スキルを活かす場を求めて — プロボノ

仕事で培った自分の経験やスキルを、どこかで活かせる場がないかと考えたことはないでしょうか?

勤め先から与えられる仕事だけでは、仕事の幅や成長機会がなかなか得られず、どうすればそんな機会が得られるか分からない・・・という人にうってつけな機会があります。

それはProbono(プロボノ)

広義にはProbono(プロボノ)をWikipediaで調べてみると

Pro bono publico (English: for the public good; usually shortened to pro bono) is a Latin phrase for professional work undertaken voluntarily and without payment. Unlike traditional volunteerism, it is service that uses the specific skills of professionals to provide services to those who are unable to afford them.

要するに、ラテン語の「Pro Bono Publico」(公共善のために)を語源とする言葉であり、職業上のスキルや専門的知識を生かしたボランティア活動 を意味します。活動に対する対価が発生しないという点もポイントですね。

1.始めようと思ったきっかけ

これまでに自分が培った経験やスキルを、どこかで活かせないか、それに合わせて外部コミュニティーとの接点も持ちたいと考えたのが一番の理由です。

私が2010年頃、会社でもODC(On Demand Community)というのがあり、いわゆる「ボランティア活動」が多く募集されていることも知っていましたが、自分の培った経験やスキルが活かせるかという観点でちょっと違うなぁと感じていました。

そんな時に出会ったのが、2010年よりスタートしたプロボノプログラムでした。

2.始めるにあたり準備したこと

通常業務もこなしつつ、このプロボノプログラムも本当にできるのか?まずは説明会に参加し不安点を解消することからはじめました。

説明会では

  • 活動場所はどこか
  • 活動頻度・期間はどれぐらいか
  • どのようなスキルが必要とされているか?(自分が役に立ちそうか?)
  • どういったことが効果が期待できるか

ということが聞くことができ、実際に参加した方の声をきくことで、参加に対する不安はかなり解消されました。

その上で、自分はどのようなスキルが提供できるか?を棚卸しして考えてみました。プロボノプログラムでは、3〜4名でチームを組み、一つのNPO支援を行うというスタイルということでしたので、自分が貢献できることを把握しておくことが重要です。

3.始めてみて感じたこと

プロボノプログラムでは、一番最初に「支援先」と「チーム」のマッチングから始まります。

支援する内容は、支援先が求めるものにより異なっていますが、基本的には「課題解決型」のプロボノプログラムでしたので、

  • 現状課題の整理
  • 対応方針検討と優先度整理
  • 対応(案)の提示

といった感じの支援活動をトータル 3ヶ月間の中で行いました。

主に作業はセッション資料の検討・作成がメインであり、週当たりの作業時間は7hほど。単純に考えると1h/dayぐらいの作業量ですが、各自持ち帰り作業は、週末にまとめてやっていました。

良かった点として

チームメンバーは、全く異なる組織・年代だったのも、仕事の仕方が違って新鮮でしたね。

限られた時間内で効率よくセッションを終えるために、準備段階から資料準備を入念におこないました(これっは仕事でも同じことやります)

難しかった点(or困った点)として

課題の整理・対応方針を出しても、その先を実施してもらうのは支援先の人達なので、できるだけ地に足の着いたものを作るのに苦労しました。お金や人手をできるだけ抑えた考え方をしなければなりません。

4.終わったあとの自分の変化

自分のスキルが社会の役に立つというのがダイレクトに感じられたのは非常によい経験になったと思います。

プロボノプログラムはNPO支援という、普段の仕事で接することがない方々が相手であったため、世の中にはこんなにも志高く仕事をやっている人達がいるんだなと純粋に感動しました。

外部コミュニティーの繋がりが広がり、その後の活動にも繋がりました。

5.その後の活動

プロボノという活動の有用性を感じ、IBMプロボノプログラムの全国展開のお手伝いをさせていただきました。

あわせて、外部の団体の運営するプロボノプログラムにも参加することで組織を越えた人達との協業というスタイルが、これから重要になると感じました。

6.参考情報

プロボノプログラムはその後も継続されており、現在はグランツプログラムという形で、引き続きNPOや公共機関へのサービス提供をしています。

IBMグランツプログラム

IBM社員であれば気軽に応募できるため、興味が湧いた方は是非説明会等に参加してみてください。心配な点があれば私に直接ご連絡いただいてもかまいません。

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Kensuke
001.働く場と活かせるスキル、そのやりがい

家族と自転車をこよなく愛す。新しい働き方って、個人で始めてみることが重要なんじゃないかなと考えている。日本アイ・ビー・エム株式会社所属。(ここでの掲載内容は私自身の見解であり、必ずしもIBMの立場、戦略、意見を代表するものではありません)