雨引観音・雨引山楽法寺

鐘鳴れば鳥が啼く啼く楽法寺。孔雀に鶏、アヒルに鴨さん大集合。ちなみに坂東三十三箇所霊場第24番札所です。

SIGMA sd Quattro+18–35mm F1.8 DC HSM

GW明けに代休を取って榛名神社と水澤観音を参拝して以降、すっかり神社仏閣巡りから遠ざかっていました。リーマン仕事に加えて、もう一つのパブリケーションに記している台湾絡みの案件でバタバタしていたからなのですが、こちらが一段落したので、久しぶりにどこかへ日帰りドライブを……ということで、今回は茨城県にある雨引観音こと雨引山楽法寺へお参りに行ってきました。

SIGMA sd Quattro+18–35mm F1.8 DC HSM

ここは坂東三十三箇所霊場第24番札所で、調べてみると、宗派は 真言宗豊山派。真言宗だから例によってスタイリッシュなお寺だろうと思っていたら良い意味で期待を裏切られました。

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ネットで「孔雀がいるヨ」という前知識は得ていたものの、駐車場に車を停めると、いきなり孔雀が優雅な羽を開いてお出迎えです。もうここだけでかなりの写真を撮りまくって時間を潰してしまいました。ようやく孔雀も羽をおさめて、さてと落ち着いたところで山門から磴道をノンビリあがっていくと、 仁王門を抜けたところでまたもや孔雀がお出迎え。

SIGMA sd Quattro+18–35mm F1.8 DC HSM

仁王門を入る前、 鐘楼堂で写真を撮りながら時間を潰していたのですが、そのときはこの孔雀、いなかったような。実際ほんの少し自分より前に仁王門を入っていった主婦たちの集団は、駐車場で羽を開いていた孔雀に大騒ぎしてケータイでバシバシ写真を撮りまくっていたのに、この孔雀がいたところは素通りしていました。主婦たちが通り過ぎ、自分が仁王門を抜ける須臾の間にどこから飛んできたのかと。

SIGMA sd Quattro+18–35mm F1.8 DC HSM

ここでもまた写真を撮りまくってすっかり時間をかけてしまいました。境内にはあと少しというところで孔雀に足止めされている間、これまた数人の参拝客に追い抜かれつつ、時間もまだあるしとノンビリ石段を上っていきます。

ようやく石段を登り切った瞬間、今度は「コケコッコー!」というけたたましい鶏の雄叫びが。いったいこのお寺はどうなっているのかと(^^;)。

SIGMA sd Quattro+18–35mm F1.8 DC HSM

すぐのところに二羽の鶏がいました。先ほど大きな声で啼いていたのは、どうやら左手の黒い方。すっかり人間に懐いているようで、かなり近づいても逃げる気配はありません。

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献香を行い、観音堂の前で参拝の準備をしていると、後ろから大きな声をあげながらツアー客とおぼしきお年寄りの方々がわらわらとやってきたので、ここはしばし遠慮して境内の散策を先に済ませることにしました。

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東照宮からさらに奥へと進んでいくと、ここにもまた孔雀が一羽、優雅な散歩を愉しんでいました。こちらが近づいても逃げる様子はなく、ここでも参拝客へのサービスには慣れたもので、こちらがカメラを用意すると、ぱあっと羽を広げてポーズをとってくれました。

SIGMA sd Quattro+18–35mm F1.8 DC HSM

羽を広げてしばらく自分の周りを巡るようにウォーキングを魅せてくれたあと、切り株の上にすっと上ってこれまた決めポーズを披露。

SIGMA sd Quattro+18–35mm F1.8 DC HSM

神社仏閣の参拝記なのに鳥の写真の方が多いというのはいかがなものかと自分でも思うのですが、とにかく鳥が目立ちすぎるのがこのお寺の特徴であります。ご覧の通り、観音堂のすぐ下には鴨たちがグワグワと鳴きながら眼の前を通り過ぎていくし、いったい何羽の鳥がいるんだと。

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御供所でお守りを購入したあと、再び観音堂の方を仰ぎ見ると、さきほどのツアー客は散り始めた様子。納香はすでにすませておいたので、いつも通り開経偈から懺悔文に続けて、般若心経を唱え始めます。

