良い組織を作るための「2つの関係性」

会社の人数が増え、チームがおのおの自走するようになってくると、「全員が全体を分かっている」状態からどんどん遠くなるのは避けられません。だからこそ、今のサイカにおいても良い組織作りがとても重要なテーマになっています。

良い組織を作るうえで、2つの意味での「関係性の質」を取り扱う必要があると考えています。それは仕事をスムーズに進める効果的・効率的な【仕事の連携】個人的な【人と人のつながり】の2つです。


「関係性の質」の2つの側面

そもそも「関係性の質」とは、「成功循環モデル」というMITの教授が提唱したモデルに基づいています。

「関係の質」が「思考の質」に影響し、「思考の質」が「行動の質」に影響し、「行動の質」が「結果の質」に影響し、そして「結果の質」がまた「関係の質」に影響するという循環が起きていく。こういった好循環を生み出していこうというのが、組織変革の目的の一つとして捉えてもよいと思う。

human value社webサイトより転載

体感的にもこの循環はとてもしっくり来ています。少し特殊な例ですが、XICA-Academyという講座の学びのコンセプトにもなっています。講座が進むにつれて、「参加者同士の関係性の質が良くなる」→「より深い対話・内省につながる」→「それがさらにより深い関係性を生む」という循環を目にすることができます。

そして、XICA-Academyのような非日常とは違い、企業として良い組織を作っていくには、先ほど上げた【仕事の連携】【人と人のつながり】の2つの関係性が絡み合いながら醸成されていくのだと思います。

最近の研究成果などで言うと、googleの行った研究プロジェクトによれば、生産性の高いチームに共通する唯一の要因は「心理的な安心感」だという結果が出ています。

そして、そこから浮かび上がってきたのは「他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」といったメンタルな要素の重要性だった。つまり成功するグループ(チーム)では、これらの点が非常に上手くいっているというのだ。

またペンタゴンで日本人として初めて働いた女性も、一国の大臣クラスでも「互いの理解を深めること」が大切にされると言われています。

ビジネスでも変わらないと思いますが、大臣級同士の協議などでは自分のカウンターパート(自分の立場に対応する相手方の人)と仲良くなることも重要です。アーミテージさんを見ていて、「同じ国防というフィールドで働いている”同僚”なんだ」という意識があるんだと思いました。各国の要人同士がオフィシャルな関係だからと仕事の話だけするのではなく家族や趣味の話などをするのは、共通の話題を通してお互いを理解しあうためなのではないでしょうか。

「チームワークをよくしよう」とか「生産性をあげよう」というときに【仕事の連携】というのは定量化しやすく、パターンに落としやすく、短期的な成果が予測しやすいため、着手されやすい傾向にあります。ただ、この2つの事例でも、いずれも【人と人のつながり】という一見すると生産性や成果から遠そうなものに焦点が当てられています。


どっちも永遠に「未完成」

この切り分けで考えると、組織が作られるのは【仕事の連携】が先に進み、それを通じて【人と人のつながり】が深まり、それがさらに【仕事の連携】にプラスのフィードバックを与える、という循環を生み出すのだと思います。サイカの4年間も大きな流れではこの通りに変遷してきました。(ちなみにXICA-Academyの中では、Doing(≒やり方)とBeing(≒在り方)という言い方をしています)

ただ、どちらも「ここまで行けば十分な水準」というものはなく、事業の競争環境、競争優位の作り方、組織の規模、組織のそれまでの歴史、など様々な変数を踏まえながら、常に両方の側面から改善をし続ける、というのが必要になるのだと思います。