log, vol 00 「prologue」

大学の春休みがコロナの影響によって延長された頃。ほとんど散歩にも出ずに家にいた私であったが、スケッチブックやペン、課題図書などを買うために久しぶりに書店に向かった。久しぶりの買い物だったからか、本屋の持つ空気感からなのかテンションがものすごく上がって片っ端から文房具や本を手に取りカゴに入れた。さすがにこれ全部は買えないなと思い、テーブルに並べ吟味した。(それでも全て2万円ぐらい使った気がする)

大学3年目に入ってこれまで以上に先のことを考えるようになった。現実の存在に気付き始めたというべきか。このままインターンして就活して卒業プロジェクトに取り組んで、あれ、もう大学終わるのではないか。大学に入ってから自分は一体何ができるようになったのだろう。入学当初と比べると考え方は変わったし、周りの環境も変わった。専門的な知識が少しついたり、経験も得た。しかし、自分の武器と呼べるものはなんだろうか。その思いから、買った本を片っ端から読んだ。インプットの春休み、アウトプットの春学期というのをテーマに2020年春学期を過ごした。ぼんやりとだが、少しずつ自分の中で考えや根底に抱えているものが浮かび上がってきているような気がしている。どうやら、僕は ”デザイン” というものに対してコンプレックスを抱いているのかもしれない。デザインにおける一連のプロセスの中の ”アート”の部分に対してなのかもしれないが。今はまだ正体を掴めずにいるが、卒プロに取り組むまでにはこの感覚を自分の言葉で整理しておきたい。

これまでにも日常的にふと思いついたことや考えをメモやボイスレコーダーに残す習慣があったが、日々の記録というより、ネタ帳や漠然とした「卒プロ」への意識などが目的だった。そして今年に入って、より卒プロ」の存在を意識するようになった。1年間を設計することができるのだろうか、自分の性格的に就活と並行してやり遂げられるのだろうか。そんな不安から、休学しても奨学金の資格を失わない抜け道や、3.5年卒、就浪なども考えたが、まだやってもいないことに対して考えるのも疲れた。効率の悪い人間なので、とりあえず今からでもゆっくりと歩みを進めておこう。 「卒プロ」にむけて、というほどのものではないけれど、少し今の自分を知りたくなったので書いてみることにする。

次号に続く

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