すると……般若心経の途中でゴーンと鐘が鳴り、先ほどの鶏が「コケコッコー!」とけたたましい雄叫びをあげたかと思うと、孔雀と思しきクエーッ!クエーッ!という啼き声に続けて、向こうからはグワーグワー!と、鴨かアヒルかと思しき鳥たちの騒々しい大合唱が境内に響き渡ります。こんな賑やかな納経は初めてである(^^;)。

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ご本尊は観音菩薩とのことですが、観音堂の向こうには衝立のようなもので隠されているため、お堂の中を覗き見ることはできません。もっともそのぶん、孔雀で十分に愉しませてもらったので不満はありません。

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先ほど御供所から観音堂へと帰る途中に気になるお堂がありました。観音堂にお参りしていた人たちも通り過ぎていたこのお堂。サイトによれば、「 正六角形鉄筋コンクリート銅板葺造り木造勾欄付建物」とのことで歴史的建造物でもなし、見るべきものもないだろうと通り過ぎようとしたところ、扉の開いている中からすーっと燕が飛び立っていくのが見えました。

それに導かれるようにお堂へと近づいてみると、薬師如来の幟が立てられてい、さらに中を覗き見ると、「 徳川八代将軍吉宗公が養女竹姫の眼病平癒祈願のために、仏師円哲に彫刻させた仏像」と伝えられる薬師如来像の上の梁に燕の巣がありました。つくづく鳥に優しいお寺だなァ……などと考えつつ、像の前に佇んだら納経せずにはいられないのが自分の性。

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ふたたび開経偈から般若心経、さらに薬師如来の真言に続けて、如来像の横に祀られている不動明王像にもと、不動明王の真言も唱えて納経終了。ちなみにこの不動明王像は「 茨城県指定文化財不動明王像は、永享10年(1438)将軍足利義教公が関東鎮護の本尊として謹刻させ、当山に納めたもの」とのこと。

いずれもかなり貴重なもので霊験あらたかではと推察されるものの、真面目に参拝する人も少なくもったいない。如来像、不動明王像ともいかにも風格のある雰囲気(ようするにくたびれた感じ)でしたが、素通りされてしまうのは仏様としても心外なのでは。

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御供所のさらに奥には池が設えてあり、そこにも鶏がいました。これまた参拝客慣れしているのか、石の上に乗ったままこちらの期待に応えて(?)様々なポージングを魅せてくれます。

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そして写真を撮っているとき、またもや鐘がゴーンと鳴るや、再び「コケコッコー」「クエーッ!クエーッ!」「グワーグワー!」の大合唱が(^^;)。どうやら鐘が鳴ると、いっせいに雄叫びをあげるのがここの鳥たちのルールのようです。

SIGMA sd Quattro+18–35mm F1.8 DC HSM

十一時になったので、仁王門からさらに下へと下り、このお寺に併設されている楽膳中華料理のレストランでランチをとりました。昔と違って、最近は横浜中華街でも化学調味料をガシガシ使うことを厭わず、食べた後は舌が痺れてしまうものが多いなか、ここの料理はかなり美味しかったです。とくにウリの薬膳スープは、台湾のものにも負けてないほどで大満足。

SIGMA sd Quattro+18–35mm F1.8 DC HSM

このレストランがある駐車場のすぐそばには孔雀の仲間が飼われているエリアがあり、先ほどまで見てきた孔雀とはちょっと羽色の違うものがいました。この鳥もこちらが近づくと、さあっと羽を開いて大サービス。しかし金網があるのを幸い、カメラを構えてかぶりつきで撮ろうとしたところ、「グエーッグエーッ!」とけたたましい抗議の啼き声にこちらはタジタジ(^^;)。

SIGMA sd Quattro+18–35mm F1.8 DC HSM

真言宗らしいエンタメに徹した境内は子供と一緒に訪れても愉しめること請け合いで、雰囲気はかなり良いです。たくさんの神社仏閣を訪れたことのある人には判るかと思うのですが、それぞれの神社仏閣には陰陽の気とでもいうべきものが感じられます。このお寺は間違いなく陽の方で、三嶋大社のようなカラッと明るい陽気が感じられ、個人的にはかなり気に入りました。

磴道にはたくさんの紫陽花が植えられてい、これからの花季ともなればたくさんの参拝客が訪れることでしょう。

さて、まだ時間があるので、ここから南へ下って筑波山を目指すことにします。続く。

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Mark Yu -taipeimonochrome
読む,書く,撮る,聴く,旅に出る

読んだ本や聴いた音楽について、あるいは旅したことについて写真とともに綴っていきます