家族で一緒にトレーニング
フィットネスとライフスタイルについての記録
私は、幼稚園生の息子にキックボクシングのミット打ちをして教えている。
先日、カミさん(妻)と一緒に久しぶりにスポーツジムへ行って、二人でボクササイズのレッスンに出たのだが、カミさんのパンチやキックがまるで出来ていないのが分かった。
昔、20代の頃に二人でスポーツジムへ通ってボクササイズのレッスンに出ていたので、実はカミさんもミット打ちの経験がある。しかし、しばらく運動していなかったので、レッスンが始まって、スピードが出てくると、動きが猫パンチになってしまっていた。これではダメだと思い、私はカミさんにもミット打ちをするよう話をした。
カミさんはガチなドSなので、もちろん、嫌いではない。ただ、忙しいのでなかなかやる時間がないのである。なので、一日10分でも良いから時間があったら、やることに合意した。上手いことに、私とカミさんがミット打ちをすれば、子どもはすぐに反応して「僕も、僕も」と脊髄辺りに存在すると言われる、やる気スイッチが入る。なので、家族で一緒にトレーニングである。
カミさんは、ミット越しにズシンとくる痛いパンチは打てるので、やることは、威力を落としたスピードのあるパンチ、キックの練習だ。基本の姿勢が出来ないとスピードのあるパンチのコンボなどは打てないのである。ひたすら、身体が慣れるまで練習するしかない。
オープンフィンガーグローブ越しにミット打ちをしていたのだが、心は図太いが、身体はか弱い女性のカミさんなので、手の指の皮が少し剥けてしまった。これは、慣れでだんだんと皮膚が強くなるのだが、無理強いはできない。
そこで、私は以前購入したスティックミットを使うことを思いついた。
これなら、全く痛くないし、スピードの練習やディフェンスやカウンターの練習にも最適である。カミさんも、スティックミットなら痛くないとのこと。練習の初盤に強いミット打ちをし、中盤からはスティックミットを使用しスピードの練習をする。なかなか良いアイデアだ。
そして、私は更に良いことを思いついた。もう、皆さんお分かりのように一番ミット打ちをしたいのは、実は私である。しかし、カミさんにミットを持ってもらい、パンチを一発打ったところ「もう、痛いから嫌だ」と拒否されてしまった。
そこで、今度はカミさんにスティックミットを持ってもらい、私はミットに軽くパンチをしながら、カミさんが攻撃してきたところを避けたりパリー(受け流し)をする練習をしてみた。これなら、カミさんも痛くないので大丈夫とのこと。これで、私も念願のミット打ちが出来るようになった。何とも嬉しいことである。
スティックミットの利点は攻防が出来ることである。もちろん、最初はお互いに慣れないので、上手くタイミングが合わない。滅茶苦茶にやっても練習には成らないのである。
なので、お互いにコミュニケーションを取りながら、「次は、ミットでワンツーパンチして、俺が避けるからその後にカウンターでワンツーパンチする」と言ってスタートする。出来たら、「今度は反対で」と言って、ワンツーパンチをしてから避けようとするのだが、カミさんのミットパンチのタイミングが速すぎて避けられず、頭にもろに当たってしまう。
「おいおい、何十年一緒に暮らしてんだよ。夫婦なんだから阿吽の呼吸だろ」と言いながら、何度も練習するのだが、どうしてもタイミングが合わない。何度も頭を叩かれながら、私はハッと気づいた。もしかして、カミさんはわざとタイミングをずらして、私の頭を叩き、楽しんでいるのではないかと。
そのような視点からカミさんを見ると、カミさんは実にニヤニヤしながら完全なる満面の笑顔で私の頭を叩いている。予想通り、正真正銘のガチなドSである。
私も、正真正銘のガチなドMだ。SとMは、まるで磁石のように惹きつけ合い、もはや、逃れることはできない。これが巷でいうSMプレイというものなのかと、私は初めて実感した。・・・悪くは、ないかもしれない。
おしまい。