09: 復活!プランター・パクチー!

Kazuki Nishizaki
週刊パクチー通信
5 min readSep 8, 2016

つい先日まで台風が猛威を振るっていたと思ったら、今度は30度を越す真夏日。そして、気が付くとまた台風が近づいてきている。そんな中、今日もまたパクチーに水やりをしてきた。

大学の夏休み(7月下旬~9月下旬)も折り返し地点に差し掛かろうとしていた8月17日(水)、私はパクチーの様子を見に研究室へと足を運んだ。ここ最近の記事で紹介されているモバイル・パクチーは、ちょうど発芽を迎えていた。しかし、私の目的はモバイル・パクチーよりも他にあった。プランターで育てようとしていたパクチーだ。加藤先生が置いていった、ふたつのプランター。そこから始まったパクチー栽培だが最初はうまくいかなかった。やはり生育適温18度~25度と言われるパクチーにとって、7月8月の気温は少し暑すぎたのかもしれない。1度目の挑戦は失敗に終わり、2度目の挑戦。その挑戦を手伝わせてもらうことになった。

所属しているアメリカンフットボールサークルのオフが明け、練習の為に夏休み中も週4日大学に通っている。その中で、練習がある日は研究室に足を運んで水やりをすることにしたのだ。水やり初日の8月17日にプランターを見たとき、ちょうど少しだけパクチーが頭を出していた。最初はそれがパクチーだと気づかない程だったが、確かにパクチーの葉だ。

8月17日のプランター・パクチー

夏休み中の水やり係を引き受け、研究室のメンバーの想いを背負いながら週4日休まずに水やりを続けた。小学生の頃、夏休みにアサガオに水やりをする為に学校へ通っていた時の感覚と似ている。「おおお!すごい伸びてる!」「あー変わってないかー。」パクチーの水やりをするようになってから、色々なものの小さな変化にも敏感になったように思える。途中合宿の為に1週間ほど水やりできない期間があったが、プランターを直射日光の避けられる場所に移動して、合宿中はとにかくパクチーの無事を祈った。暑さで枯れてしまわないか、大雨で弱ってしまわないか、心配だった。パクチーはそれだけ敏感な植物なのだ。

合宿が終わり、最後に水やりをしてからちょうど1週間経っていた。私はパクチーを見て、驚きを隠せなかった。その前の1週間とは見違えるほどに成長していたのだ。私の不在中も、適度に雨が降ってくれたらしく、問題なく育ってくれたようだ。

8月31日(合宿終了直後)のプランター・パクチー

実は、私自身生まれてこの方パクチーを口にしたことはなく、“嫌いなもの”の代表としてよく耳にする葉っぱ、くらいにしか思っていなかった。パクチーが嫌われる多くの原因はその独特な匂いだろうが、パクチーを嫌いなのは人間だけではないようだ。

読者の皆さんは、コンパニオンプランツという言葉を知っているだろうか?農薬や化学肥料に頼らない栽培テクニックのひとつで、好相性の植物同士のことを言う。背の高い木と背の低い植物が共存しているのも、コンパニオンプランツの例だ。パクチーの特有の香りは昆虫にも有効で、匂いを手掛かりに好みの植物を探す昆虫にとってパクチーはその感覚を鈍らせる難敵なのだ。通常であればそれぞれの害虫に対応した農薬や殺虫剤を使用して駆除を行うが、コンパニオンプランツを利用することで無農薬栽培にもできるのだ。害虫駆除の他にも様々な効果を持つコンパニオンプランツがある。パクチーのような独特な香りを持つセリ科の植物は害虫駆除に役立つが、ユリ科ネギ属の野菜は根に共生する微生物が抗生物質を出すため、ウリ科やナス科の病原菌を減らすとされている。他にも、一緒に栽培することで成長促進につながることもあるようだ。パクチーと同時に、他の植物を植えてみるのもいいかもしれない。

9月7日現在、プランター・パクチーもモバイル・パクチーも順調に成長している。しかし、ここからがパクチー栽培における第2関門だ。収穫までの道のりまではまだ長い。現時点で平均11cmのパクチーだが、収穫に適する大きさまではまだまだ遠い。これからも水やりを続け、ぜひとも人生初パクチーを口にしたいと思う。

次回は、台湾を旅したさやかが現地で出会ったパクチーのことを書いてくれるようです!来週の『週刊 パクチー通信』もお楽しみに!

《参考文献》
木嶋 利男 (2008年) 農薬を抑えた野菜作り コンパニオンプランツ
https://shop.takii.co.jp/flower/bn/pdf/20080204.pdf

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