4月1週目の野菜セット(S)

風景をつくるごはん、2020春

Haruna Watanabe
食と農と風景
Published in
Apr 9, 2020

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#実践 #風景をつくるごはん

外出できない日々が続いていますが、みなさんお元気ですか?

4/4の“食の選択”についての記事では、

自由に外出できない今だからこそ、外との接点として食材をとらえなおせないだろうか?

と考えていました。それもあって、普段は旅行先で買ったもので作っていた「風景をつくるごはん」を、宅配野菜で試してみることに。

坂ノ途中から「旬の野菜セット(S)」とお米、レシピノート:April2020が届いたので、さっそく「風景をつくるごはん」をつくりました。菜の花も新玉ねぎも…春の味いっぱいの食卓になりました。

≪目次≫
風景をつくるごはん①三重、奈良、京都
風景をつくるごはん②兵庫
風景をつくるごはん③島根、京都
つながる風景・東京より生産地と生産者を訪ねて

風景をつくるごはん①

風景をつくるごはん①

【のらぼう菜のお浸し、みそ汁】

・三重県いなべ市より、のらぼう菜HATAKEYA

【レタスとシメジの浅漬け】坂ノ途中レシピ参照

・奈良県宇陀市より、赤リーフレタスはじまり屋
・京都府京丹波町より、ハタケシメジ(丹波シメジ)瑞穂農林

風景をつくるごはん②

風景をつくるごはん②

【新玉ねぎの丸ごとスープ】

兵庫県洲本市より、新玉ねぎ:島ノ環ファーム

玉ねぎがひたひたに浸かるくらいの水、に昆布とローリエを圧力鍋に入れて10分。白だしと塩で味をととのえるだけ。

有畜複合農業に取り組む島ノ環ファーム(淡路島)の新玉ねぎ

風景をつくるごはん③

風景をつくるごはん③ほうれん草づくし!

【ほうれん草とシラスのバターソテー】

【ほうれん草のお浸し】

【ほうれん草納豆】
味付けは納豆のたれ、からしと、“お酢”をひとまわし

島根県浜田市より、ほうれん草:三島ファーム

【ごはん】

京都府八幡市より、お米“石清水®”:京都辻農園

つながる風景

この野菜たちはどこらか来たんだろう?どんな環境で育ったのだろう?
野菜とつながる風景を知りたくなって、生産地と生産者について調べてみました。(野菜に同封されていたのお野菜の説明書をもとに検索してみた)

【のらぼう菜】

生産者は三重県いなべ市で夫婦で農業を営むHATAKEYA。いなべ市は三重県の最北部・鈴鹿山脈の麓にある。

↑畑の風景はインスタが一番よくわかる。これはのらぼう菜の畑。

いなべ、暮らしを旅する2020。

↑いなべに旅行してみたくなる冊子。生産者も紹介されている。

【赤リーフレタス】

ロート製薬は「薬に頼らない製薬会社」を目指し、2013年からはアグリファーム事業部を立ち上げている。はじまり屋は有機JAS認定を持つ子会社で、2014年より農業を始めた。ちなみに宇陀市は創業者の出身地だそう。

宇陀市は「飛鳥時代から続く薬草のまち」として知られ、ロート製薬以外にも、ツムラ(旧津村順天堂)、アステラス製薬(旧藤沢薬品)など、多くの製薬会社の創設者を生んでいる。

【ハタケシメジ】

生産者の瑞穂農林株式会社は、京都府京丹波町、京丹波森林組合およびタカラバイオ株式会社の合弁会社だそう。

キノコの生産に、地元の旧船井・北桑田郡8町の間伐材を利用した杉オガ粉を菌床として使用し、収穫後の廃菌床を堆肥や飼料などに有効活用するなど、有機性資源の循環利用に取り組んでいる。

【新玉ねぎ】

生産者の「島ノ環ファーム」のブログによると、どうやら届いたタマネギは「トップゴールド305」という糖度が高く、辛みが少ない品種みたいだ。

淡路島の風景はこの映画を見るとイメージしやすいと思う。とても豊かな淡路島は食料自給率110%だそうだ。

参考:淡路環境未来島

【ほうれん草】

生産者は、“島根の野菜と地ビール販売の「三島ファーム」”。

島根県浜田市は、浜田港で水揚げされるのどくろが有名。また、岩見地域(島根県西部)屈指の良質米の産地だそうだ。

日本の棚田百選に選ばれた「都川の棚田」、「室谷の棚田」も浜田市にある。

【お米】

生産者は京都府八幡市の京都辻農園。

ただ農薬を使わなければよい、ではなく、「できるだけ自然に近い環境で、『健全な稲』を育てたい」。そして「本当に美味しいものを作りたい」。

という思いで作られたお米だそう。農園のサイトにはいろんなこだわりが書いてある。

あとがき

“外との接点として食材をとらえる”ことを何かやってみよう!、ということでいつもと違う「風景をつくるごはん」にチャレンジしてみた。

その結果は…やっぱり宅配は現地に行く事にはかなわない、と思った。でも坂ノ途中の宅配野菜は、食材選びへの工夫、生産者・生産地、レシピ情報にアクセスしやすいような工夫がたくさん見えた。

「環境負荷の少ない農業」は安心・安全に比べたら浸透していない。それを伝え、付加価値にして、買ってもらうというのはそう簡単にはいかないけれど、それをやろうとしていることは伝わってきた。

他の有機野菜などを扱うオンラインショップもいくつか見てみたが、それらと坂ノ途中が決定的に違うのはこの点だ。例え同じ生産者の野菜を取り扱っていたとしても、意味が違うなと感じた。

今回宅配野菜で「風景をつくるごはん」を実践してみたことで、次の旅行先を見つけられたのは良かったなぁ。

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Haruna Watanabe
食と農と風景

Ph.D. student, majoring in Landscape Architecture, Sustainable food & agriculture / Vulcanus in Europe2018(Belgium)