牟岐大島へ
年に2回しかない島に渡る船旅

四国の右下、牟岐町(むぎちょう)の沖には出羽島(てばじま)と大島がある。出羽島は人が住んでおり、連絡船が出ているので、常に渡ることができる。しかし大島は無人なのでそうはいかない。それでも一般に大島に行く機会は年に2回あるので、これを見逃さないようにしたい。


一つはGWに開かれるアワビ祭り。帰省客や家族連れがたくさん来る祭は少し東側の古牟岐漁港で行われる。大島クルージングはそのメニューになっている。島には上陸しないものの、裏側にある見事な波の模様がある巨岩「ホリモン」まで廻り、帰ってくる。船頭さんによって多少違いがあるかもしれない。


もう一つが姫神祭り。時期は7月末頃の日曜日だ。牟岐に伝わる古い話をモチーフにしていて、島にある大島神社をお参りに行く。そのとき巨大な陽根のハリボテを乗せて行く様は他では見たことのないもので、奇祭と言って間違いないだろう。ただしもともとあった祭ではないようである。大島伝説は、相方が舟に乗せず置いて行かれたのを悲しんで、土佐の姫さんがこの岩の上から身を投げたという話だったと思う。

さて、祭りの圧巻は御神体の巨大な岩から若い衆が海に飛び込むところだ。目も眩むような高さから恐怖心に抗いながら海に飛び込むのは、度胸試しになるだろう。

更に漁船団が大島に渡った後、内湾に大漁旗を飾った船が停泊する様は壮観だ。色鮮やかな色彩で彩られた漁船が蒼天と碧海の湾内を埋め尽くすのだ。背景となる大島の風景も野生のままなので、日頃人の手の入った世界で暮らしている私たちには新鮮に映る。この湾内の底に世界最大級の千年サンゴが眠っているのも理解できる。
実は大島は釣り場としても知られており、磯釣りのために渡船でやって来る人が一番多いのだろう。ただし、釣り人に限られる。1月には観光磯釣り大会が開かれている。こういうのも珍しいと思う。

