「人の個性」が希少資源になる時代の戦略の考え方

山田裕嗣 / Yuji Yamada
組織のカタチ
Published in
2 min readAug 30, 2017

「戦略」という言葉の定義はとても沢山ありますが、ざっくりとした中ではこの記事にある

特定の組織が、何らかの目的を達成するために、外部環境分析と内部環境分析からつくり出した道筋

というのが汎用性とカバー範囲が広いです。(ただし戦略ではなく経営戦略の定義)

与えられた「環境」の中で「目的達成」のための「シナリオ」を持つこと。ここで言う目的が、事業の目的と組織の目的のどっちであってもこの定義は成り立ちます。

事業戦略と組織戦略はどっちから決めていくのか

これまでの企業経営においては、「事業を継続・拡大させるために組織がある」という捉え方のもと、「事業の戦略→組織の戦略」という順番で決められていくことが普通でした。古典的な戦略論なども基本的には「事業を成り立たせるための人的資源の活用」として扱われてきています。

一方で、「組織の戦略→事業の戦略」というのもレアケースですが存在してきました。組織づくりについて、自分なりの独自の世界観を持っており、それを実現するための手段として事業を選択する場合。(又聞きでしかないですがCRAZYさんとかはまさにそうだと聞いたことがある)

似ていてるけどこれに該当しないのは、「起業するメンバーが集まる」のが最初で、そこから「自分たちで出来ることをやってたら事業ができた」ようなパターン。この場合は人ありきの起業ではあっても、組織に戦略があるとは少し違いがあります。

組織戦略の重要性が増していく

これまでは事業戦略を決める→それを実現するための組織戦略を描く、という順番でした。それは、一定程度の未来まで安定して見通すことができ、それを踏まえて立てられた計画を遂行することが最も合理的な成長シナリオだ、ということによって成り立っていました。

今後、確実に起きることはますますコモディティ化し、見通せないこと、非連続なこと、人の判断が必要なこと、が益々重要になっていきます。そこで求められるのは、そういった「人の個性」を活かせる組織状態を作っておくことであり、またその状況変化に合わせて組織が柔軟に変化できること、になっていきます。

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山田裕嗣 / Yuji Yamada
組織のカタチ

HR系のコンサル、大手ITのHRを経て、ITベンチャーの経営に参画。 2017年12月にEnFlow株式会社を設立。Teal/ホラクラシー/自然経営など、新しい時代の組織への変容を支援。 https://en-flow.com/