46: パクチー・サイクル

〜途中経過225〜

すっかり夏気分で過ごしていたら、今日はどんよりくもり空。雨もぱらつき、湿った空気が肌にまとわりつく。そうだ、梅雨の存在をわすれていた。迫り来る季節を思い憂鬱になる。あいかわらず気候に振り回されるわたしを尻目に、パクチーは依然として花を咲かせつづけている。食べられる葉の部分はどんどん減り、にょいーんと伸びた茎と白く可憐な花の割合が増えていく。しかも、よくよく目を凝らせば、花が散ったところから種を付けはじめている…!

225。これは、今生きているパクチーの種を蒔いた日から今日までの日数である。思うように育てられず、枯らせつづけた夏。「抜本的な改革が必要だ。」と言って、土のブレンドから考え直し種を蒔き直したのは10月13日のことであった。それからすくすくと育ち、プランターいっぱいに葉を実らせてくれた。カナさんとわたしだけでなく、加藤先生や研究会の仲間たち、石川先生や秋津さんの舌も心も喜ばせてくれた。そしてついに花が咲いているのに気づいたのは、種を蒔いてから207日目のことだった。わたしたちのパクチーは、これから種の姿に戻ろうとしているのだ。

225。今はまだ、パクチーが土と共に生きはじめ、その生を終えるまでの壮大なものがたりの途中なのである。あの芳しい香りのちいさな種を、収穫する日は近いのかもしれない。そのときに、ひとつのサイクルが完成する。それは命の終わりを意味する。しかしまた、はじまりの合図でもあるのだ。わたしはそれを、パクチー・サイクルと名づけることにする。

365、100、30、7、世間にはいろいろなサイクルがあるし、個人的に大切にしている区切りがあるひともいるだろう。わたしにとってのそれが、パクチー・サイクルになることは間違いない。もうしばらく、見守っていこうと思う。