 min readJul 9, 2018

こんなTweetしてから、タスクや業務プロセスの「効率化」について、アレコレ考えを巡らせていました。

実際に起きていたことで言えば、自分が会社の税務/労務/法務/契約/etcの書類と格闘していた、っていうだけなんですが(笑)、「これってどうすればもっと効率的に出来るんだろう?」と思いながら、どこまでの範囲を想定するかは人によって違うな、と思いました。

「非属人的」で「汎用的」なものを目指そうとする

ざっくりと図解してみると、たぶんこんな内容になります。この図で言えば、どのマスから「個別」で「属人的」な目の前の作業を見ているか?っていうのが違います。

例えば、顧客に毎月提出するレポートがあったとします。(KPIのレポートとかプロジェクト進捗とか、定型フォーマットがあるようなイメージ)

・書類に書く内容をメモっておいて今度また再利用しよう(=①の視点)
・この業務を引き継ぐ前提で、全ての手順を書き出しておこう(=②の視点)
・必要情報入れれば出力されるマクロをexcelで組んでおこう(=③の視点)
・そもそもレポートじゃない形で顧客に伝えられないのか?(=④の視点)

といった具合に、将来的にどこまで効率化が出来るのか、その「伸び代」みたいなものは大きく変わってきます。

視点を上げる能力は鍛えられる

感覚的に言えば、この「視点」は経験を積むに連れて、①→②→③→④と上がっていきます。よっぽどの天才とかではない限り、たぶんあまり例外はありません。

具体的な実務が「手触り」や「実感値」を持って理解できてきた上で、初めて、前後工程まで含めて効率化する(=①の視点)とか、要点を抑えて他の人に引き継げる(=②の視点)ようになります。

逆に、こういった「業務プロセスに関する視点を上げる」ことは、経験さえ積めば、かなりの程度は経験によって習得できるものだとも言えます。
もちろん、上達の速さや到達できる視野の広さについて、個人差はあります。それでも、適切な経験さえできれば、一定レベルまでは着実に上がりやすい類のスキルの一つです。

また、作業の中身は違っても、こういった「視点を上げて考えるプロセス」は、かなり応用が効くものでもあります。
先ほどの「顧客に毎月提出するレポート」について、レポートをなくそう(=④の視点)まで進めた経験があれば、同じプロセスを社内の「月次報告書」「日報」に転用する、というのは、そこまで難しくありません。

「一つ上の視点」への挑戦を意図的にデザインする

目の前の業務プロセスを完了させる、という目的だけで言えば、こういうチャレンジは「ノイズ」や「不確定要素」でしかありません。
ただ、組織の免疫力・抵抗力を高めるかのように、組織全体としての「効率化する能力」、言い換えれば「現状を改善する能力」というのは、メンバーそれぞれが「一つ上の視点」にどれだけ取り組む機会があるか?によって大きな違いがでていきます。

Originally published at EnFlow / 組織デザイン.

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山田裕嗣 / Yuji Yamada
組織のカタチ

HR系のコンサル、大手ITのHRを経て、ITベンチャーの経営に参画。 2017年12月にEnFlow株式会社を設立。Teal/ホラクラシー/自然経営など、新しい時代の組織への変容を支援。 https://en-flow.com/